見出し画像

RM マルセリーノを終えて

どもです🌷
ゆうこです!

陽射しと風の心地が秋を感じさせてくれる近頃です。
今年は紅葉見に行けるかなあ。
秋のはじめには毎年そんな想いを馳せます。
みなさんは秋のはじめに何か想うことはありますか?
季節の変わり目って、そんな想像で心が躍りますね。

想像、というものについて
リーディングミュージカルに出演するにあたって
よく考える時間がありました。

と言っても、
「リーディングミュージカル」という
舞台作品の枠組みが
みなさまにとって
どのような素敵なものを
力として持っているのか
という範囲でですが…!

「リーディング」
つまり
読んで聴いていただいたことから
どんなことが起きているのか
どんな環境や世界の中にいるのか
どんな関わり合いをしているのか
どんなものを見せられているのか
すべて想像していただくという

みーーーーんなに
伝えられた限りのことでしか
楽しんでいただけない形式であり

かつ

私たち俳優が身体で見せないことで
あなた方一人一人が
あなたの価値観で
受け取った言葉から
好きなものを想像して
楽しんでいただける形式である

観客という
「受け取り手の想像力」が加わって
はじめて完成する作品だなあと想いました。

「想像力」というものは
当たり前かもしれませんが
やはり
子供の方が自由なのかもしれません。

我々大人には
たくさんの知識や経験があるから。

子供は知識が少ない分色とりどりに想像します。

常識や価値観という
想像の通行止めを行うものが少ないから。

大人は常識や価値観から
何を想像すべきかという
直感が働くので
想像することに
あまり時間やエネルギーをつかう
ということを
子供の頃より
しなくなってるのではないでしょうか。

それも
自身に関係ないことについて
となったらどうでしょう

他にやりたいことをしたり
考えたいことを考えたり
お休みをしたり
そういうことの方が
したい、やりたいのではないでしょうか。

だけど
あえて
普通なら関わらないこと
つまり
演劇作品の中で起こることに
関わりに行くこと、
わざわざ時間をとって
見聞きしたものごとを
想像することによって
これからの
経験や知識に
また別の価値観がプラスされた
より選択肢の多い
より豊かなあなたへと
繋がっていくのではないだろうか

そう想って
私なりに
一生懸命
歩みを進めました。

まず最初にこの本を手に取った時、
この「マルセリーノ」という戯曲への
作者の想いが物語がはじまる前に記されておりました。

きっと、
素敵な人たちや、文化、芸術、歴史、土地、
様々なところから得たインスピレーションが
「作品を創る」ということに向かったんだと思います。

そんな想いも大切にできたらいいなぁなんて
思いながら。

この作品に出てくる
「マルセリーノ」「トービ」「アントネッラ」
という(本来は)10代の人物たちは
みなそれぞれに成長が描かれているものだと感じました。

ある種の、親離れと子離れのような
それぞれが自立していくことによって
自身がより豊かになっていくための視野が
ひとつひろがっていくような
自身が自身を愛し
人からの愛を信じて
外へ向かっていくかのような
そんな暖かさを感じました。

実際に生きてみた中で
家族という存在はかけがえがなく
「わたしの幸せ」
というものの中に
ただただ
「あなたが生きていてくれること」
がありました

そして
「あなたとの想い出」も
「前向きに生きるためのお守り」でした。

何や誰を想うから
強く自立してゆける
ということもあるなあ

なんてことを味わって

究極、人はひとりになんて
なれないのかもしれないなあなんて
肩の力が少し抜けたような気がします。

ボナコッシ先生が
「君よ風に乗れ」と歌う時
まるでわたしの中にも風が吹くようでした。

この歌を聴きながら
自身も風に身を委ねたり
力に変えたりしながら
飛んでゆきたいと思ったし
もうそうやって羽ばたかせてもらったことも
あったなあなんてことに
胸が熱くなりました。

その歌に加わるときには
マルセリーノに、
トービにも、
エールとして贈りたい気持ちがいっぱいでした。

そしてその先にいる
お客様ひとりひとりの
心のつばさも
空高く自由に飛び回りますようにと。

エールや思いやりという
あたたかく優しい想いは
人をポジティブに働かせてくれるなあと
役の中で体感しました。

そして、そんな作品づくりが
だいすきだなあと改めて。

こんな素敵な体験をさせてくださって
届けさせてくださって
本当にありがとうございました。


ここからは、役者のわたしとして、のお話。

作品の中で「言葉」というものに
強くフォーカスを当てた時
「意味」というものはいたってシンプルで
それに対する「想い」から導かれる
「心の状態」は
キャラクター次第だということを
強く感じた日々でした。

何をどういう風に想ってその言葉を伝えるのか

なぜ、この人に伝えるのか

伝えなかったら、どうなるのか

それでもやっぱり、伝えたい

たくさん、思考を巡らせながら
助言くださる先輩方に耳を傾けて
足し算引き算を繰り返した日々でした。

自身の至らない点も
たくさんみつけて
その都度
そういうことも出来るようになりたいなあ
と思った時間でした。

歌に関しても
今回は声楽的な歌い方ではないところを
目指させていただいて
練習を聴いていてくださったり
本番直前まで言葉にしてくださったり
本当にお世話になりつづけた今回でした。

つい
appassionatoとか
espressivoとか
con fuocoとか
エネルギッシュに歌おうとしてしまいがちな
わたしの癖がありましたが
最終的には
ただただ祈りがあっただけでした。

ただ、想い続けて
歌の中で語っただけ
みたいな
優しい感覚。

世界は劇場なんかよりうんと広くて
自分の中では
その音楽の中にいることも
歌っていることも
ただただ自然だった。

そんな感覚ははじめてだったので
この状態が良かったのか悪かったのか
ちゃんと伺えていないので
なんとも言い切れませんが
お客様から
「気付いたら泣いていた」と
お話をいただいて胸が暖かくなったり
「まるで(キャッツの)メモリーみたいだった」
とお言葉をいただいて
「あの楽曲のタイトルは‘想い出’なんです」と
個人的にエモいなあって出来事もありました。

こういった体験や経験をして
かつ、お話を伺って、
今後
楽曲の持つ力、作品の力、
というものを
改めて
より信じ、
その力とわたしが掛け合わさった
その時その時の最高の瞬間を
お客様に受け取っていただきたいと
思いました。

まだまだ
未熟である。

故に学べることを嬉しく思います。

これからも
努力してまいりますので
どうぞよろしくお願いいたします。

かけがえのないあなたに
出会い続けるために
愛を込めて

ゆうこ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?