見出し画像

ミネソタ州のソマリア人

How one small city is responding to a huge influx of Somali-Americans

<内容>

アメリカはミネソタ州中央部、人口約7万人のセントクラウド市には、多くのソマリア系の人々が住んでいる。戦乱が続くアフリカから難民として来た人もいるが、多くは職を求めてアメリカ国内から移住してきたソマリア人である。

ソマリア系アメリカ人は、今では人口の5%を占めるまでになり、ソマリア料理レストランやカフェその他の商店や、多くがイスラム教徒であるためモスクも作られて、一大コミュニティを形成している。しかし彼らの多くは他の周辺住民に比べて収入は低く、教育も行き届いていない。

また、この小さな街にもトランピズムの影響は表れており、ソマリア人コミュニティに露骨な反感を示し、差別をあらわにする白人層もいる。分裂するコミュニティに、いつか和解の時はくるのだろうか。

<note主コメント>

今も戦乱が続くソマリア。映画「ブラックホーク・ダウン」では、ソマリアの内戦にアメリカが介入し、最新鋭の兵器に身を固めたアメリカ軍兵士が、肩から銃を下げた普段着の民兵に取り囲まれて、にっちもさっちもいかなくなる様子が描かれていました。

トム・ハンクス主演の映画「キャプテン・フィリップス」は、ソマリアの海賊問題について描いた映画でした。金品目当ての海賊には冷静に対応していたフィリップス船長が、アメリカ軍が突入してきたとたん、もう恐怖しかなくなるのが印象的でした(少なくとも私にはそう見えた)。突入されちゃったら海賊全員射殺(うっかりついてきちゃった未成年含む)決定だし、へたすりゃ船員も死にますからね。

このように、ソマリアを始め戦乱が続いているアフリカの国は多いので、アフリカと言えばネガティブなイメージだったり、「部族同士の争いだからどうしようもないよね」とか思われがちなのですが、実はそれは誤解で、アフリカ諸国の戦争は、ヨーロッパによる植民地支配の歴史と、欧米諸国による資源搾取に原因があるんですよね。

最近、コンゴに関する本を読んだのですが、スマホやパソコンに使われているレアメタルが豊富なコンゴでは、レアメタルが取れる鉱山をめぐって紛争がやまず、虐殺や集団レイプが頻発しているのです。そのようにして得られたレアメタルで作られたスマホや電子機器を次々と消費しているわれわれ日本人にも、決して無関係ではない話です。

話がそれましたが、この記事に限らず、移民は経済的に好影響をもたらすので歓迎すべき、というのがエコノミストの見方のようです。移民がその国で働けば当然税金は収めますし、その土地で家賃や消費税だって払うわけです。移民の多くはレストランや個人商店を営んだりして、その土地に新しいビジネスも誕生させます。

日本でも、最近はおいしいインドやネパールのカレー屋さんが増えましたよね。手作りでしかも安い。中華料理屋さんだって、中国人シェフのいるお店はおいしいですよね。韓国料理も、日本にいながら本場の味が楽しめるようになりました。食いしん坊の私は、それだけでも移民歓迎です。

*週に一本、ゆるゆるとエコノミストの記事を読んでいるので、週一ペースで更新します。次回はどんな話題になりますやら。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?