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孫悟空は父親失格か?

最初に出した同人誌で「孫悟空は家族から嫌われている描写はないから関係ない外野がどうのこうの言うのは余計なお世話なんじゃないか」みたいな持論をドヤ顔で載せてたと思います。

先生は台詞で説明せず「結果」を描くので私が↑のスタンスなのは変わらないですが、今回は戦闘力に絡めて前回と違った視点で孫悟空擁護をしていこうと思います。

※こちらだいたいセル編の話になります。Twitterで呟いた事も含めてます。
※T先生の私生活や漫画家としての苦労だとかそういう視点はあまり入れません。


孫悟空は父親失格か?

原作に描いてあるだけの情報を見ると「夫・父親の孫悟空」はもう本当に自由ですよね。金銭労働はせず、大事なことも勝手に決めて勝手に死んで妻に報連相などほぼなし。
いきなり悟飯ちゃんを7日も神様の神殿に預け、セルと戦わせることを内緒にし、息子をあろうことかセルと一騎打ちさせボコられても助けようとはしません。
孫悟空の過去の行いで様々な不幸を地球に呼んでいるのにツケは次世代に押し付けて、あの世で隠遁〜…!!

超だと子供が産まれたことすら知らなかったという始末。しかも子供2人いてキスしたことないとか本当に大丈夫でしょうか。逆に上級者なんですか?

これでは枠にはまりっぱなしの地球の読者世間様からの風当たりはきついに決まっております。

そんな父親としてどうのと言われがちな悟空さですが、17巻のラディッツ来襲〜セル編の心臓病で倒れる前くらいまで愛情のあるお父さんでしたよね。

息子が攫われては怒り怖がり狼狽し仲間が殺されて怒り、チチの尻にゴリゴリに敷かれてたり(これは今もか)、極限状態のフリーザ戦では凄まじい感情の起伏が描写されていました。

初めてスーパーサイヤ人に覚醒する場面は何万回読んでもマジかっこいいですね〜!

でもセル編中盤の心臓病から復活してきた孫悟空、割りとピンチなのに落ち着いていてます。
何も解決してないしピンチでも落ち着いてる孫悟空はナメック星からある描写なんですが「なにか掴んだ」時にこういう孫悟空が描かれてるような気もします。

セル編の病の床から目覚めた後の妙〜に落ち着いてる孫悟空は、自分が強くなる&セルを倒すためのヒントを掴んだんじゃないかなと思います。

で、孫悟空は強くなるために負けないために自分を自分たらしめるものから限界突破している人間だと私は解釈しています。

強くなる方法を実行しこれまでの孫悟空たらしめるものから脱してしまったが故に、セル編のあの孫悟空が出来上がってしまったのではないかと思っております。

ここで何度か言っている私の戦闘力アップ妄想を書いていきます。

ドラゴンボールでは異素材、正反対の要素が合体すると力を増すという法則があるように思います。(※ブウ以外)
そして異素材よりもっと違う正反対の存在が合体すると、よりパワーアップすると考えています。


地球の大地だけじゃなく悪者も良い人も普通の人もいろんな気を集めてまとめる元気玉、ハーフであるせいか修行もしていないのに生まれつき強い孫悟飯(+めちゃ良い子なのにピッコロさんから魔族として育てられる※諸説あり)、自分たちの細胞を混ぜて使われたセルが人造人間や人を吸収し更にパワーアップすること、ネイルさんと融合、魔族ピッコロさんと神カタッツの子の融合、、、

こういったパワーアップの法則を、孫悟空は元気玉を学びだしたサイヤ人襲来あたりから薄々知っていたんじゃないかなと勝手に思います。

でも孫悟空はナメック星人のように誰かと融合することも出来ないし、悟飯のような特性もない。
どうやったらこれらの法則を使って強くなれるかをずっと考えていたのだと思います。

(元気玉は孫悟空にとっては多勢に無勢の反則技なんでしょう。セルに不意打ちで元気玉ぶつければいいじゃんって思った人居ませんか?私だけですか?)

ここで悟空と悟飯が精神と時の部屋で行っていた修行に触れていきます。
細かい修行の説明はないですし、べジータに説明させてることがほとんどなので、べジータのセリフと絵と妄想力とで孫悟空と悟飯は戦闘力をどうやって上げたのか、独自視点で説明していこうと思います。

まずは孫悟空が作中言っていた修行内容は以下↓


●寝る時以外は当たり前のように超サイヤ人でいる
●超サイヤ人の時の落ち着かない気分を消す
●基本的な修行をやり直す


●寝る時以外は当たり前のように超サイヤ人でいる
→超サイヤ人として慣らしておけば体の負担が少なくなる…というのがメリットらしいです。

それだったら目つきまで変えて描く必要がないんじゃないの?って思ったりもしますし、なんか当たり前のようにサイヤ人でいる理由は他にもあると思ったんですよ

ここで次の
●落ち着かない気分を消す
というところに着目してみました。超サイヤ人は怒りをきっかけにして変身しますよね。
それも普通の怒りではなく大切な人が殺された時に感じるほどの強い怒りです。
(クリリンは毎回殺されてはいないですが、変身するたびにこんな感情を抱かなくてはいけないとなるとメンタルボロボロになっちゃうんじゃないかなと心配になりますね)

