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【ネットはどんどん閉ざされた空間になる】

インターネットが出てきて、情報社会やグローバルが進んだねみたいなことはタコが耳になるくらい良く言うけども、どうも最近ネットと人とのあり方がかなり変わってきていると思っている。

そもそもインターネットは、本当にグローバルなモノなのだろうか?
自分は、ネットは実は初めからグローバルでもなんでもなく、グローバルの顔をしたローカルなものだったのではないかと思っている。

例えば、ダニエルが自分の恥ずかしい過去を綴った「ダニエルの卑しいブログ」みたいなwebページを開設したとする。

そのページは、作って公開すれば世界の20億弱あるwebページの中の1つとしてインデックスされる。
面白いことを書けば、アクセスが増えて検索で上位に上がるかもしれないが「布団がふっとんだ」みたいなつまらないことを書けば、誰も見ない。

ただ、それだけだ。
 
 
つまり言い換えると、ネットで何かを発信するということは、ただ世界中から検索、すなわちアクセスができるだけの話で、人が集まるかどうかという話とは全く別の話だ。

よくよく考えると当たり前なんだけど。
 
 
でも、これってリアルの空間と一緒だよね。と。
リアルの空間もこれと全く同じ構造をしているよね。と。
 
 
例えば、ダニエルが自分の恥ずかしい想い出を込めた料理を提供する「ダニエルの卑しいレストラン」という店を作ったとする。

美味しくてミシュランとかを取ったりしたら、世界中から人はやって来るし、まずければ全く人はこない。

ただ、それだけだ。

ネットでないとグローバルに繋がらないなんてことはなく、ネットもリアルも、魅力的なものには世界中からちゃんと人は集まるのだ。
  
  
だから、ネットという魔法みたいな幻想は一切なく、リアルもネットも同じ土俵に立っている。
 

にも関わらず、「ネットは世界中から人が集まるもの」みたいな変な幻想をまだ持っている人も多い。
  
 
そういう勘違いをするとどういうことが起きるかというと、例えばクラウドファンディングだ。
 
 
ネットがリアルと同じ構造をしているということを踏まえないでいると、クラウドファンィングなんかに登録すればいとも簡単にお金が手に入ると思ってしまう。

「自作の新しい詩集を製作したい!目標:15万円」みたいなものを登録しても、せいぜい集まるのは1万5000円とかが関の山だ。

そして、その支援の内訳をみると、(友達A 3,000円、友達B 2,000円 義理のある先輩10,000円 合計3人)みたいな話で、つまり完全に100%身内なのだ。

なぜなら、ネットもリアルと変わらず、リアルで信用や支援者が少ない人に、ネットではたくさん支援が集まるなんていうことはまず無い。

クラファンの世界でおそらく一番支援を集めているキンコン西野が「クラファンは金の成る木じゃねぇ」と言っていたけど、まさにその通りだ。

彼は、ネットでもリアルでも足をせっせと動かして、信用を集め、それを必要な時にお金に変えているだけだ。

ちなみにダニエルは、クラファンクラファン言われていた2年前くらいに、実は支援の実態はクローズド(閉ざされた関係)なモノから来てるんじゃないかということで実験的に始めた試みがある。

それは、リアルに来た人だけに支援してもらう「クローズドファンディングカフェ」だ。

このカフェはおかげ様で合計約20万円の支援を集めた。(営利目的ではないので利益分は全てお客様に還元した)

◎クローズドファンディングカフェ【天使のキャラメルラテ】
https://www.facebook.com/225318974550019/posts/293445451070704/

話をネットに戻すと、ネット全盛のここ20年くらい、個人も企業も世界に「Hello World」なんて言ってみたりしながら、せっせと発信を進めていたんだけど、どうも最近流れが変わっている。
 
 
それは、「優れたコンテンツを配信する人たちは、自分のネットの世界を限定的に囲い始めた」ということだ。
 
 
どういうことだろうか。

例えば、オンラインサロンや、Noteの月額購読コンテンツなどはいい例だと思う。

リアルとネットは同じ土俵ではあるけども、ネットの方がかなりラフだ。
だから、道端にガムを捨てるような感覚で、批判やクソリプなどのノイズがネット上では溢れすぎている現状だ。

そして、ネットでは完成形のプロダクトの発表の場というよりも、皆で作る参加方の方がウケがいい。

なので、そういうノイズを防ぐためにも、また自分が参加している感のニーズを醸成するためにも、オンラインサロンや有料会員だけのネット空間が最近非常に増えてきた。


わざわざお金を払って、ゴミのようなコメントを書きに来る人はいないし、時代はどんどん個人発信や副業といったトレンドにもあるからだ。

リアルで例えると、大衆に向けてワイワイガヤガヤのチェーン店的な趣向から、信用の高いお客さんだけを集めた会員制バーを開くみたいな変遷だと思っている。
 

そして、この閉ざされたネット空間の中では何が語られるかと言うと、それは「極めてパーソナルな情報」だ。

自分の恥ずかしい過去だったり、人に引かれそうなことだったり、リアルな経験だったり、ぶっちゃけ話だったり、誰にも打ち明けていない告白だったり、その人だけの専門的な話だったり、そういった類のものだ。

それらの内容を皆鍵をかけて語るようになり始めている。

そして、今後はむしろこの閉ざされたネット空間を中心にして、コンテンツが産まれ、ビジネスが産まれていくんではないかと思う。


つまり、もう大企業の広告的な商品やコンテンツはあまり見向きもされなくなりつつあり、極めてパーソナルで個人的な趣向を伴ったモノに対して人々が集まるようになる。

分かりやすく言うと「ハーバード医学博士が絶賛した快眠ミドリムシジュース」みたいな広告ではなく「お寝坊の私が朝にミドリムシジュースを飲むようになったら息が臭くなったけど寝起きが良くなった話」みたいな鍵のかかったブログから人々はどんどん商品を買うようになるんではないだろうか。
 

そして、この「閉ざされたネット空間」そして、その中で語られる「極めてパーソナルな発信」という傾向は、今後もっともっと広がっていくと思うのだ。

気づき始めている人は、とりあえず「ネットはグローバルだよね」みたいに広がって溢れすぎたこの情報の風呂敷を、丁寧に今畳み直しているイメージだよね。
 
 
 
 
ということで長くなりましたが、まとめると、もしダニエルが会員制バー的な試みを始めたら、ぜひ面白がってやって来てくださいね、という緩やかな伏線でした。


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