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街の選曲家#6

音楽を聞く環境は変わったりするけれど、聞いてるのは音楽だ。何も変わらない。そしてまた選曲しました。色々な音楽を聞きたいけど、まだまだ全然知らないよ。でもその中の好きな音楽を聞く。印象に残る。そしてテープにダビングしたり、CD-Rに焼いたり、プレイリストにする。そういう時間、それを聞く時間、それが好きだ。

Honey Bee (Let's Fly to Mars) - Grinderman

ロンドンのオルタナティブロックのバンドGrindermanはノイズっぽくて力強くパンキッシュ。そしてこの曲は歌詞がいい。曲は最初から通して流れているギターのリズムがとても好き。続くギターのリズム。ベースもそこにあって途中でそのギターは止まるけどその流れはずっと続く。そういうものが好きなのかな。歌詞も特徴的にリフレインするHoney bee lets fly to Marsとか、SARSやインフルエンザとかアジアからやってくるようで、まるで現在のことを言ってるようだ。Won't somebody touch us?とか、There's a virus come to townとか、Won't somebody give me a kiss?とかね。でも歌詞はそれらを統合したぶっ飛び感の方が好きなんだけど。Grindermanは解散してしまっているけど、そういうバンドがあって、こういう曲が残っている。そういうのが幸せなんだ。


COLONY - UA

ある日よくある光景だが、レンタル下がりの中古盤が百円程度で売っていた。その時に買ったのがUAさんのHORIZONで、聞いて気に入り、同じ店でCOLONYを探して買ったのが最初だった。UAさんがブレイクするかしないかって時期で、TINY PANXの一人だった藤原ヒロシさんがプロデュースとかに関わっているらしいので更に興味が湧いた。そして聞いたら少し声に特徴がある。そしてこれは後の曲やライブとかを聞くと如実に分かるんだけど、声が太く歌がうまい。この曲は私にとってはなんとも不思議で懐かしい感じ。とりたててここがどう、そこがこうとかはないんだけど、自分の記憶に触れる何かがあるのかな。好きな曲、初々しい歌も好きなんだ。


Super Kiss Attack - Electrocute

この曲はある時YouTubeを見ていてレコメンドから出会った。エレクトロポップって感じのサウンドがハマった。簡単に説明するとプラスチックスを感じたかな。ベースのシーケンスとかいろいろな面でチープなポップを演出している。いや、ベースだけじゃなく、いかにもシーケンサーを使ってますって感じのサウンドで、そこに無機質気味なボーカルとコーラスがのっている。そしてギター。無機質なシーケンス上にそのギターがあるのが、わざと簡単なそれを目指しているそこに、生き物のような存在になっていてくねる。そんな感じが好きだ。別にDTMであっても豪華な作品はできるのだから、逆にチープなエレクトロポップだって評価に値する。まさにそれが好きでいい出会いは必然だった。出会いとはいうがレコメンド機能だろう。しかし、ありがとう機械、感謝である。


星になる - ドラマチックアラスカ

以前からAmazonのPrimeついでにPrime Musicを利用していて、Unlimitedがない時代か今のようにプッシュしてない時代、少ない曲で色々な音楽を探索していた。それしかなかったし、その楽しみを知った。そしてそれらのアルバムを聞き、気に入った曲をヘヴィーローテーションしたり、気に入った曲をプレイリストに入れる、そんなことをしていた頃の初期に出会ったバンドの一つがドラマチックアラスカだった。彼らの曲に興味を持ったのは宇宙的なことを歌っていたということ。この曲もそうで、なんとなく遥かな世界、想像もつかないような大きい世界というイメージを感じる。バンド自体はオーソドックスな4ピースバンドで、そういうところも安心感、安心感があって好きだ。その王道的でもあるオーソドックスさの中に、星になるの歌詞があって、そういうのにハマった。すべてが大好きな歌詞ということではない。だがとても好き。ペテルギウス、アルタイル、流線型に乗って到達したい。


No New Rock - Buffalo Daughter

下のNonameさんのところに書くことと被るが、Buffalo DaughterのNew Rockは名盤だと思っている。アルバムにはこのNo New Rockよりも好きな曲もあるが、このアルバムを聞いた時にはNo New Rockは聞いていた。だから初めて聞いた時にこの曲は頭の奥に存在していて懐かしい感じだった。アルバムはオルタナティブロックのような、エレクトロニカのような、いろいろな曲があってとても好きなんだけど、この曲はオルタナロック的なものでドラムもベースもギターも歌も最高で大好きだ。これが入り口ということでインプリンティングされているというのもあるだろう。しかし、特にこの曲のギターが好きで、その前に躍動するドラムが好きで、心臓の鼓動のようなベースが好きなんだ。そしてガンガンくる歌が、声が好き。要は全て好きということ。完成されている。もっともっと暴れてほしいけど、これくらいで許してくださいって感じ。あー聞きたいな。ずっと聞いてゆくよ。New RockもNo New Rockも。


Freedom Interlude - Noname

Nonameと出会ったのはNetflixのオリジナルドラマのDear White People。そのドラマを気に入って、その理由の一つが劇中に掛かる曲ということに気づき、そして自分でサウンドトラックを作成した。シーズン1だけだがのエピソード(Chapter)毎にちゃんと分けて作ってみた。サウンドトラックらしいクラシック曲も含めいろいろ入れたが、その中でも気に入った曲の中にNonameさんがいた。聞けば彼女は特殊なラッパーとわかるだろう。そのトラックを聞くだけで情緒的な風情を感じてしまう。そしてリリックを見たら、フロウを感じれば、トラックから感じるのと同じような、詩を朗読しているような、落ち着いたやすらぎのような感じがするだろう。私はリリックの中の人種問題や宗教的なことは分からない。しかしそれらを除いたとしても、しっとりと伝わってくる。リリックを考えるとそれらを除くことはできないのだろうが、そこは理解できるとは言い切れない。それでもリリックは伝わってくる。そしてこの曲が入っている彼女のアルバムTelefoneは歴史に残る名盤だと思っている。
***因みにSpotifyやBandcampとYouTubeではアウトロの感じが違う。版権の問題か、Peter Rodisさんと、Nina Simoneの声が消えている。ミックステープと正規版の違いだろうか。***


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