炎上の正体と処刑場
【炎上の正体と処刑場】
つい最近「モテる男は女の子を誘う前に複数お店を予約しておく」的な内容が書かれた美容ライターのツイートが炎上していた。
要するに、複数予約をしているということは本命以外はキャンセルをしなければならず「飲食店へのドタキャンはけしからん」とネットで火がついた感じだ。
その投稿主のタイムラインに書かれている炎上コメントを一つ一つ見てみると、飲食店関係者と名乗る人たちも多かった。
「もう二度と口開くな」
「最低な女」
「私たちの気持ちを考えなさいクソ」
みたいなリプが多かったんだけど、一つ重要なことに気づいた。
それは、少なくとも「有名店」と思われる飲食関係者からのツイートはほぼ無かったということだ。
蓋を開けると、あまりお店に人が来なかったり、いまの職場環境やお客に不満を持っている飲食関係者からの過激なコメントや、ただ便乗して人を叩きたいネット民からのコメントでほぼ構成されていた。
つまり、その元のツイート内容の善し悪しは置いておいて、そこに過剰に反応してしまうということは「自分が今満たされていないこと」の自己申告になる。
だって、キャンセルがほぼない有名店がわざわざムキになる必要はないよね。
そもそも考えてみると、ドタキャンされるのは飲食店だけなのだろうか?
宿泊施設、美容師、保険の営業マン、セミナー講師、、いや、全ての職種にドタキャンはつきものだ。
ダニエルも事業を始めたばかりの頃、数十万のコストをかけて準備した案件がドタキャンになったことがある。
少ない資金でスタートした駆け出し時期にとって、それはそれは大きな痛手だった。
もっと大きな会社の事業規模ともなれば、仕事がキャンセルになり会社が傾きそうなんてこともよく聞く話だ。
つまりどのビジネスにおいても、皆ドタキャンで損失は出ているということだ。
でも、その時考えなければいけないのは「ドタキャン死ね」なんてツイートすることでも仲間に生産性の無い愚痴を吐くことでもなく、
「本当にキャンセルしたくない素晴らしい内容を作れていたか」
「キャンセルしにくい仕組みを作っていたか」
「キャンセルされても大丈夫なリスクヘッジをしていたか」
ということを真剣に考えることなんだと思う。
だって、浜崎あゆみの熱狂的なファンは絶対に彼女のコンサートをドタキャンなんてしないよね。
飲食経営者の知り合いは多いのでその気持ちや損失も良くわかるし、ドタキャンを援護するつもりもないんだけども、そのお店が「浜崎あゆみ並みの期待感を作れていたか」ということが一つ問われてるんだと思う。
やばい、、例えに登場する人物がすでに古い。
その自分の惰性を棚に上げて、自分だけがドタキャンの被害者顔をして、匿名アカウントのツイッターに過激な言葉で書き込む。
それは、うまく行ってない現状とそれを改善する努力をするつもりのない自分を卑劣な言葉と一緒に全世界に向けてアピールする行為だ。
「おーい世界中のみんな!俺はうまく行ってなくてだけど頑張りたくもなくてこうやって人をネットの陰でネチネチ叩いて自分を慰めてる卑怯者です!」
と。
炎上というのは、投稿主よりも、その火元に集まる人たちの満たされない現状をリアルに炙りだす処刑場なのかもしれない。
あなたは今、何に対してムキに怒っていますか?
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