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ただしい座りかた

ただしい座り方について、考えていきます。ただしいかどうかの基準は、快適に過ごすことができているかどうか。美しさがあるかどうか、になります。

彼は、わたしが床に座って疲れているようだから、疲れずに座れるような床のうえの「場所」を見つけることが先決だと言った。わたしはそれまでひざを胸につけ、すねを抱いて座っていた。彼にそう言われて、わたしは背中が痛み、ひどくへたばっていることに気づいた。(ドンファンの教え/カルロス・カスタネダ)

子供時代の体育の授業などでおこなわれる体育座り(三角座り)は、骨盤を丸めてしまいがちになる良くない座り方です。

「ひざを胸につけ、すねを抱いて座って」しまうと、胸は閉じてしまいます。背中は、長く突っ張った状態です。反対にお腹の辺りは窮屈になり、胸は閉じてしまっています。呼吸は浅くしかできませんし、内臓の動きも悪くなります。

また、背中が丸まった状態で、前を見ようとするとどうなるでしょうか。首の後ろが詰まってしまいます。結果、あごを突き出したような良くない姿勢になります。そのような状態で頭を支え続けることで、首の後ろ側の筋肉(後頭下筋群)は緊張をし続けたまま固まってしまうでしょう。脳に対して血液を送る通り道(椎骨動脈)の血流量も悪くなってしまいます。それによって、気持ちも憂鬱になるかもしれませんし、ぼんやりとしてしまったり、思考も凝り固まった状態になってしまうかもしれません。

頭の重さは、約5kgあります。人によってはもう少し重たくなります。その重さが身体の中心軸に近ければ近いほど、背骨は余計な負担がかからないで快適な状態でいることができます。頭の位置が前に突き出れば出るほど、余計な負担がかかってしまいます。どんな姿勢でも、頭の位置がどこにあるのかを考えることは、とても重要なのです。

だからと言って、頭の位置を良くしようと努力しても多くの場合はうまくいかないでしょう。普段の位置から変えるために、また首に余計な緊張をさせてしまうことがほとんどです。目を向けるべきは、首ではなく、骨盤になります。骨盤の床や座面に対しての角度が重要なのです。その角度を無理なくより良くするポイントは、「股関節の受け入れ」を意識することになります。椅子に座るにしても、床に座るにしても、この「股関節の受け入れ」がおこなわれていることが、とても重要になります。

「股関節の受け入れ」られた状態とは、太ももの骨(大腿骨)が骨盤にある股関節のソケット(寛骨臼)にうまくはまっている状態を指します。反対に受け入れられていないと、坐骨を立てることができず、骨盤も丸まってしまって、猫背になってしまいます。

きれいに(楽に)座りたいけれど、「骨盤(仙骨、坐骨)が立たない」と気になっている人は少なくありません。そんな人たちは、無理に良い姿勢を作ろうと、腰を突っ張らせて反り腰になってしまいます。それは無理をしている姿勢なので、時間が経つと余計にしんどくなってしまって、長い時間その位置には留まってはいられないと思います。

椅子に座っている場合は、足幅が広くなると「股関節の受け入れ」は難しくなります。肩幅ではなく、骨盤幅で座ることで股関節の受け入れは容易になります。足幅(膝の位置)に注目して、まずは椅子の上で「股関節の受け入れ」を意識してみてください。その状態だと、以前よりも骨盤は立ちやすくなるはずです。すると、頭の位置もより中心軸に近い位置に自然と移動されます。首が以前よりは楽になることを感じることができるはずです。




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