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持つ者と、持たざる者

むかし、むかし、イスラエルの地方に、ヨブ君という好青年がいた。

このヨブ君は、めちゃめちゃ素直で謙遜で、悪い事をせず、いい奴だった。

どれくらいいい奴かと言うと、もう最高にいい奴であった。

スタバに行ったら、皆に新作のフラペチーノとかを奢るくらい、いい奴であった。

そして、割と裕福でもあった。
 
7人と息子と3人の娘もいた。くそ大家族でもあった。
  
 
 
 
そこに、神と、悪魔がいた。

悪魔は、神に言った。

「どうせ、ヨブ君は裕福だからいい奴なんですよ。財産とか家族とかを奪ってみたら、きっと最強に悪い奴になりますよ。twitterとかでクソリプとか書きまくって、自殺して最悪の生涯を迎えます。どうせ人間なんてそんなもんです。」

神は言った「そうか。じゃあ、ヨブ君から全部を奪ってみるがいい。どうするか見てみよう。」
 
 
すると、即座に悪魔は、コロナウイルス的な壊滅的な災害や事件をヨブ君にもたらした。

ヨブ君の財産は一瞬で失われ、家族も、妻以外は死んだ。
   
 
そして、残ったものは何もなかった。
 
 
 
 
妻は言った。

「ヨブ君さ、もう人生最悪で地球爆発しろじゃない? もうtwitterでクソリプとか最後に書いて、私たち自殺しましょうよ。」

妻は、心中の覚悟を決めていた。
  
 
そのような状況下で、ヨブ君は言った。

「なあ、妻よ。僕らは裸で生まれたし、裸のままの、何も持たざる者だ。神は与えるし、時に奪う。今までの人生で幸せな事もあったから、災いも受け取ろうじゃないか。」
 
 
ヨブ君は、最悪の状況下でも、決して誰かを恨んだり、罵ったりしなかった。
 
 
神は、これをしっかりと見ていた。
 
  
 
 
 
 
それから、長い年月が経った。
  
ヨブ君は、長い嘆きの日々を終え、徐々に理性を取り戻していった。
  
 
神は、ヨブ君を見捨てなかった。
  
 
そして、ヨブ君に、再度7人の息子と3人の娘を与えた。
 
 
また、ヨブ君の財産も、2倍に増やしてあげた。
  
 
ヨブ君は、神のテストに合格したのだった。
 
 
ヨブ君の家族も、その子孫も、喜びながら暮らしていった。 
 
 
 
  
ヨブ君は年老いた後、自分の生涯を全うして死んだ。

最高に幸せな人生であった。


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