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「港区女子」は港区出身の女子ではないらしい。

「東京カレンダー」で取り上げられてからときどき耳にする「港区女子」。

その定義を調べると、容姿が優れ、自尊心が高く、男性を立てながら、男性に金銭や時間を消費させることを厭わない、港区在住の若い女性を示す言葉のようだ。

特徴だけを拾うと、キャバクラ嬢や愛人稼業とあまり違いはないような気もするが、「性的な何か」と引き換えにすることなく、男性から金品を得ているらしい。これは昔から必ず一定数いる層ではないか。

私は関西で育ったが、東京よりはるかに小さな地方都市さえ、バブルがはじけてまもない20代前半のあの頃、「港区女子」のような知人がたくさんいた。

おおらかな時代の後押しもあったとは思うが、人並み外れて容姿もコミュニケーション能力も優れた彼女たちは、食事のたびに「港区おじさん」のような存在を財布がわりに呼び出し、“1本” (10万円)以下のプレゼントは受け付けず、複数人に同じ商品をねだり、重複したプレゼントを売り飛ばしていた。

そして、彼女たちのうちの幾人かは、夜の仕事に流れていった。
もともと裕福な層にいた幾人かは、同じ階層にいる裕福な男性と結婚をした。

エスタブリッシュメントが多く住む「港区」という華のあるワードに惑わさそうだが、その行動は、あの頃関西でよく見た彼女たちと大差ないように思える。

何かが違うとすれば、むき出しにするといやらしいなにかを、ある種の権威を表すワードでくるむことで、生まれながらに得ることのできなかった「育ちの良さ」が身についたと錯覚できるような、耳触りの良さだろうか。

憧れる女性も多いそうだが、もし人から「港区女子」認定をされたら、

 銭ゲバで下品だね

と言われてるのと同等と思った方がよさそうだ。

港区の恵まれた家庭で生まれ育った子女と、港区女子は、似て非なるものだよなぁ…。

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