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オカンとカレー

どうも、逮捕される人(@pig_box_)です。

・とある事情でまもなく逮捕される予定
・逮捕前→逮捕後→服役中のリアルタイム発信をします
・「レンタル逮捕される人」というサービスもやってます

逮捕までの忘備録38日目

11月8日(水)晴れ。

天気はいいけど急に気温が下がった気がする。

半袖だと肌寒い。いよいよ冬になるんだな〜。


オカンとカレー

お昼ご飯奢るよ、とオカンを誘ってランチへ。

ちょっと良いステーキ屋さんに行こうと思ってたら「ガストがいい」と要望を受け、そのままガストへin。

夜はスカスカのガスト、お昼時はけっこう混雑していてびっくりした。

昼下がりのマダム4人が井戸端会議をしていたり、じいちゃんとばあちゃんが二人でロボットウェイターに四苦八苦していたりと、とても平和な空間だった。

オカンとの会話は最近の話や雑談がメインで、特に深刻な話はなし。今さら逮捕されることについて議論する余地もないし、家族もまた自分と同じようにことの顛末を待つしかない。

今は落ち着いているけど、実際におれが捕まったらしばらくの間はバタバタして心身ともに困憊してしまうのは想像できる。でも今はそこまで深刻に考えないようにしていて、実際にそう過ごせているようで良かった。良くはないんだけど、不幸中の幸いだな。

どう考えても親不孝のバカ息子なんだけど、生きてるうちに親孝行できますように。


出所直後、公判間近のお姉さん

と、歌舞伎町のシーシャに行った話。

「まもなく自分の初公判が開かれるので、そういう話がしたい」という依頼。 急遽シーシャバーで待ち合わせ。

現地に行ったらめちゃくちゃしつこくナンパされているお姉さんがいた。 この人かな?ちがうかな?と思ってたらその人だったのでナンパ金髪マンを無視して「お待たせしました」で入店。刺されなくてよかった。

「数日後に初公判なんですよ」という入り方でめちゃくちゃおもしれー夜になりそうだなとワクワクした。

彼女は薬物所持で家宅捜索を受けたらしい。取り調べに素直に応じて「逃げないし捜査にも協力するので職場にだけは来ないでほしい」「分かりました」のやりとりの数ヶ月後、見事に職場に押し入られて逮捕されたとのこと。

警察の被疑者に対する横暴な対応や嫌がらせというのはよくあることだけど、こういうのを聞くとまあまあ性格が悪くておもろいなと思う。困惑する被疑者の顔は蜜の味なのかもしれない。

「風邪気味だったので寒いと要望したが対応してもらえない」 「検察の取り調べは一日掛かりで消耗する」 「あまりにも人権がない」

つい先日まで入っていた留置場の生々しい話をたくさん聞いた。留置場にいる段階では起訴されておらず推定無罪だが、それでもそこそこにひどい扱いが待っているのが日本の留置場らしい。中には冤罪の無実の人もいるわけなので、そういう人は本当に辛いだろうなと思う。そんな環境下で詰められたら自白もしちゃうのかもしれない。

薬物についての話も聞いた。

依頼主も合法リキッドからはじまり最終的に大麻に至ったらしいけど、最初のきっかけは好奇心だったそうだ。

「薬で得られる高揚感って言語化できます?」

「うーん、難しいですね。でもお酒で酔うのとかシーシャでふわっとするのとは性質が全く異なります。音楽がとても繊細に聞こえて、それがとても心地良くなったり、なんか異次元でした」

「やめられそうですか?」

「大麻は禁断症状とかもないし、無いならないで別に大丈夫だと思ってます。もう逮捕されたくないのでやりません」

ちなみにこの話をしているビルの反対側には露天商が出ていて、今のところ合法らしいなんちゃらリキッドが売っているそうだ。

これが10年後だったら、日本も大麻合法化を果たしているかもしれない。そうなれば彼女の行為も合法になる。一方でひと昔前まで合法だった行為がいまは違法になっているケースもある。なんか法律ってすごいよなと思った。知らなかったじゃ済まないのに法改正はいつの間にか終わってんだもんな。

自分も好奇心で暴走するタイプの人間なので、違法薬物は絶対に手を出さないように気をつけようと思った。合法リキッドはぶっちゃけ興味があるけど今のところ手を出す予定はない。

依頼主は今回の逮捕によって彼氏と仕事と住まいを失ったらしいけど、それって別に逮捕されなくても失う可能性があるものだよな。

恋人との破局なんてそこら中で起きていることだし、仕事も辞めたり就いたりするのが一般的。家は必要ならまた借りればいいし、漫喫やシェアハウスという選択肢もある。

彼女は大麻所持の初犯なので執行猶予付き。つまり来月には大方の手続きを終えて社会生活のリスタートを切る。服役することはない。報道されていないから社会的制裁というのもほとんどないはずだ。

最後に「お姉さんは大丈夫ですよ」と心の底から言えたのは、なんか良かった。

その枕詞には「ぼくなんてもっと最悪の結末だと思うので」というのが付いているのは、まあ因果応報だなあと。

ぼくもこれからの最低な体験を、誰かのために残していけたらなと思いました。

逮捕、留置、公判という一連の流れをほぼリアルタイムで体験している人の話はとても参考になった(参考になっちゃう人生ダメ絶対)

薬物の検挙数はここ数年で増加傾向。ネットによる売人とのつながりが生まれやすいことが原因の一つっぽい。CBDやリキッドが普及して、その流れで上物である違法薬物にも手を出してしまうケースが多いらしい。テレグラムとかあるし、歌舞伎町の路地裏にはそれっぽい外国人がうろうろしているし、昔よりもフランクに違法薬物が手に入ってしまうんだろうな。

逮捕後の流れについては予習していた通りっぽい。

彼女は公判を終えたら人生リスタートが待っている。自分の場合は服役になるとリスタートまでに数年かかるので、少し羨ましいなと思った。お互いに罪を精算して綺麗になったら今度はまともな状態でシーシャが吸えるといいな。


逮捕される人の活動について

もともと逮捕までの記録として始めたんだけど、今後について色々と考えるところはある。

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逮捕されるまでの日々の記録です。

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