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第一回 最近可愛いカメラ、Pentacon Six

皆さんこんにちは、note初投稿です。
これからnoteでは最近使ってるカメラや写真について思っていることを書いていこうと思います。とは言っても、レビューなどではなく備忘録のようなものに近いかと思います。

ということで!第一回は、非常に個性的で可愛いカメラであるPentacon Sixについて書きます。

Biometar 80mm F2.8 / Portra160
Biometar 80mm F2.8 / Portra160




Pentacon Sixとは

ではPentacon Sixについて軽く説明させていただきます。

Pentacon Sixは、東ドイツのVEB Pentacon社製の中判一眼レフです。
たくさんの魅力的な交換レンズを使用できるのが特徴の一つ。
デザインはドイツらしいシンプルで無駄の無いデザインと中判の野暮ったいデザインが上手く融合したカメラだと思ってます。

スペックとしては、
・レンズ交換式一眼レフ
・マウント:Pentacon Sixマウント (P6マウント)
・フィルムフォーマット:120, 220フィルム / 56mm×56mm
・シャッタースピード:B, 1~1/1000秒 (同調速度1/30秒)

同じマウントを持つこのカメラの弟的な存在としてEXAKTA66や、はたまた従兄弟的な存在としてKIEV60やその親のようでそんなに関係ないKIEV88CMなんてカメラもあります。

詳しい説明はここではしません。なぜならPentacon Sixについてのほぼすべてをまとめられた夢のようなサイトがあるからです。

https://pentaconsix.com/index.htm

英語です。Google翻訳に任せましょう。


一つ重要なこと

まず、1にも2にも非常に繊細で壊れやすいです。
よくあるのがコマ被り問題とSS1/125問題です。

コマ被り問題ですが、巻き上げ機構が弱いらしく、最初のフィルムのセットの仕方や巻き上げ方によって前に撮ったコマに一部重ねてもう一枚が写ってしまいます。

SS1/125問題では、SSを1/125の位置にダイヤルを合わせて巻き上げたあとにシャッターを切ると、幕が閉まりきる前に停止してしまいます。ひどいと他のSSでもなるそうです。

それらを防止するため、指で抑えながら巻き上げレバーを戻します。
パっと離してレバーを戻すとコマ被りの原因になるだけでなく内部構造の破損にもつながるそうです。ですが、そのためにゆっくり操作しすぎるとそれはそれで良くないないらしく…
そして、フィルムの装填時はとにかくしっかりとスプールにフィルムを巻き付けます。キツめに、ズレなく巻き付けなくてはいけません。

写真1枚撮るにも少しビビりながら巻き上げて撮ってます笑
それだけ気難しいカメラなんです。

ロマン

ですが、先述したようにたくさんの魅力的な交換レンズがあります。
中にはCarl Zeiss Jena(あの"Carl Zeiss"の東ドイツ側)まで。
キットレンズであるBiometer 80mm F2.8のボケとピント面のキレなんて最高です!
それ以外のレンズは今は持っていないですが、Flektogon 50mm F4という広角レンズやSonnar 180mm F2.8なんて大口径なレンズもあります。それら以外にも500mmクラスの望遠レンズやARSAT 30mm F3.5というソ連製の魚眼レンズなんかも面白いのではないかと思います。
まさにロマンの塊…

ではここで考えてみてください。これはZeissのレンズが使える中判一眼レフカメラです。

そう!HASSELBLADのようではないでしょうか!?(違う)

もちろん中判フィルム機でZeissのレンズが使えるものは沢山あります。Hasselblad、CONTAX 645、みんな大好きRolleiflexだってそうですね。
ですが、"一眼レフ" "Zeissレンズ" "135判一眼レフと同じ操作系"のように代表的な特徴を上げていくとわかるように似たようなカメラは一つもないのです。まさに唯一無二。
こんな最高の描写をしてくれるカメラが格安で手に入れることができるのです!

また、境遇としても"東ドイツ製"ということでなんだかロマンありません?ドイツが2つに分かれていた時代のもの。僕の生まれる16年くらい前らしい。
そんな時代を感じながら使ってみると撮影体験としてもより一層深いものになるのかも?しれないです。


使ってみて

このカメラの魅力の一つに、その中判ならではのじっくりと撮る感覚も含まれると考えているので良ければ撮っているところを想像してみてください。

巻き上げレバーでフィルムを巻き上げます。
丁寧に、スムーズに巻き上げます。そうするとシャッターがチャージされると同時にミラーが下がってファインダーの像を見ることができるようになります。
巻き上げないとミラーが下がってこないということは、巻き上げるまでファインダーが見えないということなのでちょっと不便。
もうすぐ撮るってときに先に巻き上げておいて、シャッターボタン周りのレリーズロックをかけておいたほうが使いやすいです。

そしてまず思ったこととしては、ファインダーの像がとても綺麗。
このカメラ、ファインダーが交換式で大体はウエストレベルファインダーが装着されています。そしてうちの子もそう。
このカメラのスクリーンに浮かび上がった像がもう最高なんです。

Pentacon Sixのウエストレベルファインダー

でもしばらく撮ってるとアイレベルファインダーも欲しくなってくる

構図が決まったらそのままシャッターを切ります。
" ボシュッ "って感じの音でシャッターが切れます。シャッターの音も振動もあのデカい図体と比べたら控えめ。
そしてシャッターを切ったら余韻に浸ります。その時これ一枚あたりいくらだとか考えてはいけません。

Biometar 80mm F2.8 / Portra160

Pentacon Sixに最初に通したフィルムの中で一番感動したのはこの一枚。

ボケ量はそう多くない。解像度そのものも決して高いわけではない。
でもひと目見て伝わる質感や立体感、そして空気感。
これが中判、そしてBiometarか、と。

うまく言語化はできていないのですが、それでも明らかに何かが違うと思いました。


作例

全てフィルムはPortra160、レンズはBiometar 80mm F2.8です。
というよりこれ以外に持っていないのでいつかは他のレンズにも手を出したいと思っています。

Biometar 80mm F2.8 / Portra160
Biometar 80mm F2.8 / Portra160
Biometar 80mm F2.8 / Portra160
Biometar 80mm F2.8 / Portra160


Biometar 80mm F2.8 / Portra160


まとめ

今回はPentacon Sixについて書かせていただきました。

正直なところ、手間はかかるし今どきフィルムは高いしで面倒です。
それにカメラ自体の癖も相当強い部類だと思います。
ですが、それが許容できれば最高の相棒になってくれます。最近のフルサイズミラーレスなんかでもなかなか味わえないような中判ならではの立体感と空気感、Zeissレンズのキレとボケ、これ以上無いくらい世界を美化してくれるファインダー。
まさに唯一無二のカメラだと思います。

普段使っているNikonのデジタル一眼カメラや135判のフィルムカメラとは感覚がまるで違っていて、写真を撮ることにより一層集中できると感じます。そして普段のカメラよりもゆっくりと、じっくりと写真を撮ることができます。
そのように撮った写真一枚一枚は写真だけでなく記憶にまで刻まれると思います。

あまり容易く勧められるカメラではないですが、その分、人によってはそれ以上に魅力も多く持つカメラなので良ければ検討してみてください。

ありがとうございました。


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