見出し画像

16-04-2020 Thu

コロナのため、お籠り生活が続いています。我が家は夫が在宅ワーク、娘は二年保育で今年から幼稚園だったけど、休園。私も育児でお仕事復帰できず、そんなこんなで、おうちにいるわけです。(相変わらず世界一可愛い黒猫のゆえと、私の父もいます。)

お昼を食べて少ししたら、娘のスーが突然我が家の短く狭い廊下でクラウチングスタートを切って、走り出す。これはまずい。コロナウィルスであまり病院等にお世話になりたくない今日この頃、怪我でもされて救急だなんて。どっかでうんと走らせてあげなきゃいけない!そんな責任感から、夫に仕事をきりの良いところで切り上げてもらい、家族で海岸の方まで歩き(スーは走り)に行きました。

天気は良くても15時過ぎの海風は冷たくて、厚手のストールを出発前に戻って取りに行ってよかったなと思いながら、車の後ろを開けて座り込み、みんなでおやつを食べました。のりしお味のこんにゃくチップとメープルシロップでキャラメリゼしてあるナッツ類。スーさんは、2月に買ってもらった、スタバのさくらのサーモスで嬉しそうにアイスティーを飲んでいました。こうゆうの久々だね。やっぱり家でのピクニックもどきとは違うね。そんなことを話しながら、ぼーっと海を眺めていました。いやいや、今日の目的はこのまったりじゃない!思い切り君を走らせるんだったと急いでおやつをかきこみ、歩きやすく舗装された海岸沿いの歩道を行きました。

画像1

スーはすっかり気に入った私のおさがりのベレー帽をかぶって、とぼとぼと歩く。走らないの?久々の外出に少し戸惑っているのかなと思った矢先に思い切り走り出して、「カカーーーきょうそうだよー!」と笑顔で叫んでいました。色んな懸念はあるけれど、今日はこうして過ごせてよかったと私も笑顔になってくる。いつも笑顔にしてくれるのはスーだね。カカは笑顔にできてるのかな?
少しかけあしで追いかけるけれど、それでも彼女よりゆっくりのペースで夫と歩いていく。そもそも横に並んでゆったり歩くのは何ヶ月ぶりだろう?ちょっとうでくんだりしてみようかなんて言ってやってみれば、「ダメー」とスー。トトがだいすきです。

スーさん、おしりを揺らしてぷりぷり一生懸命走る後ろ姿はとてもかわいくてお世辞にも速そうには見えないのに、みるみる小さくなっていく。あーそんなに急がないで、危ないよ、転んじゃう。そんなことを思う私の気持ちを知らずに娘は止まらず、本当に小さくなっちゃう。
「戻っておいで!」なんだかこわくなって、あわてて声をあげると、また一生懸命もどってきたスーにホッとして手をつないだ。でもすぐまた。

この数週間、世界中が一変してしまった。と思う。生きている間にこんなことがあるとは思ってもみなかった。これはどこの話だろう?誰の物語なんだと考えても、すっかり現実になってしまったコロナ、感染、自粛、手洗い/うがい、クラスター、ソーシャルディスタンス、そして、死。 
私はとても怖い。娘と再会するのが灰になってからだなんて。そうゆうことを延々と考えては、考え続けていられず、また戻ってきてはどうにかこうにか。そんな日々です。戻っておいでの私の声に、娘が戻ってきてくれなくなる日が来るかもしれない現実。どうしたらいいの?ねえ、どう思いますか?誰もわからないんだもん、今。

画像2

防波堤の向こう側をどうにか見ようと、直立ぴょんぴょんしているスーに夫婦でお腹がよじれる程笑う。どんな時でも、彼女の魔法はすごい。スーには「カカは魔法使いなんだよ」と言っているけれど、よっぽど彼女の魔法のほうが強力だと思うのです。
夫に抱き上げられて、防波堤に乗って海を眺めている、「いい天気ねぇ」なんておばさんくさい彼女の話し方に安心する。おそるおそる、防波堤の上を歩きながら、笑う。怖いけど笑っちゃうみたいだった。
よくよく見ると、夫とスーはおそろいというよりコピーしたみたいな姿でした。カーキの上着に、デニムのパンツ、バンズのスニーカー。カカはどれも持ってないから羨ましい限りでございます。

そろそろ本格的に寒くなってきたと思って、ストールをぐるりと私が巻いていたら、「トト、持っててー」と上着を脱ぐスー。がーっと走って戻ってきて、「カカ、持っててー」と帽子も手渡す。暑くなっちゃったのね。いいねいいね、頼もしいね。でも今日は油断して風邪引いたらまいっちゃうから今度はもう少し早く来ようねと車に戻る。次はお弁当持って来る、シャボン玉やろう、白い石を拾ってもいいか?そうゆう未来の約束をスーと結んで、この日の任務は完了です。

サイトのブログもお休みしたまま、育児で手一杯でしたが、こんな時だからこそと、毎日のこと、思ってることを書いて行こうと思っています。それはちょっとした願掛けでもあります。
数年ぶりのブログ、どうぞよろしくお願いします。

PHOTOHOLiC* Rui



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?