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【左様なら】都落ち/ヨルシカ(ギターコード譜あり)





今、左様なら 僕は都落ち



2023.4.5 Release
ヨルシカ画集『幻燈』に収録された
「都落ち」のMVが公開されました。




今回は、都落ちの考察及び弾き語り用のコード譜を付けて
記事を書いていきます。
※コード譜は耳コピのため精度は分かりません




「都落ち」
配信をずっと楽しみにしていました👘🌸🇯🇵
音作りが素敵で、春の終わりにぴったりのサウンドです。
(夏の乾いた空気さえ感じる)

細かいビブラートと、要所に入る裏声とこぶし。
透き通る声が余韻で残るブレスアウトが大好きです。


古典的な言い回しにも注目して聴いてみてください。



都落ち





都落ち:
平安時代や江戸時代において、
身分の高い者が自主的に都から離れ、田舎に移り住むことを指します。

貴族や武士などが政治的な不満や私的な理由から都落ちすることが多かったとされています。

また、都落ちをした者は、財産や家格を失うことが多く、生活が苦しくなることもありました。


音作りからも感じられますが、
元となるのは平安時代から江戸時代にかけてですね。

いつの時代も「別れ」があります。


左様なら


どんな別れが描かれているのでしょうか。







恋心は波のように押し寄せては消えた





別れを前に、思い出す。


海辺に佇む貴方、

赤い花が咲き、水面に反射した。




明日には、都を離れる。


綺麗な鼻歌に誘われたのか、
海岸の海猫は「キーキー」と泣いている。


君にも『別れ』が分かるのかい?


日が沈み初め、
夏の風に包まれた貴方の影が伸びている。

別れの時間が近づくと共に、僕の心も少しずつ沈んでいた。






もう夜だ。
明日にはもう、僕は往くんだな。



「あの時に戻りたいな。」


二人で見た、春の花。


水面に反射して赤く映る。

夜になり、左様ならの時間、
貴方は決まって、水際から手を振った。





旅立つ日は、朝焼けが綺麗だった。


「キーキー」


と、また海猫が鳴いた。


別れの挨拶でもしているのか?


ちょっとおかしくなって隣の貴方をチラリと見た。







貴方も泣くんだね






左様なら。






「ピュー」


と笛が鳴り、舟は遠くの街へと出発した。


都を離れ、

今聞こえるのは、

波の音と飛ぶ鳥がパタパタと羽を動かす音だけだ。



都は、思い出は、

水に流れ落ち、僕は憂いに満ちた。


しかし、それと同時に、

貴方を思い焦がれる気持ちは、

海を渡航する舟のように大きく広がっている。






僕は、


気づいたら筆を手に取っていた。


募る思いを書き留めたかったのだ。




思いを込めて手紙を書こうと思ったが、

手元が惜しくて、書けやしない。


別れの後になって、伝えることに躊躇した。


「伝えてもいいんだろうか。」


筆が進まない。



大切な気持ちを、思い出と共に仕舞い、
僕の身体は舟で運ばれていく。




都を出て、数日が過ぎた。

「貴方は僕を忘れてしまっただろうな。」


記憶の中に置いてくれるだけでもいいんだ。





もう少しで田舎に着く。




貴方への恋心も薄れてきたようだ。

貴方を思い、赤らんだ頬が懐かしいな。


波の様に押し寄せた恋心も、

次第に引いて、

散った花びらのように消えていった。





水際で手を振る貴方を思い浮かべ、


「左様なら」


と呟き、新しい街へと足を踏み入れた。




現代語訳



旅立ちを前に、貴方が恋しくなった。

波が押し寄せるように思いが募っていたが、


次第に消えていった。


このようなニュアンスでこの曲を解釈し、
上記のようなストーリーが出来ました。


面白い言葉遊びや、ワードのチョイスがあったので、

少し解説をしていきます。
(あくまでも私の解釈です)


