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本棚に眠る過去と思い出

昨日から今日にかけて、家の本棚を整理した。何回か整理はしていたけれど、気づくといつも入りきらなくなる。本が棚にきちんと整頓出来なくなって、横にして差し込むようになったら満杯のサイン。

以前は学生時代の頃の参考書が中心だったけれど、今回は学術書や専門書を中心に処分することにした。専門は社会学だったから、そういった本が多い。


とある本の中身をパラパラと見ると、マーカーで線が引かれ、書き込みがたくさんしてある本があった。そういえば、と思う。確か大学の時に一瞬入っていた学生団体で、勉強会とやらに参加することになって一生懸命勉強したんだっけ。勉強会の前に講師の本を買って予習し、先に内容をパワポで作成する、というものだった。本を読み込んで、言われた通りにパワポも作成したけれど、結局その勉強会はなぜだか無くなってその投資した時間は意味をなさなかった。
本を見返しても、今では全く内容を覚えていないけれど、意味がなくなったと知った時の悔しさは今でも覚えている。本も買ったのに。よく分からない顛末だった。


その本は一度戻し、違う本を手に取る。ああ、これは卒論で使った本だ。この内容はさっきとは違ってはっきりと覚えている。私が人生の中で最も頑張ってまとめたレポートで、一番輝いていた本だ。当時、図書館で借りることも考えたけれど、卒論の柱となる本だったから自分で購入したんだった。終わってから一切手に取っていなかったけれど、何度も向き合ったあの当時のことがふっと蘇った。


本1冊1冊にも、色んな思い出がある。苦い思い出、ともに苦労した思い出、支えてくれた思い出。電子書籍で読書をする人も増えているが、やっぱり私は重みをリアルに感じる書籍、本が好きだと思う。こうやって思い返して過去に触れることは、紙に伝わる温度感や時間だからこそ成せることだと思うから。

整理したら結構すっきりした。詰まりすぎて動かなくなっていた可動式の棚がスムーズに動く。棚を整理したら、全く読んでいない単行本を何冊か見つけたので、楽しい時間をまた過ごせそうだと思った。

いつもたくさんありがとうございますっ!