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10万円の重み

例えば10万円というお金。

その価値は、その人の見方によって恐ろしいほど変わる。

先日、それを痛感する出来事があった。
 
 
弊社の新規サービスの宣伝のために、あるメルマガに申し込んだ時のこと。

そのメルマガは、1本配信するために10万円かかった。

 
10万円。
 
 
これは、大企業にとっては誤差レベルの金額かもしれない。

しかし、スタートしたて、かつ出資元が100%自分の会社にとって、広告などの経費はある意味自分のお財布から出す感覚に近い。

なので、10万円は決して小さな金額ではない。

まだまだヒヨッコのベンチャーにとって、その金額でもコケたらめちゃめちゃ痛いのだ。
  
 
そんな事情もあり、そのメルマガは必ず結果を出したかった。

なので、事前にセールスライティングの本を3冊ほどみっちり勉強し、そのメルマガを書き上げた。

「よし、これならかなりの反応があるだろう」

そう確信して、原稿を入稿した。
 
 
 
 
 
しかし、配信されたメルマガの結果に唖然とする。
 
 
閲覧数8人。
 
 
 
そのメルマガのコンテンツ云々の前に、メルマガへの流入がほんの数人しかいなかったのである。
 
 
その時の憤りと言ったら、半端なかった。
 
 
「おい、担当者テメーこの200倍くらいの数字言っとらんかったかコラぁ!」

と内心思った。
 
 
 
ただ、同時にこんなことも思った。
  
 
 
 
 
「あれ、この状況どこかで見たことあるぞ」

と。

  
 
   
 

前職は、某ネット通販大手でWebプロデューサーをしていた。
 
 
大型の企画を回すとなれば、1週間で数億円、数千店舗が参加する広告企画を設計することになる。
  
 
その規模になってくると、担当プロデューサーにとってお金に対する感覚はかなり鈍ってくる。

10万円はおろか、100万円ですらある意味エクセル上の誤差だ。
 

また、大型の店舗や企業となれば、月に数千万円規模で広告費を投入してくる。
 
 
それに慣れきっていたので、たまに「うちは広告費の予算が月30万円なんです」なんていう企業がいたら「いや少な過ぎでしょそれ!やる気あんのかよ!」と思っていた。
  
 
そして、そういう企業が10万円レベルの広告で売上が上がらなかった時。

クレームを上げることがあった。
 
 
でも、正直その意味が分からなかった。
 
 
「いや、たったの10万でしょ。」

「その予算で何を言ってんの」
 
 
単純にそう思っていたからだ。
  
なんて生意気だったんだろう。
 
 
 
 
しかし、今回は違う。
 
まさに、自分が当事者だ。

ある意味自分で自腹を切ってるいる。

あの時の10万円に命賭けてたお店と、同じ状況じゃないか。

もしかしたらあの店も、その1本に死ぬ気の魂を込めていたかもしれない。
 

あんなにナメていた10万円の広告が、くそ重い。
  
今になってその重みが、ドンとのしかかってきた。
   
 
 
 
そんな事を思い出しながらも、結局流入の無かった10万円のメルマガは「お金の重さを知れた勉強代」として割り切ることにしたのだった。
 
 
  
  
さて、この10万円の広告みたいな出来事が、会社を立ち上げてから日々起こっている。

お金の重み。
 

サバイバル。

まさに、真剣勝負。

  
 
だから、自分がお金を払う時も超真剣になるし、逆に頂く時も同じだ。
   
そして、真剣になるからこそ、しっかりとした金額を頂くし、こちらも払う。

 
基本的に細やかさに欠ける性格なんだけども、ダニエルを信頼し仕事を任せてくれるみなさんに、しっかりと応えていきたいなぁ。

そんなことを考えながら、今仕事をしています。

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