バタフライピーの青色素

バタフライピーの青色素の話題が出てますね。

バタフライピー(=チョウマメ)という花から取れる安定で鮮やかな青色素です。恵比須化学さんが抽出に成功しています。一般的な花に多く含まれるアントシアニン類は不安定で単離できてもすぐ退色するので色素として商業的に流通させることは困難です。

バタフライピーの青色素「テルナチンA1」もアントシアニンの一種なのですが、基礎骨格のデルフィニジンに糖類が結合した構造のため糖の立体障害によってアントシアニン骨格の水酸基が保護されており、水和などで変性しにくく安定なのです。(図2、T-A1)

https://www.urakamizaidan.or.jp/research/jisseki/1998/vol08urakamif-03terahara.pdf

この色素は生合成経路についてもかなり調べられていて、デルフィニジンに糖を結合させる酵素の構造や作用を、花き研が明らかにしています。(SPring-8!)。
いきなり出てきた色素ではなく、かなり調べ尽くされているもの。
https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/flower/056168.html

同機構は、近年、デルフィニジンを発現するカンパニュラの遺伝子と、そのデルフィニジンを有機酸修飾するチョウマメの遺伝子を組み込んだ、従来より鮮やかな「青い菊」を作出するなど、青色素の研究で先端を走っています。こちらの話題も要注目。

https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/076531.html

青色素はとても難しいですが面白い分野なのです。

バタフライピーは花の名前です。バタピーは関係ありません。バタピーについて知りたい人は、でん六さんにどうぞ。
http://www.denroku.co.jp

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