もう子どもを叩きたくない。ストレスコーピング②

twitterに以前書いたことに加筆修正してのまとめです。


 下の子の妊娠後期の頃でしょうか、上の子を叩いてしまう時期がありました。カッとなるともう制御ができなくて、ほとんど反射的に手が出てしまっていたのです。子どもが泣くのを睨みながら「言うこときかないから、子どもが悪いんだよ」とその時は自分の行為を正当化しているのですが、のちのちになって「叩く前にもっとどうにかできたはず」と自己嫌悪に苛まれます。それでも、繰り返してしまう。止めたいと思いながらもカッとなって手が出てしまうことを止められなかった。あの頃は、自分の感情が乱高下して常に不機嫌で、本当に辛かったです。

 今は、叩かないしイライラもあんまりしなくなりました。そうなるまでの試行錯誤を書き記します。


①我慢をやめた。

 上の子にイライラしちゃだめだ、と思うほどどんどんイライラが積もり積もって最後にカッと爆発して叩いてしまっていました。叩きたくないと思って我慢していたことが、わたしの場合は逆効果でした。なので、まず我慢しないようにしました。我慢しないようにするために、こまめに怒りを表すようにしました。子どもの些細ないたずらにピリピリするのは大人げないかなと思って自制していたのですが、その躊躇いは取っ払いました。「ちょっと!」とか「もー!」とか、感情不安定かな? ってくらいこまめに怒っています。


②人に相談した。

 常にご機嫌で居たい、夫に心配をかけたくないと思って、ほとんど愚痴を言っていませんでした。それでも、我慢の結果子どもを叩いてしまうほうが問題だと考えて、少しずつ愚痴を言うようにしました。初めはとても抵抗がありましたが、夫は話をきいてくれました。夫に「衝動的に動いて、もし子どもに怪我させたとき、悲しくなるのはぴーだと思う」と心配してもらって、救われました。その言葉をもらった瞬間に、いちばん心の底に溜まってた澱がとけたと思います。


③ストレッチした。

 毎日10分くらい、自分が気持ちいいと思うくらいの体操と筋トレしました。これが、わたしにはテキメンに効きました! キレるレベルにまでイライラが至ることが激減しました。ストレッチを忘れると露骨に体が重くてイライラの導火線が短いのです。自分は身体が弱るとメンタルも引きずらやすい人間なのだと気づきました。子どもに向き合わない、自分ひとりの時間を持つということに意義があるのかもしれません。


④いっぱい寝た。

最強。


⑤イヤイヤを解決するのをやめた。

 子どものしたいことや要求を出来ることはなるべくきいてあげたい、とは思っていますが、危険なことだったり大事なものだったりしてそれが出来ないことはよくあります。

優しく「ごめんね、これはだめだよ。あっちやろうか」と諭したり気を逸らしたりしようとしても、「やだ!」「やるの!」「したくない!」と子どもに真っ向反論されると、ついイラッとしてしまって「やだじゃないよ!」「わがまま言わないの!」などと喧嘩してしまいます。でも、これは逆効果で、こんなふうに喧嘩になってしまえばもう最後にはギャン泣きで、言葉が通じなくなっていました。

そこで、自分の中で子どもの「イヤイヤ」を捉え直しました。子どもは前頭葉が未発達で感情の制御ができないので、いつまでも同じ主張を繰り返したりします。でも、いままさにイヤイヤしながら、その感情の制御を学ぼうとしてるんだ、と考えるようにしました。

 「〇〇したい!」という主張に真正面から向き合って解決しようとすることを(なるべく)止め、「そっか、〇〇したいんだね」「できなくて悲しいね」と傾聴するようにしました。(グズりが交渉に有効だと学んでほしくないのでこちらの結論は変えません)

 解決しようとしない。相手の感情を受け入れて共感するだけ。そうして傾聴していると子どもはだんだん落ち着くようになってくれました。今では、うわーん! と泣くことがあると、私の手を引いて自分から別室に行って抱っこを要求してきます。自分で落ち着こうとしてくれるのだと感じます。


(おまけ)目線を同じ高さにした。

 手が出るときはいつも必ず子どもを物理的に見下して、目線の高さを合わせていないときだったと思います。子どもがワガママを言いはじめたら、なるべく目線を合わせて話をするようにしています。実は、膝を折るというのは意外と面倒で、でもそのワンクッションがイライラと感情の爆発が直結するのを防いでくれるような気がします。

 目線を合わせて話すと子どもの感情が少しでも伝わってきます。大人がイライラしてるの分かってて少し怯えてる、とか、まけないぞ、と思っているとか。そのことが少し自分を冷静にしてくれるような気もします。



いつだったかNHKの「すくすく子育て」で見た「相手は二年しか生きていませんから」という言葉もよく思い出します。自分は二十数年生きて、色んな経験もして、こういう場合はこうしたほうがカドが立たない、とかそういうことを無意識的に選択しているけれども、そんなこと二歳児に説明してもわかりようがありませんよね。

 たしかにしつけとして、子どもに自分の身を律する方法を身につけさせることは必要だと思います。けれども、相手の精神を制御させようとするなら、まずは年長の自分がそれ以上に自分の精神を制御するべきで、あわよくば、その背中を通して子どもが自ずからしつけを学べばサイコーだなと思います。


ちょっとしたことで、自分の機嫌は案外よくなる。
どんなとき、どんなことをすると自分は嬉しくなるのか。
どんなことがあると、ご機嫌になれるのか。
自分の心の一番近くにいるのは、他の誰でもない「自分」だから、自分を楽しませる方法をいくつか持っておきたいな。

じぶんの機嫌をよくする方法  岡本真帆(まほぴ)  さん より。


ですね。大人なので自分の機嫌は自分でとりたい。冷蔵庫にハーゲンダッツいっぱい常備しよう。


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