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「できっこない」をやめた話【観る絵本】

自己紹介

はじめまして。pictorydamという名前で映像作品を作ってます。

特に何者でもない、ただの会社員です。

自分はモノを作るのが好きなので、最近自分が力を入れて制作してみた自主制作について書こうと思いnoteを始めてみました!

なかなかいろいろな挑戦をしたせいか、学ぶことも多かったので拙い部分はありますが、読んでいただけると嬉しいです。

「観る絵本」というもの

今回僕は動画で観る絵本を作ってみました。
こちらのチャンネルで4月のみ毎週土曜日20時にアップしていきます。

第一作目は『Hello, Mister』

人間に煙たがれながらも腹をすかせてやってきた「愛」を知らない一匹の猫と、町を愛し続けるひとりの紳士のお話です。

正直言うとこれは動画で観る絵本と言っている通り、最終的には本ではなく動画媒体なわけです。
なので、実際の絵本とは違い、絵と文字以外にもBGMや環境音が一緒に流れてきます。

お話がどうとかそういう以前に、そもそもこのスタイルはどうなのか?みたいなところから割と探り探りで作っているわけです。

ただ、例えばこの作品を誰かが寝る前にスマホでYouTubeをつけて読書をするような感覚で見てもらえたらなんだかちょっぴり新しい「絵本」というスタイルとして提案してみても良いかなと思った次第です。

この作品では、脚本・イラスト・音楽(一部楽曲を除く)・動画編集など、目で見えるもの耳で聞こえるものほぼ全てを自分で作ってみました。
僕は脚本家でもなければ、イラストレーターでも音楽家でもありません。
ただのモノを作るのが好きな社会人です。

なにかとやったことないことをやろうと考えるとき、どうしても「今の自分にできること」をものさしに物事を見てしまいがちです。
でも子供の頃って、初めて見るものや、やってみたいものがあればすぐに手を出して失敗したり、夢中になったりするものじゃないですか。

それって「できっこない」なんて1ミリも思ってなくて、純粋な「やりたい」という気持ちだけなんですよね。
いつの間にか自分の力量を自分で決めてしまっていることに社会人をやりながら、ようやっと気がついたんです。

だから、この作品を作りたいと思ったときから「できっこない」を封印したろーって思いました。

自分が出来ないことを「できっこない」と諦めるのではなく、ひとつずつ挑戦して「できないこと」を地道に「できなくはない」まで持っていき、最終的に「できた」を積み重ねて一つの作品を作ってみようと思ったわけです。
そうしてふと浮かんだ構想から、「作りたい」の一心で最初から最後まで全部やってみようとしてできたのが『Hello, Mister』です。

この作品では登場人物の表情や肌の色を表現していません。
それが何故かとお話しする前に、少しだけ自分の話をさせてください。

好きだった絵本「こんとあき」

ぼくは小さい頃、母に絵本を読んでもらうのが大好きでした。

中でも「こんとあき」という絵本が僕は大好きだったんです。

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その絵本は「あき」という女の子と、あきが生まれた頃から一緒にいるぬいぐるみの「こん」が主人公です。

あきが成長するにつれて、こんは古びていきます。
ある日、腕が綻びてしまったこんを直してもらうため2人でおばあちゃんの家に行くと言うお話です。

この絵本を母に読んでもらうのが、とても好きでした。
多分うちの母は絵本を読むのが上手なんだと思います。

作中に「だいじょうぶ、だいじょうぶ」というこんのセリフがあるんですが、母がそこを読むと泣いてしまいそうになったのをよく覚えています。

大人になってから、久しぶりに絵本「こんとあき」を見ました。
懐かしいなあと思いつつ同時に「こんなに薄かったっけ」とも思ったんです。

自分の記憶では壮大なこんとあきの物語が続いていたので、もっとボリュームある本だと思っていました。

でもそれは僕の記憶の中での「こんとあき」だったんです。
思えば、絵本って全部そうだったなあと。

小さい頃、母に読んでもらった本はどれも面白くて、その記憶がいつまでも頭の中にあって、いつの間にか僕はページとページの間を勝手に想像していたんですよね。

母に読んでもらったあきは元気だけどちょっぴり寂しがりやな女の子で、こんは優しくて安心感のあるぬいぐるみでした。

でもそれは小さい頃の自分に、そう母が読んでくれたからだと思います。

もちろんセリフや絵から見るに、作品としてもそういうキャラクターだったと思います。
でも、きっと別の家のお母さんが読めばそこにはそのお家の「こんとあき」があって、今僕が声に出して読めば僕の「こんとあき」があると思います。

読む人によって完成体が違って、でも共通して見えている世界観がある。
そう考えて始めていったら、僕はどんどん「絵本」という媒体の魅力に惹かれていきました。

表情や肌の色は観る人で決めてほしい

今回僕が作ったこの作品に表情や肌の色を描いていない理由は、そうやって想像してほしいからです。

動画で見るといってもアニメのように繊細な表現があるわけではありません。人の声で感情豊かに台詞を読んでくれるわけでもありません。

僕が小さい頃、眠る前に母に読んでもらった絵本と同じように、この物語を見ながら「紳士はどういう声をしているんだろう」とか、「どんな顔をしているんだろう」とか、そういった想像を見る人にお任せするスタイルで作ってみたいと思いました。

最後に

このお話は全部で4話あります。それぞれにテーマがあって、そのテーマを追うことで猫は紳士から様々なものを教わります。
ちょっと大人向けなお話になっていますが、見ていただけたら嬉しいです。

なにもかもゼロからひとりで全部やってみたのは初めてのことなので、備忘録がてらそれぞれの話が公開するときに、なぜこのお話を思いついたかや、気をつけた部分などお話できたらと思います。

note以前にブログというものを書くのが人生で初めてのことなので、ときに偉そうに語ったり、ときに長ったらしく綴ったりすると思いますが、温かい目で見守ってくださると嬉しいです。

もし、興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひお付き合いください!


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