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憧れのコンチェルト♪

今、私はモーツァルトのピアノコンチェルトに取り組んでいます。5月に芦屋でサロンコンサートを開きましたが、そこのオーナーの方が設立されたThe Music Center Japanが今年設立35周年で、その記念にプロのオーケストラを結成し、ソリスト4名(ピアノ2名、ヴァイオリン2名)による協奏曲のコンサートを企画されており、たまたまソリストを探していらっしゃるタイミングでお声をかけていただきました。その本番(11/3)が、私の王子ホールのリサイタルの4日後ということで少し迷いましたが、コンチェルトを弾けるチャンスはなかなかないので、弾かせていただくことにしました。

オーケストラが小編成のため、モーツァルトかベートーヴェンの2番までで好きな曲を、とのお話で、それなら憧れの「モーツァルトのピアノ協奏曲第20番KV466を!」と希望しました。2楽章が、あの有名なモーツァルトの映画「アマデウス」のエンドロールに流れる曲です。モーツァルトのコンチェルトは今まで何曲か勉強しましたが、せっかく弾けるのなら、今まで弾いたことはないけれど是非この曲を弾きたい!と思いました。

早速家の中で楽譜を探してみたところ、ありました!すっかり忘れていましたが、中を見ると最後まで指使いの書き込みがあって、学生時代にレッスンを受けることはなかったけれど、憧れて自分で弾いてみていたのですね。このベーレンライター版には指使いが一切書かれておらず、まずは、指使いを決めるところからスタートです。

指使いというのは、それぞれの音符をどの指で弾くかということですが、これによって、音楽的な表情がずいぶん違ってくるので、結構重要です。大抵の楽譜には、予め誰かが決めた指使いが書かれており、それがあると、違和感がある所以外は従ってしまうのですが、今回のように何も書かれていない楽譜では、全て自分で考える必要があります。手は一人一人違いますし、音楽的な解釈も関わってきますから、指使いの書かれていない楽譜は結構好きです。ドビュッシーなどのデュラン版もそうですね。

面白いのは、私が学生時代に書き込んだ指使いが未熟に感じるところがあって、例えば、親指は強い指なので、強い音以外は避けるというルールに縛られていたりします。でも、親指っていろいろな表情が出せるし、音をクリアーに響かせることも出来るので、今では美しいメロディーの最初に持ってくるのも全然アリだと思っています。こんなところに自分の成長を感じたりして、ちょっと満足♪(まあ長く弾いてきたわけですから、当たり前の話ですが 笑)

指使いを考えていると、結構迷うところがあって、そういう時は最近買ったペータース版を参考にしたり、今ではYouTubeで名演奏家の動画が気軽に見られますので、それを参考にしたりします。よく見ていると、その人の音楽に対する考え方が分かったりして、面白い。非常にマニアックですが、こういうのも楽しい瞬間です。

憧れのコンチェルトのことを書こうとしたら、指使いの話でこんなに長くなってしまいました。まだまだ書きたいことはあったのに・・・!それはまた別の機会に書くことにします♪

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