花咲くや 赤ら引く頬に
さざなみ寄るは海

「花が咲いて、
赤く染まる頬に海のさざ波が寄り集まる」


直訳は上記になるかと思います。

MVでは夕焼け空が綺麗でした。
水面に反射した赤が、頬に映った、という解釈で進めました。


心なし乾いたら別れの時間だぜ
夏風揉まれて貴方に浅い影

「心なし乾いたら」とは古文の表現で、
「心が少しずつ乾いてきたら」という意味になります。

「心なし」とは、「少しずつ」という意味であり、

「乾いたら」とは、「心が萎えた」というニュアンスが含まれています。

このフレーズからは、「気持ちが沈んでいる」「元気がない」という感情が伝わってきます。


「夏風揉まれて」とは、
夏の風に吹かれて、体や髪の毛が揉まれるように動くさまを表現した句です。

身体的な感覚や心境を表現する際に用いられる表現です。

浅い影=時間が経過していることが分かります。

日が沈むと同じように、
別れを思い気持ちも沈んで行った、と言う訳をしました。



さらり花咲くや あから引く頬に
さざなみ、夜は海


夜は海

ここでも時間が経過していることがわかります。

また寄るは海 にかかった表現ですよね。


昔見た海を思い出し、夜には決まって、
「またね」と交したのが思い浮かびます。

時間経過を主軸に
上記のような情景をイメージして訳しました。


人里離れて鳴る音は向かい波
飛ぶ鳥は遠くへ明日から向こうまで

「人里離れて鳴る音は向かい波」とは、
「人の住む地から離れた場所で聞こえる音は、向かいの海の波の音だけである」という訳し方をしています。

人里離れた自然の場所で聞こえる音が、
その場所の一番の特徴であり、
その中でも海の波の音が強く感じられるということを表現しています。


舟はどんどん進み、都を離れ、
孤独や寂しさを感じる「僕」の気持ちに寄り添いながら
訳しました。



水に落ち流れやがて憂き
貴方に焦がれる舟は海


水に落ちた物は、
流れ去っていきやがて嫌な出来事につながることがある、という訳です。

現在の状況に過去の出来事が影響を与えることを暗喩しています。

それと同時に、
貴方に思いを寄せる人々が海を航行する船のように、
慕いの気持ちは果てしなく大きく広がっています。

つまり、「水に落ち流れやがて憂き」は
負の意味合いを持ちますが、
「貴方に焦がれる舟は海」というフレーズは、
積極的で前向きな意味合いを持っています。

そして、舟が浮く=憂く

浮く と言う言葉に心情をリンクさせている表現が面白いですね。


舟 と言うキーワードを主軸に、心情を代弁しながら
訳しました。



惜しみ書く指は思う丈ばかり
散る思い出は波か都落ち


「惜しみ書く指は思う丈ばかり」とは、
思いを込めて手紙を書く時に、
手元が惜しくて思い切ることができないという姿を表しています。

手紙に書く言葉に思いが込められている様子を表現しています。

そして、
散りゆく思い出は波のように絶え間なく流れ去っていくものなのか、
あるいは馴染み深い故郷が失われていくものなのかを暗示しています。

哀しみや切なる思いを表している詩句でもあります。


気持ちを伝えようにも、大切すぎるが故に、
簡単には伝えられない。

その思いは仕舞っておこう。

と言うニュアンスで訳しました。

一番好きな歌詞です。



恋ふらくはあから引く頬の
寄せ消ゆ波の花



「恋ふらくはあから引く頬の寄せ消ゆ波の花」とは、
恋をしているときの心情を波と花にたとえて表現しているんだと思います。

「あから引く」という表現は、恥じらいや照れなどで顔を赤らめ、手で頬を隠したりするさまを指しています。

恋心が薄れると、頬に手を当てて引き下げたような様子があらわれます。

また、その恋心は波と同じように押し寄せるように現れて、
花びらのように消えていくと表現されています。

つまり、恋心が薄れると、顔に赤みが引き、
手を下ろしてしまうように、
恋心も次第に消えていってしまうのだろうという意味が含まれています。

また、「寄せ消ゆ波の花」は、
波が寄せては引くさまを、恋心の消えゆく様子になぞらえた表現になります。



後になって知りましたが、
歌のモチーフになっているのは、

『万葉集』第2巻 116番歌 だそうです。


人事乎 繁美許知痛美 己世尓 未渡 朝川渡
⇒人言を繁み言痛みおのが世にいまだ渡らぬ朝川渡る


人の噂があまりに多く煩わしいので、
私がいままで一度も渡らなかった
夜明けの川を朝、渡たります。


これを踏まえると、

ちょっと難しい……😌




コード譜





G  Asus4    Bm7        G
花 咲くや 赤ら引く頬に

  Asus4     Bm7
さざなみ  寄るは海

