逆噴射小説大賞2022振り返り
RRR見ました?めっちゃ面白かったっすね……ちょっと近日二回目行ってくる予定です。訳あって色々忙しいんですがこればっかりはね。
さてさて忙しいとは言っても逆噴射小説大賞にだけは参加しましたよ。1年間ネタ探しとかプロット、一部は全文書いてたりもしたんで土壇場で慌ててやるようなことは無い……ハズだったんですが。
寄生虫根絶プロジェクト(対象外)
開催告知で今年は2作品までだと聞いて先行して公開した作品。ヤードラント博士の独白だけで進み、800字内で人が死んだり爆発したりしないので大賞は取るのは難しいと判断。出場回避になった作品です。モノは面白いと思います。
該当記事内のあとがきに補足して幾つか。
日本住血吸虫の記事を読んだことある人はその読者を引き込む力に慄いたことでしょう。こんな小説書いてみようかな~、と思ったのが発想の原点。大学で聞いた寄生という形質の話が面白かったので寄生虫駆除モノをやろうってとこはスルっと決まり、死神退治ってタイトルを思いついた時点でバチっと形になりました。
夜布団の中で書き出しの文章まで思いついたんですが、思ったより面白そうなので起きてスマホを起動、そのまま現行のとほぼ同じものを書き上げました。文字数数えたらほぼ自然に800字になってたので無理矢理圧縮もしてないし、賞に出した他の2作より読みやすいし出来は良いんじゃないかと思います。5月くらいには完成してたかな。
あと舞台をフランスのリヨンにしたのは僕が住んでいたことがあるからです。体感で舞台の雰囲気掴み易いし、資料集めも楽なので。元々は寄生者第1号の発見はアフリカにしようと思ってたんですけど、それだと人種差別パートも書くことになるだろうししんどいなと。フランスの白人男性だったらまぁ……実際にこういうことが起きたらあらゆる論理で外の人が持ってきた病気だとする人は出るだろうけど……書く必要は出て来ないかなという算段もありました。しかしフランス国内で発生って、こいつは一体どこから来た寄生虫なんですかね。それが決まってないからまぁ続きはないかな……
YAサイバーパンク
めっちゃおもろいやつ。自信作。「かおやく」って言葉、面白い響きだな……ってところから出発してて、後は物語のサスペンス要素として何があったら怖いかなぁ……と考えた時に「親が親じゃないものと入れ替わってる」「親が急に消えるあたり」が良いなということで仕上がりました。
この辺りは前年の作品「屍人と長虫」も同じで「ある朝起きたら親父がじゃない」って要素があったんですが「あの要素も入れたい!これも!こんなのも!」ってやってる内に全然目立たなくなりましたね。これは明確に失敗してると思う。
そういう反省もあって今回はあんまり要素は詰め込まないようにしたんですが……それでもまぁ~圧縮が大変だった。圧縮前のデータがあったのでペタリ。
長いっすね。1107文字なんですけど元々は1500字くらいあったはず。泣く泣くカットしたのは正木教授の外見描写。ドグラ・マグラの若林教授の登場シーン(正木教授ではなく)がバチクソかっこよかったから今作でも教授はこれぐらいの雰囲気を出したかった。
これで600字くらいあるんですけど、この大会でこの部分だけ出されても優勝しかねないっすね。凄いや。という訳でもう一人の登場人物の夢野くんの名前は夢野久作からです。
桂木杏奈は「魔人探偵脳噛ネウロ」の桂木弥子と「僕の心のヤバイやつ」の山田杏奈から。「平凡だけどありふれてなさそうな名字」ってのがヤコの苗字の由来らしいんですが、今回一応主人公は探偵なのもあって名前を貰いました。杏奈の方は程よく現代的な名前だなと参考にさせてもらいました。現代の女の子主人公にしてるのに名前から昭和の香り漂っててもしょうがないし特徴的過ぎてもヤダし。
タイトルは好きな小説から。滅茶苦茶面白いので読んでね。つーかもうこの作品で何で杏奈が迷子になったかと言うと、この小説的なことが起きたからなんですけども。
舞台の土地、東宮は僕が実際に住む西宮から。字数圧縮する前は「京都・大阪・神戸の京阪神どこからも近いベッドタウン」という一文があった。俺は地元の話じゃないと日常生活のディティールでズレがでちゃうので舞台地元にしがち。
しかしまぁ小説の内容より何よりAIですよ。今回のヘッダーみてくださいよ。AIが3秒で書いてくれましたよ。例年ヘッダーには滅茶苦茶悩んでフリー素材サイトめぐったり、noteのヘッダー素材で無難なの選んだりしてたのに今はLINEで日本語使って命じるだけでコレ出して来ますからね。簡易詠唱でこの火力……!!一日でAIが進化する時代が到来したので、来年の今頃はもっと便利なツールでヘッダーを作成出来るようになっているか人類の存亡をかけてAIと大戦争を起こしているかでしょう。
