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スマホで天の川を撮影しよう

スマホカメラと一眼カメラで撮影をした天の川の写真をご覧ください。

①使用カメラ:一眼カメラ
シャッタースピード(SS)8秒、f/1.8、iso1000、フィルター(プロソフトンクリア)
②使用カメラ:スマホカメラ(Android Xperia SO-51B)(選択レンズ24mm)
シャッタースピード(SS)30秒、f/1.7、iso1000、フィルター(プロソフトンクリア)
ポータブル赤道義で追尾(ナノトラッカー2)

①と②の写真はそれぞれ撮影時期が異なりますが撮影場所は三浦半島の城ヶ島であり、空のクリア感もほぼ略同じような条件下で撮影をしています。①と②の星の写り具合を比較してポータブル赤道義を使用しているとはいえ私はスマホカメラがここまで星を写せるとは思いませんでした。しかも流れ星付きです!

③さそり座部分を拡大(②スマホカメラのもの)

さそり座の星であるアンタレスが放つ赤い輝きも見事に写っています。

スマホでもポータブル赤道義を使用して星を追尾すれば一眼カメラの固定撮影したもの以上のキレイな天の川を撮影することが可能です。

天の川を撮影する際は以下の星達を入れると一段と良い写真になります。

夏の大三角
・ベガ
・デネブ
・アルタイル

さそり座
・アンタレス(さそり座の心臓部とも言われることも)から右にある3つ

「夏の大三角」や「さそり座」はともかく、初心者の方、まずは天の川という存在を確かめるためにも夜空に浮かぶ無数の星とモヤモヤ感をカメラに収めてください!

ポータブル赤道義で追尾しない固定撮影なら一眼カメラでもスマホカメラでも設定はほぼ同じ。
選択レンズ24mm、f/1.7、8秒、iso1000~2000もしくは3200位
参考記事 ➡ スマホで星空を撮影しよう|photo-TSUTTSU (note.com)

スマホで撮影する星空の必須アイテム

※現像アプリを除いてもざっくり約12,000円程度の出費があります、でも最低これらが無いと星空の撮影は不可能です。

  • スマホ

  • スマホホルダー ※三脚とスマホを取り付けるもの。1,000円以下でAmazonで購入出来ます。

  • 三脚 ※私の推奨はK&F Conceptのもの。値段も6,000円前後で購入可能。私も使用しています。三脚は何でも良いというわけでは無くブレを防止する役割を果たして欲しいので軽くても三脚の脚を数段階に分けて広げられる仕組みのあるものを強く推奨します。理由は脚が広がればそれだけ安定すると思ってください。ここで推奨したものは後にポータブル赤道義を検討している方、何なら一眼カメラでも使用可能です。

  • フィルターを使用する場合の推奨は「Kenko レンズフィルター PRO1D プロソフトン クリア」私は49mmを使用。Amazonで1,500円程度。

  • フィルタークリップの推奨は「ケンコー(Kenko) EXAPRO スマートフォン用アクセサリ フィルタークリップ フィルター径 49mm用 クリップタイプ」Amazonで3,500円程度

  • 現像アプリ Lightroomを推奨(有料版→560円/月 or 5,300円/年)


ポータブル赤道義は敷居が高い?

基本的には敷居が高いと思ってください。
けど、キレイな星空を撮るのであれば1台位あっても良いかもしれません。

赤道義と比較すると安価な金額で購入出来るしコンパクトなので持ち運びも便利です。とは言っても色んな種類もあるので実際に購入するにはどれが良いか迷うと思います。私も随分と迷いました。結果、視野に入れていたものとは別の物を購入しました。なので私の推奨は以下の写真のものになります。

ポータブル赤道義、専用電源、専用コンパスアングルプレート、レベラー(水平調整)、自由雲台
  • ポータブル赤道義(ナノトラッカー2:星、月、太陽の追尾可能。詳細はメーカーの製品仕様をご覧ください。数種類あるポータブル赤道義の中でも安価なものになり写真の自由雲台を除いた本体+コンパスアングルプレート+レベラー(水平調整)でだいたい42,000円です。

