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あの隠れ家で本当の自分を取り戻してた

まだ会社の周りのお店を把握できていない。
今日はどうしようか、とお店を探そうとするけれど、そんなに悠長にもしていられない。そう考えると、やっぱり見知ったところに足が向いてしまう。
結局、通勤の時に見かけたドトールへ。店に入ると、1人席は結構空いていた。席を取ってレジに並ぶ。前に並んでいた人は、ミラノサンドを頼んでいた。確かにアボカドのミラノサンドは美味しそうだったけれど、結局私はミックスサンドとカフェオレを頼んだ。


これまで勤めてきた会社では、お気に入りのお店が必ず1店舗はあった。私が見つけ出したわけではなくて、同僚の子から教えてもらったところ。
前の会社では、週に2回はあるお店に行っていた。私の苦手な先輩たちは知らないお店だったから、ばったり遭遇することもない。だから「隠れ家」と呼んでいた。
少し裏の方にあるお店だけれど、食券形式で提供されるのが早い。会社から少し離れているのが難点ではあったけれど、美味しいし飲み物もつく。個室になって、あんまり声も響かない。1人でくることもあったし、教えてくれた同僚の子と今後の身の振り方を話し合っていた。心が荒んでいたあの頃、あの隠れ家での1時間は本当に癒しだった。


お昼の1時間は、1日の最も楽しみな時間の1つでもある。会社勤めはみんな当たり前のようにやっているけれど、よくよく考えてみれば1日に何時間も赤の他人と一緒にいるのって結構すごいことだ。そんなある意味で濃密な時間から、ちょっとだけ解放される。
今は前みたいにそんな心を荒ませるような原因は無い。それでもやっぱりそういう心を落ち着けられる店はあるといいなと思う。今日は見知ったドトールだったけれど、自分を取り戻すための場所をまた新たなこの街で探したいと思っている。






いつもたくさんありがとうございますっ!