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ジェレミー・コービンはそろそろ限界? どうなる? イギリス労働党

12月12日に、イギリスでは総選挙が行われることに決まりました。ボリス・ジョンソン首相が率いる与党民主党が無理ムリなEU強硬離脱説を唱えていて、こんなときは野党に頑張ってもらわないと困るのですが、イギリスの最大野党労働党の今の党首はスターリンまがいの極左思想の持主ジェレミー・コービン。こんな人が党首では、今度の総選挙で労働党が勝てるとは思えません。というわけで、どうするの労働党? という記事を読んでいこうと思います。

エコノミスト 2019年9月28日号
Bagehot: After Corbyn 
コービン氏を支える運動団体「モメンタム」の長であるジョン・ランズマンは、労働党副党首トム・ワトソン氏を解任しようとして失敗した。労働党左派がワトソン氏の首をはねようと目論んでいることは隠しようがない。

イギリスの政治はこれまで、ざっくり言うと民主党と労働党の2大政党が交互に政権をとってきました。政治が右や左のどちらかに傾きそうになると、それに対抗する党が政権をとることによってバランスが保たれるという、比較的健全な政治の在り方です。

一般に民主党は右派、労働党は左派と言われていますが、労働党内にも右派と左派があります。ジェレミー・コービンは極端に左寄りな思想の持ち主で、コービンに同調する労働党員は実はそんなに多くありません。副党首のトム・ワトソンは中道穏健派の人物で、コービンにとっては目の上のたんこぶ。なのでコービン派の人々は、ワトソンをお払い箱にしたくてたまりません。現在70歳のコービン氏に何かあった場合、自動的に副党首のワトソンが臨時党首になって次期党首を選ぶ権限を持ち、穏健派に党首の座を奪還されてしまうからです。

労働党の平均支持率は25%だが、権力の座につく与党になるには低すぎる数字だ。
党員の大半を占めている労働党内のEU残留派は、EU離脱に対するコービン氏のどっちつかずの姿勢に業を煮やしている。

民主党の支持率が30%前後とのことです。今は右派か左派かというだけでなく、EU離脱か残留かで世論が分かれていますが、民主党支持者はEU離脱派、労働党の支持者は残留派が多いので、労働党内で権力を握ろうと思ったら残留派の立場でないと不利です。ところがジェレミー・コービンは自らの立場を明確にせず、EU離脱については国民投票に委ねると言っています。実はコービンはEU嫌いなのですが、それを言うと労働党内で立場が弱くなるので、のらりくらりしているわけです。

(イギリスを社会主義国家にするという)「コービン・プロジェクト」は、コービン氏一人ではなく、2人の男によって動かされている。影の大蔵大臣ジョン・マクドネルは、68歳という年齢にもかかわらず、あらゆるところで存在を示し続けている。

「影の」大蔵大臣って何かと思ったら、野党側の政治的ポジションのことをshadowをつけて「影の~」って呼ぶんですね。日本は事実上の一党独裁だから、そういう概念がないですけど。

ジョン・マクドネルもコービンと考えを同じくする人物ですから、コービン派としては、コービンが失脚した場合はマクドネルを次の党首に据えたいわけですよね。そしてコービン・プロジェクトを引き続き推し進めようというわけですが、イギリスを社会主義国家にするってあなた、それはいくらなんでも極端すぎます。そんなプロジェクトが国民の支持を得られるものでしょうか? はなはだ疑問ですよね。

これに反して、党の中間層はこのプロジェクトをほとんど支持していない。
労働党の穏健派は、(コービン派よりも)労働党党首の後継者となるべきよい人材をたくさん抱えている。
コービン氏の台頭によって、労働党は第二次世界大戦以来の例を見ない分断に陥っている。氏が突然辞任するようなことにでもなれば、混迷はますます深まるだろう。

極左コミュニスト思想のコービン氏が、リーマンショック後のどさくさにまぎれて若い党員に金をばらまくなどの策をめぐらしたりして党首の座についたおかげで、労働党内はすっかり分断されてしまいました。こんな人が党首では国民の支持が得にくく労働党の支持率が下がる一方なので、コービンが失脚に追い込まれる可能性は小さくないと思われます。その後継はどうなるでしょうね。

さてみなさんは、EU離脱問題のベストな解決策は何だと思いますか? イギリスはEU辞めないほうがいいと思いません? イギリス首相には、EU離脱をキャンセルする権限があるそうです。今のボリス・ジョンソン首相はゴリゴリの離脱派ですから、どうにもなりませんね。アホやし。国民投票をしたって、また前回と同じ結果になる可能性が高いと思います。国民ってアホやし。となると、野党労働党の残留派の人に首相になってもらって、離脱をキャンセルするのがいちばんよい解決策だと思います。てか、もうそれしかありませんがな。

というわけで、労働党には早く中道穏健なまともな政党に立ち返ってもらって、まともな人に首相になってもらいたいものです。

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