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カテゴリー2位企業と組む戦略

神奈川県を中心に展開している
ディスカウントスーパーの
OKストアをご存知だろうか?
ひところ、よくTVなどでも
取り上げられたし、
近所にお店があるという方も
中にはいるだろう。

自宅から歩いて10分、自転車で
あれば5分足らずのところに
OKストアが進出してきて、
もう随分と長い期間が経過した。
徒歩2分のところにマルエツが
あるので、普段の買い物は
マルエツで済ませるし、
週1回の生協の配達もフル活用
しているが、何かのついでが
あったり、大量に買い込む
予定があるときなどは、
あえてOKストアまで足を
延ばすこともある。

OKストアの特長、それは、
なんといっても安いこと。
それに尽きる。
マルエツと比べると差は歴然。
野菜などはそこまで差が
付かないことも多いが、
肉も魚も圧倒的。
麺類も、調味料も、酒類も、
お菓子も、日用品も、
どれもこれも「ディスカウント」
を謳うだけあって本当に安いのだ。

ただ、その安さには色々と種も
仕掛けもある。
彼らは、一部プライベートブランド
いわゆるPB商品も扱っているが、
ほとんどがナショナルブランド
(NB)商品だ。
そのNB商品を取り扱うメーカーを、
上手に手玉に取って低価格を実現
している部分が大いにある。

例えば、しょうゆのカテゴリーを
考えてみよう。
しょうゆと言えば、NBの最大手は
キッコーマンである。
Wikipediaによれば、
2018年時点のシェアは28.6%で
断トツの首位。
2位のヤマサ醤油(11.7%)とは
2倍以上の開きである。

OKストアは、カテゴリーにおける
メーカーの格差を利用して、
安い価格を引き出している。
しょうゆ売場に行くと、大抵の
スーパーではキッコーマンの
しょうゆが圧倒的に広い棚面積を
占めるのが普通だ。
しかし、OKに行くと全く違う
光景が目に飛び込んでくる。
ヤマサ醤油の棚面積が
キッコーマンを圧倒している
のである。
そして、そのヤマサのしょうゆが
極めて魅力的な価格に下げられて
陳列されているのだ。

キッコーマンのしょうゆと
ヤマサのしょうゆ、
味の違いに敏感で、どうしても
キッコーマンでないとイヤ!
という人はなかなかいない。
ナショナルブランドともなると、
どこもそれなりに大規模で、
きちんとしたプロセスで良い
ものを作っており、品質の差も
出にくい。
そこを上手く突いているOKの
お手並みは、なかなか見事だ。
その分カテゴリートップ企業には
随分と嫌われているはずだが、
OK側は全く意に介していない
だろう。

私がかつて経験したのは、
カミソリのカテゴリー。
シックは日本で5割のシェアを
持っており、並べないのは
機会損失になるということを
営業担当も散々商談で説明した
ようだが、いかんせん難攻不落。
2位のジレットですら苦戦し、
とにかく価格に関して言うことを
聞く3位の貝印(10%弱のシェア
しかない)が一番広い棚面積を
占めるという、非常にいびつな
状況なのである。

2位以下のメーカーであれば、
棚面積を広く取ってあげる
代わりに価格を下げるよう
交渉することが容易になる。
価格が下がればより多く売れる
ので、我々OKはハッピー、
メーカーさんもハッピーだよね?
そして何より、安い価格で満足の
いく買い物ができたお客様が
ハッピーだよね?
そんな考え方で一貫してぶれない
のがOKストアの真骨頂。
この一貫性こそが、OKのブランドを
強固にしている源泉だ。

昨日、久々にOKを訪問して、
そんなことを考えた。
他にもOKから学べることは
多く、明日に続く(多分)。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。