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色水が魅せる、一瞬の光を手に入れたいの

水彩画を始めた。といっても、まだ塗り絵レベルだけれど。

これまでデッサンは何年かやっていた。鉛筆で描く光と影も好きなのだが、色々な作家さんの絵を見て、自分も色と色の重なり合いに触れてみたくなった。
何年か前に、好きな作家さんと画材屋さんがコラボしたワークショップに行ったことがあった。その際に、初心者向けの水彩絵の具と水筆、ポストカードなどを一緒に購入していたので、それを引っ張り出して挑戦してみた。


水彩画というと、子どもの頃に図工の授業で描いたきりになる。あの時は、筆に絵の具をたっぷりつけて紙に滑らせていたっけ。水は筆を洗うもの。最初は綺麗な色なのに、段々とどす黒い色になって、また汚い色になっちゃったと、流し捨てていたような気がする。
でも、本当は全然違ったんだと作家さんの水彩画を見て思う。絵の具の色をただ塗りつけるのではなく、色水で描くからこそ水彩画なんだな、と。

と、物知り顔で今書いているけれど、いざ自分でやってみると全然思うようにいかなくて絶賛悪戦苦闘中だ。完全に独学で、動画などを見て恐る恐るやっている状態なので当然ではあるのだが、とにかく水の加減が難しい。ちょっと水が多いと、紙に水滴が落ちたような感じになってしまうし、色も全くつかない。かといって今度は水が少なすぎると、絵の具の色の主張が激しくてバランスが取れない。

でもやっぱり、色を作る過程は楽しい。色々な絵の具と水を混ぜ合わせて、自分が欲しい色水を生み出していく。それを筆にとって紙に滑らせ、少し色合いを変えた色水をまた同じところに重ねてグラデーションを作っていく。混ぜてみないとどんな色になるかは分からない、この実験のような瞬間は堪らないし、1番色のいい状態を見極めて切り取る作業は楽しい。乾いたときに、綺麗に色が混ざり合っているのを見ると、思わずニンマリしてしまう。


鉛筆一本で浮かび上がらせるデッサンとは違い、一瞬の色と光を切り取る水彩画。この作り上げていく感覚は堪らない。クセになりそうだ。



いつもたくさんありがとうございますっ!