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メヌエットとは?

17世紀のフランス発祥の宮廷舞踊

メヌエットはルイ14世時代(17世紀)のフランスで生まれた、三拍子の宮廷舞踊です。つまり、当時の王室の舞踏会で(だけではなく日常的にも)踊られていたわけです。そしてフランス革命直前、つまりフランスの王政が崩れ落ちるまで優勢な位置を占めていました。
当時の舞踏会ではたくさんの人が同時に踊るのではなく、一組、せいぜい二組の男女が踊るものでした。王様の面前で踊るわけですから、王様に見せるために踊るという性質を持っていました。また、踊るステップだけではなく踊るときの移動の仕方にも決まりがあり、さまざまな振り付けが記録として残されています。
フランス革命後は王室の舞踏会がなくなったこともあり廃れていきましたが、いくばくかの作曲家を惹きつける魅力はその後も続きました。
19世紀のフランスの作曲家でメヌエットを作曲している人は数人います。

同じ三拍子でも

メヌエットはワルツとは全く異種の踊りです。流行っていた時代が異なる、踊られていた場面や踊られ方が異なるのもありますが、それだけではありません。
決定的な違いは拍感にあり、ワルツのようなリズム感で踊ることはできません。ということは、ワルツのような感覚でメヌエットを演奏するとおかしな雰囲気になってしまいます。
一般的にワルツは速めの三拍子、メヌエットはゆっくりめの三拍子と言えなくはありませんが、ワルツにはスローワルツというものがあり、メヌエットでも少し速めのものもあるため、演奏時の速度だけで完全に区別することはできません。
大雑把にいうと拍の重さの置き方が違うので、拍に意識をすると2つの楽曲をそれぞれの特徴を生かした演奏ができます。

なぜ、違いを学ぶ必要があるのか?

音楽は文化です。文化はいきなりひょいと出てきたものではなく、現れるにはある一定の背景というものがあります。
自分自身の音楽を演奏するためには、ただ自分の思ったことを音にするだけでは不十分です。作曲家が書いた作品を演奏している以上は、その作品がおかれた状況を知ることで自分自身の解釈が生まれます。
音楽を教えている先生は、音楽文化のプロフェッショナルです。我々には音楽文化を生徒たちに伝える責任があります。メヌエットをワルツと同じように弾かせることは、その責任を十分に果たしていないことになります。

そのメヌエットに注目した講座

11月にワルツの講義を行った「三拍子と仲良くなろう」講座ですが、12月はメヌエットで講義をします。
11月のアーカイブと12月のメヌエット、1月のマズルカをセットの受講もできますし、12月のメヌエット単発での受講もできます。

お申し込みはこちらのリンク、あるいは下のボタンより。

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