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たま神さま#7

たま神は次の日はオープンと同時に来た
小さめの西瓜2つを手土産にして
わたしはペイ釣りケースケと言うミュージシャンと久々の再会もあって
昼から飲んでいた
たま神は羽振りよくわたしたちの追加のビール代と自身のビール代あわせて2000円出すと
「はるきさん お釣りはいらないよ」と言い放った
似合わねーぞたま神よ
たま神は斜向かいのホルモン屋で、牛ホルモン盛合せを1000円分買ってきて振る舞った
「まだなんか食べたいですか?」と聞かれてペイ釣りが「香港の豚天」を食いたいといえば
近場の中華屋香港から豚天、かしわの唐揚げ、海老天、餃子をテイクアウトして我々に再度振る舞った。
「今日は羽振りがいいな」
「なんかあったのか」聞いてみたら
西成の泥棒市で拾ったギター3本を1本、2000円で販売した
全部売れて6000円、その他の商品も売れて10000円以上の売上になった
「はるきさん!!ゴミが10000円になるんですよ!!」
この時の語気は非常に強い
「はるきさん 宵越しの銭は持たないんですよ」
上機嫌にたま神は言い放っていた
非常に楽しそうだったので、頭を一発はたいて踊らした
ペイ釣りが店のTシャツを欲しいとなり金額は2000円だった
ペイ釣りも1週間程、東京から大阪で軽めのツアーをしてきて小銭を稼いでいたが、ここに来るまでに飲み代で消えてしまい、手元には350円しかなかった
どっちもどっちだなーと思っていたら、初対面のペイ釣りのTシャツ代2000円をたま神が支払うとなった
たぶん全財産だったのだろう
千円札と小銭でちょうど2000円支払ってくれた
ペイ釣りは上機嫌だった
たま神は「はるきさん 気持ちですから」と言った
たま神よそれはやりすぎだぞぃ

続く

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