  • 専用電源:これはナノトラッカー2についてくるもの。単3電池3本使用。

  • 専用コンパスアングルプレート:これは大事なものなので一緒に購入をしてください。そもそもポータブル赤道義は北極星(ポラリス)に合わせる必要があります。何故なら簡単に言うと北極星は24時間動かずに同じ場所に見えるからです。一口で北極星に合わせると言っても苦戦します。そこで必要なのがこのアングルプレート(方位磁石付き)。ここにナノトラッカーを取り付けた時点ですでに北極星に向けた角度調整が完璧に整います。あとは方角を真北(しんぼく)にセットすれば良いのです。方角セットにはスマホのコンパスアプリを併用することを推奨します。

  • レベラー(水平調整):水平も正しく設置する必要があります。三脚で整えるのは難しいのでレベラーにあるダイヤル等で微調整を行いながら三脚を水平にしてナノトラッカーを取り付けてください。

  • 自由雲台:ナノトラッカーとスマホホルダー(もしくは一眼カメラ)の間に取り付けるもの。ポータブル赤道義のナノトラッカーを真北に合わせたら撮影を行うカメラは天の川へ向けます。このときに自由雲台じゃないと自由な方向にカメラ類を動かせません。というのは天の川は季節によって横たわっていたり、垂直に立っていたり、西に傾いていたりします。思うように調整するには自由雲台が必要不可欠なのです。

下から「レベラー(水平調整)」「「専用コンパスアングルプレート」「ポータブル赤道義、ナノトラッカー」「「自由雲台」

ネジのアダプターの用意も!

私の場合、レベラー(水平調整)を三脚に取り付けようとした際にネジがあいませんでした。よって「カメラネジアダプター 1/4メス-3/8オス」を用意しておくことを強く推奨致します。Amazonで5個入り900円以下で購入可能

真北
コンパスが磁北を基準の場合、真北はずれていて東京では磁北から東方向に約7°ずらした(時計回りに7°回転)方向が真北となります。 アメリカでは30°以上ずれているところもあるそうです。


天の川ってどこで、いつ見れるの?

・天の川はいつ見れるのか?
・どの方角なのか?
・見たこと無いから夜空を見ても天の川の区別がつかないよ。

私が最初に浮かんだ疑問

そうなんですよね。
一番の壁はこの疑問にあります。

天の川はいつ見れるのか?
月の無い時間帯で光害の影響が少ないところ

どの方角なのか?
南南東~南南西

見たこと無いから夜空を見ても天の川の区別がつかないよ。
スマホアプリを使うと簡単に見つけられるよ。一度見つけてしまえば見れる環境の下ならすぐに見分けが出来るよ

では、以下より詳しく説明を致します

光害マップ

天の川というのは何処でも見えるものではありません。
しかも「夏の天の川」「冬の天の川」という二つの種類があり、SNSでよく見る天の川は「夏の天の川」になり天の川の濃い部分が夜空にあるので特定の場所でなら肉眼で確認をすることが出来ます。一方「冬の天の川」というのはオリオン座付近にある極めて薄い天の川になります。その特定の場所というのが光害の少ないところなら可能なのです。光害の少ないところをどう判断するのか?それは私も活用しているサイトを紹介致します。

画像の読み方は以下の通り
≪良く見える≫ ← 青>緑>黄>オレンジ>赤>ピンク>白 →≪見えない≫
伊豆でも南伊豆辺りは「青」です。そうなるとどういう天の川が撮影出来るかというと↓コチラ↓

下田 爪木崎:一眼カメラ:Z9、Z20mm f/1.8、プロソフトンクリア

南房総も緑と黄の地域なのでかなりよく写せます↓コチラ↓

南房総 野島崎公園:一眼カメラ:Z9、Z20mm f/1.8、プロソフトンクリア

真ん中の城ヶ島ではどんな感じか
同じ一眼カメラとレンズで撮影ています↓コチラ↓

城ヶ島:一眼カメラ:Z9、Z20mm f/1.8、プロソフトンクリア

主に緑:伊豆の下田、南房総の野島崎
主に黄:三浦半島の城ヶ島
緑>黄の違いが明らかになったかと思います。
※今は余談ですが黄地域でもポータブル赤道義を使用して星を追尾すれば緑地域に近い雰囲気の天の川を撮影することが出来るのです。

とはいえ、私は三浦半島在住ですが赤に近いオレンジの地域である葉山の立石でも肉眼で天の川の確認が出来ましたよ。

天の川の方角

見える方角ですが夏の天の川は南南東~南南西と覚えといてください。
もっと大まかに言えば太陽の沈む方角が西ならそこから約90度が南です。
なのでだいたい南の空を見上げるとモヤモヤとした帯状のものと密集している星が確認出来るかと思います。

