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条件付けと連想

日曜日の朝に出席している読書勉強会で、
『影響力の武器』を読み進めています。

昨日は、
「第5章 好意ー優しそうな顔をした泥棒」
の途中を読み進めたのですが、
かの有名な「パブロフの犬」に関する
記述が出てきました。

エサをやるという行為と、
ベルを鳴らすという行為。
全く関係のないこれら二つの行為を
同時に提供し続けると、
いわゆる「条件付け」が起こり、
犬はベルを鳴らしただけで
エサがもらえるものと思い込み、
よだれを垂らします。

この「条件付け」と同じ理屈で、
多くの人が無意識のうちに
誤った反応をしてしまう

というのが論点でした。

衝撃的なのが、気象予報士に対して
「天気が悪いのはお前のせいだ!」
とばかりに非難や苦情を投げかける
人がたくさんいる
ということです。

天気の良い悪いは、気象予報士が
コントロールできるようなものでは
ない
ということくらい、
冷静に考えれば誰だって分かると
いうもの。

たまたまその日、虫の居所が悪かった
だけかもしれませんが、それにしても
「雨がやまなきゃお前を撃ち殺す」
「その首、いつかもぎ取ってやる」

といった脅しを受けるというのは、
理不尽にもほどがありますよね。

(ちなみにどれもアメリカの事例。
お国柄とか、地域差というものも、
多少はあるのかもしれません。)

これは、悪い天気予報の内容を告げた
気象予報士を、その悪い予報内容と
結び付けてしまう「一般的な原理」
働くからで、その原理のことを著者は
「連合」と呼んでいます。

英語では「Association」という言葉
なので、個人的には「連想」の方が
英訳としてしっくりきます。

いずれにしても、
良い出来事や悪い出来事と関連性が
あるという、ただそれだけ
のことで、
人々は良い印象や悪い印象を
半自動的に抱いてしまう
のですね。

このことは、多くの企業がいわゆる
「セレブリティ」、すなわち
タレントや著名人を広告に起用する
理由を説明してくれます。

有名タレントや著名人の方々と、
自社の商品なりブランドとが、
ただ一緒に出てくるだけでも、
多くの視聴者がそれらの間に
関連性があると勝手に解釈し、
その良い印象が共有される

いうわけですね。

逆にそのタレントや著名人が、
万が一、不正なりスキャンダルを
起こしてしまったが最後、
その悪いイメージも関連性がある
として引き受けなければならなく
なる
望ましくない「おまけ」
付くわけですが。

多くの売り手が、こうした「連想」の
力を上手く借りようと、様々な工夫

凝らしています。

「連想」に「返報性」などの
他の原理を組み合わせて、
より強力に相手を「洗脳」しようと
する手練れ
もいます。

勿論、悪意のある売り手ばかりでは
ありませんが、何も考えずに消費
活動をしていては、知らずしらずの
うちに食い物にされる
だけ。

こうした心理的な落とし穴のことを
より多くの消費者が学び、
悪意ある売り手がのさばることの
できないような世の中
になって
欲しいと思っています。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。