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販売×エンターテイメント=実演販売士

なぜかは分からないが、ふと、
「レジェンド松下」という
実演販売士のことを思い出した。
彼は、コパ・コーポレーションと
いう、実演販売を事業の軸に
据えた企業に所属している
「実力No.1 実演販売士」である。

このコパ・コーポレーションという
会社、実は東証に上場までしている
立派な企業。
直近の、2021年3月期の第3四半期
(昨年10月から12月)の財務情報を
チラッと見たところ、昨年度に対して
何と3割近くも売上高が伸びている。

利益も10%以上伸びているので、
利益率は下がっているとはいえ、
このコロナの状況で立派な業績と
言えそうだ。

「実演販売士の会社」という先入観
から考えると、きっと実演販売士の
派遣事業などが苦戦しているに違い
ないと考えていた。
確かに、実演販売士の派遣に代表
されるイベント事業は4割減と苦しい
状況だったようだが、
むしろ主力としているのは
TV通販とインターネット通販で、
これらがそれぞれ5割、4割と伸ばす

ことで、他の事業のマイナスを補って
余りある状況の様子。

先の先入観から、ついつい販売士に
ばかり目が行っていたため、
大いなる勘違いをしていた。
販売士の派遣会社というよりも、
通販会社が販売士を使って上手に
売上を上げることに成功し、
手練れの販売士を貸すことも可能と
ばかりに事業を拡げた会社

というのがより正しい捉え方だと
いうことなのだ。

通販で見事なセールストークで
売りまくるといえば、
ジャパネットたかたの高田明さんを
思い出す。
コパは、あの高田さんとは異なる
特長を持つ、極めてバラエティに
富んだ実演販売士
を取り揃えており、
各販売士のユニークな「芸名(?)」
と、特長を一言で言い表すキャッチ
コピーは、見ていて飽きない。

マーケティングの4Pといえば、
Product:商品・サービス
Price:価格
Place:売場・チャネル
Promotion:販売促進
である。
「実演販売士」というのは、
正に「Promotion」を店頭で行う
手法の1つ。

効き目は抜群だが、費用がかなり
かかる。
それゆえ、どうしても費用対効果の
高い商材、お客様の購入単価が
高いもの
に限って導入されることに
なる。

あるいは、実演する「ネタ」がある
必要がある。
販売士が実演したときに「映える」
ものでないと意味がない。
お客様にとって「!」が生まれる、
そういう「ネタ」を、開発する時点
から織り込んでおく商品が多い。
最初から、どうやって売るかを想定
して、商品の設計をすることで、
コンセプトの一貫した商品となる
ことができるのだ。

やはり、4Pは最初から一貫性を
考慮して設計することが必要

あることが、実演販売士のことを
つらつら考えることだけからも
感じられる。


以下余談だが、「実演のネタ」
つながりで、P&GのJOYという
台所洗剤がCMで界面活性剤の
乳化作用*を見せることで、
「油汚れに効く」
イメージを見事に獲得したという
話が思い出される。
どんな洗剤でも同じ効果が得られる
が、最初にそれをお客様に見せた者
勝ち、という事例であった。

*油分と界面活性剤が反応して、
パッと波紋が広がる様子。
日本では高田純次が家庭の主婦に
突撃インタビューをしていた。




己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。