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「旨み」キーワードが人気上昇

1ヶ月ほど前の日経MJ記事で、
「データインサイト」という
コーナーにおいて、買い物時の
口コミ件数が多いキーワード
紹介されていた。

昨今のインフレ状況を受けて、

1.値上がり、高い、物価高
2.割引、値引き
3.コストパフォーマンス、お値打ち

日経MJ 8月28日

といった物価高関連キーワードが
軒並み上位
を占めていたのが
大変に特徴的だ。

絶対数が多いワードに加え、
前年比で特徴的な動きをしている
ワード
も4つ程取り上げられていた。
その筆頭として挙がっていたのが、
「旨み」というキーワード。

「旨み」と聞いてすぐに思い出すのは、
やはり「味の素」
「うまみ調味料」という名前が
付いているのはご存知の通り。

以前から、「味の素は体に悪い」的な
デマがまことしやかに、あるいは
都市伝説的に流布されているが、
極めて根拠の薄い話である。
「化学調味料」という言葉も使われて
きたが、この「化学」の響きがよく
ないのかもしれない。

いずれにしても、味の素側の努力も
むなしく、一度ついたイメージは
なかなかひっくり返すのが難しいと
いうことを感じざるを得ない。

「旨み」というのは、大変に奥深い。
日本以外の国ではあまり語られる
ことのなかった味覚だとも聞く。

しかし、日本人には昔から馴染みの
深い味覚
である。
なんといっても、味噌汁の味のベースを
調えるのに、出汁の旨みは欠かせない。

さて、この「旨み」が、前年比で
1.6倍もの口コミ数
となっている。

調味料だけでなく、飲料、お菓子など幅広いジャンルの食品カテゴリーで登場、味の特徴を表すワードとして上昇した。

同上

とのことで、味の素や出汁の話が増えた
わけではなく、食品全般にわたって
「旨み」のキーワードが多く使われた

ということのようだ。

気になったので、Googleトレンド
ここ最近の「旨み」ワードの推移を
追ってみた。

調べてみて分かったのは、
「旨みハンバーグ 肉大名」という
デリバリー専門店が、そこそこ口コミを
増やしているようだということ。

そして、お米の旨みを引き出すことを
謳うアイリスオーヤマの電気炊飯器
「米屋の旨み」
の口コミと、
煮込み料理の旨みを引き出すことを
謳うティファールの電気圧力鍋
「ラクラ・クッカー」
の口コミが、
共に数の増加を牽引していることも
分かった。

記事では、なぜ「旨み」キーワードの
口コミ数が増加しているかの理由に
ついては、特に仮説すら提示されては
おらず、読者にその解釈は委ねられて
いた。

確かに、ここ2年を見る限り、
口コミのベースが上がっている。
ここ5年で見ても、ベースは上昇基調
あるのは間違いなさそうだ。

とはいえ、瞬間風速的には、何度も
今と同レベルの高水準な時期も
見受けられるので、評価が難しい。

少なくとも、メーカーが「旨み」の
ワードを商品名の中に組み込んだり、
あるいはキャッチコピーに使ったり
することで、口コミ数がかなり影響を
受けるのは間違いない。

そして、メーカーがそのような行動に
出る裏には、「旨み」のワードに
消費者が反応しやすいと信じている

ことが間違いなく影響している。

以前、日本酒好きな外国人
どんなタイプが好みか訊いてみた
ことがある。

辛口とか甘口、あるいはせいぜい
スッキリとかこってりといった答えが
返って来るだろうと思いきや、なんと
「旨口」と返ってきて驚かされた。

「旨み」は日本文化の華
こうして上昇トレンドに乗るのは
悪い話ではない。
なぜ上昇トレンドなのかは、
引き続き追いかけたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。