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たった1人の理解者

かつての高校はモンスター学校で、クラスの人数が多すぎて卒業式に初めましてな人もいた。

上辺だけの関係な“友達”ごっこ感があって、違和感があったのを覚えている。

そんな中、担任の先生が僕を呼び出した。

僕はその頃、野球部に属していて大会に向けて意気込んでいる頃だったが

その先生は野球の顧問。

どうしてみんなと仲良くやれないのか。お前が仲を繋がないでどうする。できるはずだ。俺は信じている。

当初からこのクラスは情報専門系のクラスだったので、体育会系との隔離はすでにあった。

クラスどころか、学校全体に。

おそらくどこの学校にもあったと思う。

いわゆる文科系と体育会系のヒエラルキー。

オタクの子達の地位や権利が担保されない時代感の中、僕は揺れ動いていた。

仲良くしていると思い込んでいた。でもたしかにみえない壁があって。。。

どっちにも極端に傾倒しない立場の僕は、みえない空気と戦っていた。

それから対話を続け、卒業する頃には本気でぶつかり合える仲間ができた。

ある1人が学校を辞めるかもしれないと連絡してきた時には

親に頭下げて、早朝に友人宅へ出向いて説得したのを覚えている。

嫌だった。誰1人として欠けるのが。

おせっかいかもしれない。

でもそんな事どうでもよかった。

夢中だった。だって仲間だから。

そして今、中学生と会話していると

不登校になった友達と、時間が経った事もあるが声を掛けられない という現状を耳にする。

気まずくないっすか?今は。そのうち出てくるっしょ。先生もそう思いません?

たった1人でいい。理解してくれる誰かがいれば。

僕なら呼びにいくかなぁ。仲間だから。ドア叩きに行くかも。

と答えた。

するとそのうちの1人が

そんな友達欲しいなぁ。

と呟いたのを、僕は聞き逃さなかった。

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