精神と時の部屋から出てきた悟空と悟飯は超サイヤ人で精神的に落ち着かない状態のはずですが、ベジータ曰く「自然」に過ごしているそうです。

超サイヤ人で居つつも超サイヤ人特有の落ち着かない気分は消えている

昔、役者の竹内直人が笑いながら怒る芸をやってましたが、まさにそれな感じで
全然違う性質のものをうまく調和させてるんです。
いやコレけっこう大変じゃない??


で、見た目の話になりますとね、これ巷ではかまぼこ目とか言われてますが、SSだけど黒髪の時のような目になってますよね。




つまり黒髪の状態でいるように普通に超サイヤ人になったまま生活を過ごしているのは肉体的な負担を少なくするだけじゃなくて、
孫悟空自身の違う要素である「サイヤ人の肉体」と「地球育ちの黒髪自然体精神」という異素材を近づけ、合体させるということをした
のかなと思いました。
(落ち着かない気分を消した顔を描きたかっただけでは?というツッコミはありますが目をつぶってください)


(ついてこれてますか?ここで私が勝手に言ってる「別の要素と合体することでパワーが増す理論」を使ってもっと妄想力上げていきますよ!)

これは肉体的な部分だけではなく孫悟空の精神価値観にまで及んでいて、悟飯ちゃんが4歳くらいの頃の甘々パパだった孫悟空に徐々に戦闘民族サイヤ親父像が混じっていっているように見えました


個人の感覚ですがサイヤ人の親父像は以下↓だと思ってます

・我が子を戦闘力で評価する
・我が子を幼い頃から戦場へ送る
・我が子を強くするのが育児
・強い子は自慢の子供!

地球人を救う術は他に無かったとしても悟飯ちゃんとセルと一騎打ちで戦わせるなんて確かに鬼畜の所業👹

孫悟空の元来持っている軽さや合理性、戦い大好きな性格に、このサイヤ人親父像が加わって悪魔合体した孫悟空が読者様的に批判される毒親孫悟空なのでしょうかね。

ここでね、こいつを読んでる方に考えていただきたいことがありましてね。

もしも知らない強い男の子が1人頑張って犠牲になるだけで地球全員を救うことが出来たらどうします?

同情するけど知り合いでもないし何よりその子は強いんだからいいんじゃない?みんなが救えるんだよね?

ーーと、テレビの向こうで応援しますか?

それとも、子供一人に背負わせるなんて酷すぎる!と反対して玉砕覚悟で立ち向かいますか?

逆に我が子が悟飯ちゃんだったらどうします?
チチさんみたいに地球より我が子が大事と言いますか?
強い我が子を信じて鍛えて戦わせますか?

これら先生の問題提起でもありはっきり答えが出ないのが面白いんですよね。

悟空擁護派の末端派遣社員のわたくしとしては

「みんな諦めてるなかで死んでからも息子の強さを誰よりも信じ続けた」
という孫悟空の姿勢にシンプルに痺れますし憧れます。

子どもをなぜそこまで信じることが出来るのかと疑問に思うんですけど、それは我が子だからじゃなくて、能力を発揮すれば誰よりも強くなる孫悟飯だから信じてたんですよ。(メタ的に次世代への応援のメッセージが込められてるとかももちろんあるとは思うのですけど)

悟空さはもの凄くシビアに戦闘力の差を観察しているので勝てる時以外は勝てるって言わないんです。不利だと知ったら戦わないし逃げられるなら逃げるんです。

悟飯は怒れば誰よりも強い、セルに勝てると確信があったから戦わせたんです。

・なんで悟飯のセルを一騎打ちさせたのか
・なぜボコられても助けなかったのか

これも孫悟空の理屈からしてみれば当たり前なんです。

個人の感覚ですけどね、
セルや孫悟空の実力がウサギさんくらいだとすると、本領発揮した悟飯はライオンさんくらい違うんだと思ってます。

ライオンとウサギさんを戦わせるのなんて、そんなのいくらなんでもウサギさんが可哀相じゃないですか。悪いウサギでも仙豆くらいあげちゃいますよ。

ウサギがライオンを助ける?オラより何倍も強いライオンなのにそんなことする必要なくね?

という理屈が孫悟空の理屈なんだと思います

おまえは本来はライオンなのに、とうちゃんや周囲に気を遣ってうさぎのふりをしている。
悟飯はとうちゃんの事だって大したことないって薄々気づいてるんだろ?

ってことなんですかね…?

