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高音質なチェレスタのプラグイン おすすめ4選

チェレスタは1886年のパリでピアノ、オルガンの開発者であったVictor Mustel(ヴィクトル・ミュステル)によって考案されました。1892年に初演されたチャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」の中の「金平糖の精の踊り」でチェレスタのソロが演奏されて以来、その美しい音色は広く世界に知られるようになりました。今回はそんなチェレスタのプラグインを「音質にこだわって」おすすめしていきたいと思います。

Sonokinetic - Celesta

↓より詳細なデモが聴きたい方はSoundCloudの音源をどうぞ

オランダのプラグインメーカー。5.5オクターブのチェレスタを収録。44.1kHZ/24bitの3GBで録音されており、音色の特徴は丸みがありとても柔らかい音がします。マイクポジションは3つから選択可能です。打鍵音が丁寧に録音されているため非常に距離感が近い音から広がりのある音まで作り込めます。ベロシティレイヤー毎に最大15のラウンドロビン搭載。録音自体はとても丁寧ですが欠点を挙げるとすれば、やはり解像度が44.1kHZ/24bitである事ですね。48kHzに対応していないのは少し古さを感じさせます。

Skybox Audio - Hammers + Waves Chime

2021年創業のアメリカのプラグインメーカー。1950年製造の卓上チェレスタ、ダルシトーン、トイピアノの3種類を収録した音源です。48kHz/24bitの8.36GB(3種類合わせての容量)で録音されており、ロボットの指を使用して演奏されているので正確な16段階のベロシティを実現しています。音色の特徴はクリアで明るくキラキラとした音です。Native Instrumentsでも販売されていますが新しいメーカーの為か殆ど知られていません。元となったチェレスタの鍵盤数は記載されていませんが実際の音源を弾くと88鍵盤を超えて10オクターブまで鳴らせます。相当、加工して拡張していますね笑

Soniccouture - Celeste

イギリスのプラグインメーカー。Schiedmayer(シードマイヤー)という会社の5.5オクターブモデルのチェレスタを収録しています。48kHz/24bitの12GB(圧縮時6G)で録音されており、音色の特徴としては音の距離感が近くまろやかで澄んだ美しい音が出ます。マイクポジションは2つ。チューニングも選択可能でチェレスタ本来の442kHzと440kHzから選べます。32ベロシティレイヤー。耳に刺さらない優しい音でチェレスタ音源の中ではトップクラスのリアリティだと感じます。

Fracture Sounds - Moonlight Celeste

イギリスのプラグインメーカー。YAMAHAのチェレスタを収録。容量は2.6GB。音色の特徴としてはクリアで透明感のある音が鳴ります。マイクポジションは3つから選択可能なので近い音から遠い音まで鳴らせます。また離鍵音の収録が丁寧で鍵盤から指を離すと「カタッ」という音が聞こえます。音の明るさを調整可能で自分好みの音色を作り込めます。またオルゴールの音をレイヤー可能で、独自のリバーブも搭載されているので音作りの幅が広いです。発売されたばかりで2024年4/25までイントロセール中です。

おすすめは以上になります。チェレスタが使われた曲といえばチャイコフスキーのくるみ割り人形やハリーポッターのテーマ曲などですが、過去の楽器にするにはあまりに美しい楽器だと思います。あなたもチェレスタ音源を使って新たなチェレスタの名曲を作ってみませんか?

ここからは余談になります。今回のnoteで紹介したSoniccoutureのCelesteに収録されたチェレスタの製造会社に興味を持って歴史を調べたのですが、とても面白かったので最後にメモしておきます。

収録されたチェレスタのSchiedmayer社は1890年から現在までチェレスタを販売しているドイツの楽器製造メーカー。チェレスタが考案され第一号が一般に公開されたのは1889年のパリ万国博覧会なので、その翌年である最初期から製造を行っています。チェレスタの製造は様々な会社が行っていましたが、数十年前にSchiedmayer社を除く多くの会社が終了してしまった為、現在でオリジナルの構造に忠実に製造している唯一の会社です。シンセサイザーの登場以降、あらゆる鍵盤楽器が淘汰されましたがチェレスタの製造会社は未だに残っていると知って感動しました。

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