るせる杯の桃鉄チームで記録係を担当して行ってきた活動内容


始めに

 第三回るせる杯、大会運営のるせるさん並びに恋歌さん、そして対戦した各チームの皆さん、お疲れさまでした。楽しい大会でしたね。私の所属する桃クロチーム(艦これ桃クロワールド ~世界は大和で回ってる!~)は運に恵まれず残念ながら良い戦績を収める事は叶いませんでした。次回の開催に向けてまた一段と強いチームとなって挑戦することになるかと思います。
 さて、私はこれまで3回に渡り るせる杯において桃鉄チームの記録係を担当してきました。裏方です。 大会走者がどういう事を行うかは大会当日の放送や、大会後に行われる振り返り放送、そして今大会では出走レポートという形でまとめられている方も多く、それらを通じて知ることが出来ます。一方で記録係が何を行っているかは表に出ないので知らない方も多いのではないでしょうか。そこで良い機会なので、私が桃鉄チームでどういった活動を行ってきたか記そうと思います。

記録係とは

 記録係とは、ニコニコ生放送、YouTubelive等で走者の生配信を視聴できる環境を用意し、走者の各担当海域の出撃と母港帰投の時間を記録する係です。言ってみればこれだけの話であり、チームによっては専任の記録係を置かず走者が記録係を兼任する場合もあります。
 しかしながらチームの一員として参加するからにはチームに勝利して欲しいですし、記録係の本来の仕事以外にも編成構築やルート調査、戦闘時の戦況分析などの面でサポートを行い勝率を引き上げていくことが可能です。チーム側からもその辺りのサポートを期待されて参加を打診してきたのだと思います。

Q1:記録係って具体的に何する人なの?
⇒こちらで用意したスプレッドシートに各チームメンバーのx-1の「出撃開始時間」とx-5でSを取って母港に帰ってきた「帰投時間」を自分のチームのところに入れてもらうのが主な仕事になります

第三回るせる杯大会概要より

走者が主役です

 各種サポートを行っていくにあたり自分に定めた基本原則は「走者が主役である」ということ。ルート条件や艦隊編成、どの艦を選定するかと言った作戦面は実際に出走するメンバーがチームの作戦方針に従って決定し、私はそこはなるべく尊重するよう注意しました。
 私からは作戦方針の範囲内で勝率の向上やタイム短縮に繋がる修正案を色々と提示していきましたが、その採否も走者側の判断にお任せです。


大会前の作業内容

各走者の編成のチェック

 チームの打ち合わせは基本的にDiscordで行ってきました。各海域で使用する予定の編成案、および海域担当走者の艦隊・装備晒しのデータが提出された段階で編成のチェックを行っていきます。まずは基本的なところから、

  • 進撃ルートは予定したルートを通るか、策敵逸れは発生しないか

  • 余分な演出時間を要する特殊攻撃は最小限に抑えられているか(戦爆連合カットインや夜戦カットイン)

  • 意図しない対空カットインは発生しないか

  • るせる杯開催までの期間に追加された新システムが編成内容に反映されているか(例えば補強増設の搭載装備の種類はゲームシステムに順次追加されますので編成検討から漏れやすい)

  • 走者の保有装備は過不足無く各マップの編成に配分されているか。足りなければ実走時に装備入れ替えが必要になりますし、余っていれば有利な装備構成を見落としていることになります

  • 特定の装備において装備ボーナスが発生する段階まで改修が進められているか。12.7C改三は火力+1される☆8までは改修したいですね(しんど)。他にも おめ~なんで熟練甲板要員+航空整備員を☆4で止めてるんだ何とかしる!👹(誇張した表現)といった修正案を出していました

これらの内容は編成案の段階でチェックできます。全海域の編成データを点検しました、大変だった!  ルート条件で明確ではないものついては実地に出撃して調べてもいました。
※攻略wikiに記載されている海域5-4中央ルートの大発動艇系の条件は不足していて、武装大発や一式砲戦車は大発系に該当し、AB艇は該当しません。去年の話だけれどwikiは修正されていないですね。ルート条件は中華wikiやKCnaviなど複数ソースを併用して検討するのが良いです。

5-4中央ルート、大発動艇系の該当装備調査

 装備ボーナス適用の抜け・漏れチェックは主に制空権シミュレータで行っています。制空シミュの装備ソートは優秀で、装備ボーナスや改修効果を加算した火力順でソートしてくれるので選定が容易です。艦隊作戦室では装備ボーナスのある装備を水色枠で強調表示しますが、改修段階に応じて装備ボーナスが変化する装備には対応していないので選択漏れが発生しやすい。※ 下の画像の事例は雪風改二に10cm連装高角砲+高射装置を積む場合

装備ボーナス表示の比較例。艦隊作戦室(左)と制空権シミュレータ(右)


試走時の戦況確認と修正案の提示

 各海域の試走を見て、編成が意図した通りに機能しているかをチェックしていきます。ルート条件は正しいか、余分な演出は発生しないか、戦闘が長引いてしまう場所はあるか、道中撤退のし易さはどうか、etc。どのチームも行っているかと思います。まさか試走無しで本走するなんてそんな訳。
 問題があれば修正案を検討し、良い案があれば提案していきます。ここでの検討は主にKanColle Sortie Simulatorを用いて、変更前後の勝率や道中撤退率を見て判断しています。なお本記事で私からはシミュレータの使い方の説明はしません。CC_jabberwockさんが解説記事を書いてらっしゃるのでそちらを参考にするのが良いと思います。