まあでも、この作戦は孫悟空しか知らないことなのであんなことになってしまったわけです。

ピッコロさんも孫悟飯の隠された力についてはわかってるんだけど、いやいやまさか殿、いくらなんでも優しい悟飯をセルと一騎打ちさせるなんて…と思ってたんでしょう。

そう、悟飯ちゃんは自らの力を誰かを助けるために使いたいと思ってる根は正義感に溢れる優しいタイプで、いくら酷い敵でも殺したいわけじゃないんです。
薄々知ってたけどボクはほんとはライオンだからウサギさん相手に手加減もうまく出来ないんです。殴っただけで死んじゃうんです。遊べないんです。差がありすぎてお父さんたちみたいに戦いを楽しめないんです。

ーーーとかなんとか言ってるけど、ゴリゴリに殺意があるし、セルを痛め付けるのを楽しんでしまう悟飯!

めちゃくちゃですよね。ピッコロさんもさすがに引きます。チチさんが見てなくてよかったです。

そしてこの孫悟飯、あんだけセルにボコられても怒れなかったのに不良にダサいと馬鹿にされただけでぶちキレて地団駄踏むというブレブレのキャラなんですよ。(あの時地球壊れなくて良かった)

サイヤ人と地球人との間に生まれて(サイヤ人と地球人が混じってる)、「良い子と悪い子」「正義と悪」の一見矛盾した異なる要素が孫悟飯のなかで常に一体になっているから悟飯は強いんだと考えてます。

孫悟飯はもともと元気玉バフ状態なんじゃないのかなと思います。ずるい!

ですがここで1つ問題があります。
孫悟飯のそのパワーは怒りがきっかけであらわれます。
怒りは時に判断を狂わせますね…

孫悟空はこれまでの修羅場でよーーーーくそれを知っていたので、超化した後の怒りで自制心が呑まれないように気持ちを落ち着かせる修行を2人でしたんだと思います。精神と時の部屋でも私生活でも徹底的に。

孫悟空的に万全だと思ってたけどいざ本番では孫悟飯がめちゃくちゃ暴走してしまいました💁子ども(我が子という意味だけではなく子供全般)をコントロールなんて出来ないんですね。
でも、子どもをコントロールは出来なかったけれど、

ーーー過ちを許して、信じ抜くことは出来る!!

これがどれだけ難しいか、、わかります

おじいちゃんにそうしてもらった時と同じく、死んだ原因が悟飯にあっても悟空は悟飯を責めることはしません。死ぬ間際によく頑張ったと悟飯を労ってるんです

悟飯もZ戦士もみんな諦めている中で自分は死んでも孫悟空は息子に「おまえなら勝てる」と応援し続けてるんです。

孫悟空(先生)は次世代の才能を育てたかったとか強い次世代に諸々任せて隠居したかったとか、読み方は色々あると思うんですけどね、

ここは単純に悟飯の「実力があるのにお父さんに頼っちゃう性根」も悟空さはどうにかしてやりたかったんだと思いますよ。

サイヤ人戦を経てピッコロさんのためにナメック星に行くんだ!とチチに反抗する悟飯の姿をみてから悟飯を子供扱いせず1人の戦士として扱いたかった、という気持ちもあると思います。

少年をいっぱしのに育てるために地球の運命がかかった舞台を活用した事に多々問題はありますが、それだけ孫悟飯のポテンシャルが高いんですよ。
孫悟飯を「その先」へ限界突破させるには単なる壁じゃダメなんです。
お父さんより強い相手と一騎打ちさせ、超サイヤ人越えたそれ以上の実力を発揮させ勝たせることに意味があったんです。

そして、16号だけじゃなく孫悟空が死んだ後にようやくSS2を超えた力(親子かめはめ波)を発揮出来たくらいには孫悟飯のリミッターを外すのは難しかったんですよ多分。

当時の私のツイートはこちら



悟飯がボコられても頑なに助けない孫悟空がピッコロさんに怒られて無駄だと知りつつ加勢したのは、自分のやり方に迷いがあったとか色々読み方ありますけど、

「自分の意見も大事だけど人の意見もきく姿勢」

「異なる要素を調和をさせることに繋がり」
 結論として

「強くなる」

というパワーアップ法則に悟空さが則ったからじゃないかなと。


とはいえね、とはいえですよ。
「悟飯をお父さんより強い相手と一騎打ちさせてボコられて怒らせて勝つプラン」は、周囲に言ったら止められるし最悪チチに出ていかれると思ってたから言わなかったんだろうけど、やっぱり周囲を信じて根回ししておいた方が良かったんじゃないかな〜って思います。

ちゃんと言っておいてくれたらみんな協力してくれたかもしれないじゃん。
もう少しオレらを信頼してくれてもよかったのに、ってそう思ってるよたぶん。


結論 孫悟空はサイヤ人流の子育てをしてしまったが故に一部読者含む周囲から批判されるけども、死ぬ前も生き返った後も家族と息子たちと同居してるし家族から嫌われてはいないんじゃないかな?

つまり孫悟空は父親失格でも旦那失格でもありません!


これ最初にかいてあるね。

おわり。

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