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上海蟹との一期一会

なかなかの迫力のあるこの蟹は、
旬の時期の最後に滑り込みで
食することの叶った上海蟹

たまたま出張で上海を訪れた
タイミングが、旬の終わりかけ
だということで、会食の折に
幸いにもありつくことができた

のである。

過去に上海蟹を食べた記憶がなく、
旬の上海蟹を食べるためにツアーを
組んでやってくる人もいると聞いて
いたので、どれほどの美味なのか、
食べる前から期待が高まっていた。

実際に食べてみた感想はといえば、
①確かに美味しい、特にミソが最高
②しかし脚は食べるところがない
というのが正直なところ。

②に関しては、日本で食べられる
タラバガニズワイガニの脚肉が
あまりにも立派で、比較するのは
反則かもしれないが、実際専用の
スプーンを使ってほじり出しても
ほとんど食べるところがないのが
残念に感じられた。

日本人メンバーは一様に脚の部分を
キレイに食べられなかったのだが、
現地のメンバーは極めて器用に
スプーンを使いこなし、脚の部分を
恐ろしくキレイに食べきっていた

のには驚かされた。

やはり、道具の使いこなしを含め、
食べ慣れているのだろう。
現地、現場での経験が多ければ
自ずと「上手」となる
という、
当たり前のことを感じた次第。

ところで、日本人は「上海蟹」と呼ぶ
この蟹、実は上海特産ではない
上海からもう少し内陸に入ると、
江蘇州という湖がやたらと多い
地域
があって、そこの特産らしい。

「蘇州」=「水の都」という
ニュアンスの言葉をどこかで聞いた
ことのある人も多いかもしれない。
「東洋のヴェニス」などという
呼び方もあるようだ。

以前に、出張で江蘇州を頻繁に訪れる
機会があったのだが、なぜかと言えば
そこに大きな工場があるから。
水が豊富な地域というのは、
大量に水を使用する工場の立地に
当然ながら適している
のである。

豊富な資源があるところには
人が集まり、経済が動き出す

資源がたっぷりあるうちは良いが、
枯渇してくると共に発展は止まる

鉱物資源は、比較的早くに枯渇する
ことは歴史が証明するところ。
それに比べ、水資源は地球上を弛まず
循環しているので、枯渇しにくいと
言えそうだ。

とはいえ、地下水などは汲み上げすぎ
による枯渇が問題になったりするし、
水俣病や今般の福島の汚染水騒ぎ等、
水質悪化という問題も起こり得る。

上海蟹にせよ、他の蟹にせよ、
捕獲数が過剰になれば、
やがて食べられなくなる可能性

なきにしもあらず。

美味しくいただいた蟹の写真を
眺めながら、そんなことを
つらつらと考えた。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。