見える条件は季節によっても異なりますが基本的には「月」の無い時間帯。
それはどう調べれば良いかというと「月の出 時刻」「月の入り 時刻」で検索すると様々なサイトがあるのでご自身の見やすいサイトを見つけてください。私はスマホアプリの「サン・サーベイヤー(Sun Surveyor)」を利用。AndroidでもiPhoneでもある共通のアプリのようです。

次に天の川が見つけられない場合は便利アプリとしてここで紹介するのは私も使用している「PhotoPills」「Star Walk2」。
どちらもAndroidでもiPhoneでもある共通のアプリのようです。
これらのアプリを使用することによって現在どんな姿で夜空にあるのかも分かります。当然未来のことも!

後もう一つ大事なのは「雲」が少ないとき。
日本では気候の関係から夜になると雲が出やすくなるようです。よって数日前から雲の予測をしておきたい。そこで私が推奨するアプリは「Windy」このアプリでは雲、風、雨の予測が可能で私は精度も良いと実感しています。

天の川が見れる時間帯

夏の天の川、年間の見える時間帯は以下の通り(三浦市を基準に新月のとき)
1月:不可能
2月:5時前後
3月:1時40分~4時30分頃
4月:23時40分~3時45分頃
5月:21時45分~3時頃
6月:20時40分~2時40分頃
7月:20時45分~2時45分頃
8月:20時20分~1時00分頃
9月:19時30分~23時00分頃
10月:18時45分~21時15分頃
11月:18時15分~19時00分頃
12月:不可能

2月には横たわる天の川が見え、夏には立ち、秋にはやや西寄りに傾いた天の川を見ることが可能です。

ここまで読んでいただければ初心の方でも天の川を撮影することが可能です。

でも、ちょっと待って!!

天の川を撮影するということは暗い夜道を歩かなければなりません。
そこで必要なものはLEDライトになります。
※白色の物はおススメしません(自分自身も眩しいから)
赤色ライト、もしくは電球色のLEDをおススメします。

天の川を撮影するにあたって撮影者は光を嫌います。
なので必要以上に照射しないことがマナーになります。

以前、城ヶ島で数名の団体が天の川の撮影を楽しまれていましたが、天の川ポートレートの撮影をしていたようで白色LEDライトを常時点灯させていて大変不愉快な思いをしました。

マナーを守り安全を確認したうえで天の川の撮影を楽しんでください!!
最高なひとときですよ!!!


ナノトラッカー2は一眼カメラでも当然ですが動作可能。積載量は雲台を含む2kgまで対応しています。星景写真で推奨できるレンズはコスパの良い20~24mmのf/1.8シリーズ。

星だけならマニュアルフォーカス専用のレンズでも良いかと思いますが、いずれは星景ポートレートも視野に入れている場合はAFも使えるレンズを推奨。私はZ20mm f/1.8、AF-S24mm f/1.8、AF-S 28mm f/1.8(現在売却済み)を使用しています。

星景写真には広角レンズのみ?
場合によっては35mmや50mmも面白いかもしれませんが「星景」というのは天体写真ではなく星と一緒に景色も撮るのがポイント。また、広角レンズの特徴として広い範囲でピントを合わせるのが得意です。星景写真は全体にピントが合うようにして撮影をします。よってカメラ機材はピントの合う範囲を無限遠にします。レンズのピントリングを目一杯回すと無限遠になります。パンフォーカスとなる為に手前にあるものとどれくらいの距離を保持すれば良いか?私も使用しているサイトをご紹介します、
パンフォーカス撮影の設定距離計算 (By キンタロウ) (kintarou.skr.jp)


ストロボを使用したライティングや星景ポートレートを実践で学びたい方必見。有料になりますがフォトレッスンとして受け付けます。但しNikonのカメラをご使用されている方限定です。

ですが私も教えたことがないので何とも言えませんがライティング技術をマスターするには2回/月(3時間/回)でも数か月程度掛るかもしれません。


またお仕事依頼も受付中
・星空の下でウエディングフォト
・星空の下で家族写真
・星空の下でプロフィール写真
雲の出現で撮影の実行に影響も生じる案件の為詳細な打ち合わせも必要です。まずは以下のサイトよりご連絡、お問合せお待ちしております。

出張撮影は*ふぉとつっつ* - 出張撮影致します*photo TSUTTSU* (jimdofree.com)


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