 KanColle Sortie Simulatorの使用時の注意点を一つ。編成を変更しても勝率や撤退率に大きな差が生じず、見かけ上は変更の効果は無いと判定してしまう場合があります。変更の効果がシミュレート結果のバラツキに埋もれてしまうのですね。モンテカルロ法シミュレーションというのはそういうものなのです。
 対策はシミュレータの計算回数を増やすことです、デフォルトは1万回/試行ですが5万回/試行まで設定できます。下に示す計算回数ごとの出力結果の比較で分かるように、5万回/試行まで増やすとバラツキの少ない安定した結果が得られます。うちのPCでは設定5万回の場合にシミュレート実行時間は20秒ぐらい掛かる、速いPCがあればより快適です。なお制空権シミュレータも計算回数を増やせば実行ごとの出力結果バラツキを減らせます。

Sortie Simulatorの計算回数設定欄。デフォルトで1万回/試行
Sortie Simulatorの計算回数設定による出力結果バラツキの例、海域2-4ルートBLP

各種検証情報の提供

 私は艦これをプレイする中で気になったゲーム仕様は自分でデータを取って調査しています。その調査内容の中から、るせる杯においても有用と思われる情報はチーム内で共有しました。

  • 対空の装備ボーナスの噴進弾幕発動率への影響

  • 阻塞気球発動時の航空戦における被弾率

など。詳細の一般公開はもう少しお待ち下さい。
 他、るせる杯に直接は関係ないが艦隊強化を進める上で有用と思われる情報も共有していました。例えば海域3-5Jマスでは弾薬を取得でき、その弾薬取得量は持参する大発動艇などの改修度☆に応じても変化するので、装備種毎の改修効果を調べて共有しました。

海域3-5Jマス 弾薬取得量(暫定版)


大会当日の作業内容

記録シートへのタイム記入

 これは上述の「記録係とは」で説明した通りです。走者の放送に表示されるJST表示を監視し、出撃時と母港帰投時の時間を専用のスプレッドシートへ記録していきます。

タイム記入例

 なるべく円滑に記録作業を進めるために以下を実施:

  • 事前確認として、JST表示になっているか(UTC表示になっている場合がありました)

  • JST表示は画面の見やすい位置にあり文字の大きさは適切か、画面上のオブジェクトに隠れていないか

  • スプレッドシートへの記録は先ずショートカットキーの Ctrl+Shift+; で現在時刻の記入を行い、それから秒の部分だけ修正を行いました。全てを手動で入力するよりも早いし正確です。この記録手順は恋歌さんを通じて記録係全体で共有しました。 ※ ショートカットキーは環境ごとに違う。Ctrl+Shift+: のユーザーも居ました。

相手チームとのタイム差の算出と伝達

 これは今回からの取り組みです。るせる杯本走時のチーム側から見た問題点になりますが、競争相手チームの正確な合計タイムを把握しづらいため、ある時点の自チームが何位に居るのかわからないという問題があります。
 るせる杯のルールには「前走者の出走終了後から1分以内に次の走者は出走を開始してください。」という、いわゆるバトンタイムが設定されています。そのバトンタイムの長短はチーム毎にまちまちなので、ミラー放送を見ているだけでは実際の順位は把握できない。第2回るせる杯のように秒差で順位の明暗が分かれるような状況では、第7海域を攻めるか守るかの判断をする上で正確な順位とタイム差の把握が重要となってきます。
 そこで今回からの取り組み。大会運営側が用意したスプレッドシートには全チームのタイムが記入されています。そのタイムを自前のスプレにコピーして、桃鉄チームと他チームとのタイム差を算出しました。またこのスプレはチーム内で共有して各走者が閲覧できる状態にしていました。※放送内でトップと何秒差、という話が聞こえたと思いますが正体はこれ。
 まあ、実際は今大会ではトップチームとのタイム差が大きくこのシートの有効性は十分に発揮できなかった。第7海域をダイコンさんが攻め編成で攻略する判断材料にはなったと思います。

タイム差算出用のスプレッドシート

終わりに

 以上のような活動を記録係として行ってきました。結構楽しかったです!
 チームリーダーのダイコンさんを始めとする強豪揃いのチームの中で勝利に貢献できるだろうかという不安も有りましたが、ここまで何とか務まったと思います。今回は優勝したかったですが乱数の神に嫌われては仕方ない。

 今後について…。第4回るせる杯も予定されているようですが、次回は私は参加しません。去年に提督経験値がカンストしたことによりランカーを引退しました。よって今後は新しい装備やそれに伴う新システム導入といった最新動向について行けなくなると予見されます。そういう状態ではチームに迷惑をかけてしまうかもしれないので、第3回るせる杯を以て桃鉄チームから引退となります。

墓の民

ダイコンさん、白さん、かえるさん、ヤッシーさん、そして第3回から加入したクロさん、大会に楽しく参加できました。ありがとうございます!!
経験値上限が開放されて生還したらまた誘ってくださいね。
   以上

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