     G  Asus4    Bm7           G
貴方は水際       一人微笑むだけ

Asus4    Bm7    G  Asus4
今、    思い出に僕は    都落ち


(  G   Asus4  Bm7 )×4


G       Asus4 Bm7
鼻歌、綺麗だ ね

G            Asus4   D   Bm7
明日には往くんだぜ

  G    Asus4 Bm7 Bm7
海猫が鳴いた ね

     G    Asus4 D  Bm7
鳥でも泣くんだ ね

  G    Asus4 Bm7      G    Asus4   Bm7
心なし乾いた ら     別れの時間だ     ぜ

  G    Asus4 Bm7 G  Asus4   Bm7
夏風揉まれ    て貴方に浅い       影




        G Asus4      D      Bm7     G
さらり花咲くや あから引く頬に

  Asus4    Bm7
さざなみ、夜は海

     G  A     G/F# Bm7     G Asus4
貴方は水際一人手  を振るだけ

      Bm7 Bm7 G Asus4   G
今、思い出に僕  は    都     落ち

 Asus4  D   Bm7

G   Asus4  D   Bm7

G Asus4 Bm7

G Asus4   G/F# Bm7



     G      Asus4    Bm7
朝焼け、綺麗だ       ね

       G    Asus4   D  Bm7
舟はもう発つんだぜ

   G     Asus4    Bm7   Bm7
海猫が鳴いた       ね

     G     Asus4    D   Bm7
貴方も泣くんだ     ね


  G  Asus4  Bm7  Bm7
人里離れ       て

     G      Asus4      D    Bm7
鳴る音は向かい       波

     G    Asus4   Bm7  Bm7
飛ぶ鳥は遠く       へ

        G    Asus4    G/F#  Bm7
明日から向こうまで

     G   Asus4 D  Bm7
水に落ち流れやがて憂き

    G     Asus4 Bm7
貴方に焦がれる舟は海

      G     Asus4  G/F#   Bm7     G
惜しみ書く指は   思う     丈ばかり

Asus4    D                Bm7        G    Asus4
散る        思い出         は         波か

   G      Asus4    Bm7   Bm7
都落ち

G   Asus4  D    Bm7


G  Asus4 D  Bm7
都  離れて 舟  進む

G   Asus4   D    Bm7
水は流れて    時もまた

G   Asus4 D      Bm7
僕は貴方の思い出に

G     Asus4   Bm7   Bm7
ただの記憶に

G     G     Asus4    D/F#    Bm7
(G     Asus4     Bm7    Bm7)×3


G    Asus4    D        Bm7    G
恋ふらくはあから引く頬     の

  Asus4  Bm7    Bm7
寄せ消ゆ   波の花

    G  Asus4   D      Bm7      G   Asus4
貴方は水際    一人微笑むだけ

     Bm7      Bm7       G      Asus4  
今、思い出に僕は   (単音verはお問い合わせください)

Bm7            G Asus4     D      Bm7   G
    さらり花咲くや あから引く頬   に

D             Asus4       Bm7
さざなみ、夜は         海

     G  Asus4     D      Bm7    G
貴方は水際        一人手を振るだけ

Asus4   D    Bm7       G  Asus4      G
  今、左様なら       僕は             都落ち

(G   Asus4   Bm7   Bm7)×3

G   Asus4   Bm7




なんかきまぐれで、Dコードいれてます
(Asus4でいいです。)

G/F#も入れたくなったので入れました






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