マッドマックスドクター(没)
没作です。夏ぐらいにプロットは出来ていて今年の2本目にするつもりで半分くらい書いていたんですが……10月、一本目を書き終えてこちらに着手して気付きました。面白くない……というかダサい……
予定していたところまでの字数を800字以内に収めるとなると相当な量の会話や描写を減らす必要があるんですが、セリフがださい!!それで無理矢理押し込んでも展開が唐突すぎるし世界観が分かりづらい。
それでも出すつもりのネタはこれだったしな~どうしようかな~と悩んでいるだけで10月が終わりそうになったので諦めました。上のリンク先記事はこの振り返りに際して書き上げたものです。3000字くらいあります。元々こんなつもりじゃなかったんですが、楽しくなって調子乗って糸目関西弁ヤクザとかも出せたので供養出来てよかったです。シンカンセンが何かって?今考えたから知らんよ(殴
私は2010年代前半の小説掲示板で活動していたバックグラウンドがあるので(殴 とか滅茶使ってました。鳥肌もん過ぎてまだ10年しか経ってないのが恐ろしい。
さて作品がどう思いついたのか何ですが、下の読み切りが出発点です。作品が総合的に好きって訳ではないんですが医学部に行かすために出生の嘘つく母親に「質感~」って感じがして、ちょっと自分でも書いてみたかったんですよね。医学部行きたくない子に行かせようとする親を俺の親含め何人も見てきたので。
映画のマッドマックスは怒りのデスロードしか見てないんですけど、そんなにしっくり来てない。世界観にもピンときては無い……けど何か今回医者を主人公にする上でしっくり来たので採用。
初めは組長と医者の二人のロードムービーにする気だったんですが、それだけだと面白みが少なくなる、もっとツイストしたい。ってことで組長殺して口数少ない陰気なヤクザと軽率で直情的な医者との気の合わない二人の旅にしました。まぁ旅に出るまでで書き出しは終わるんですが。
ヘッダーのAI画像はちょっと出来がイマイチなんですけど全然上手く行かなかったんですね。マッドマックスって入れると全部マッドマックスになって他の情報が消えちゃうんですよ。ヤクザと医者は別々で発注して加工した方が良かったとは思いますが、その手間踏むならAI使わなくて良いし。
ジュブナイル未知との遭遇
『銃とPHSは鳴り止まない』をボツにしちゃって、じゃあ投稿用2作目の作品はどうしようかと考えながら去年の逆噴射小説大賞のネタ出しメモを漁りまして。異世界転生ものとかも諸々あったんですけど「これ800字で薄火点より面白い?」と自問していると、どれも微妙に見えてきちゃう。
そんな中スティール・ボール・ランを全巻まとめ買いしたんです。これがこの世で一番面白いな、ジュブナイルつーか「青春から大人」になるまでの物語を、友情の物語をやりたいな、そういう訳で2年くらい前にちょっとだけ書いてた『俺はきっと生まれ変わっても音楽をやる』というこの話の原型になった小説を引っ張りだして手を加えました。いやぁSBR読んでなかったらOye Como Vaなんてタイトルでないなぁ。
しかし一度ボツにした作品なのに、ちゃんと800字にしたら思ってたより面白い作品に仕上がったと思います。初めはキーボードが逃げたバンドが新メンバーを探す中、宇宙人を拾ってメンバーにするってだけだったんですよね。宇宙人は口からキーボードの音出せるしめっちゃ上手い。さらに未知のサイケデリック音も出せる。すげぇじゃん!って盛り上がって仲間に入れちゃう大学生バンド……流石にちょっとフックがなさ過ぎますね。やっぱり最低1人は殺しとかんとね。
この原型における宇宙人のイメージはヌ・ミキタカゾ・ンシ。SBRのこととか考える前からずっとジョジョだったんですね。今回の投稿作ではピンク色の不定形生物です。はてさて意志とかはあるのか……ハナミチの意志は消えたのか……決めてないので分からないですね。
バンドメンバーの名前は鬼童貞だけはずっと決めてて、ヘルドッグとラーフラ、主人公のハナミチは直前に決めてます。鬼童貞、なんか良いですよね。各メンバーのパーソナリティだけ紹介して終わります。
未来へ
という訳で今年度逆噴射小説大賞のふり返りでした。今年出した2作は両方とも凄く気に入っていて、年ごとの提出作の総合点を考えると5年で一番の出来だと思っています。
今年初めにはこんな記事も出したんですが、去年の反省を踏まえて改めて言えることは「要素を盛り過ぎるな」「好きなことをやれ」の2点ですね。大賞取って逆噴射小説大賞V2チャンピオンになりたいな~~~~!!!!!!
batty
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