見出し画像

八天堂が雑誌タイアップ記事広告を打った目的は何か?

もう1年以上前になるが、広島の「八天堂」
という有名なパン屋さんのことを取り上げ、
記事を書いたことがある。

写真で見て分かる通り、八天堂がLOTTEとコラボ
商品を出しており、ついつられて買ったことを
きっかけに八天堂のことを少しばかり調べ、
倒産の危機を乗り越えて大ヒットを生み出した
経緯などを詳しく知った。

その八天堂が、『致知』2022年8月号の丁度
真ん中のページ(中綴じのホチキスが見える)で
タイアップ記事広告を出稿、展開されていた。

左下に「(PR)」と明記されているところから、これは記事ではなく広告であることが分かる。

以前、八天堂さんは『致知』の通常の記事でも
取り上げられたことがあった気がする。
「冷やして食べるくりーむパン」の人気に伴い、
様々なメディアから頻繁に声がかかり、
かなり露出している印象がある。

最初にこの広告を目にしたときは、
一瞬普通の記事と間違えた。
左下に「(PR)」の文字があるのをすぐに
見つけたので、広告だと気付いたが、
割と気付かずに普通に記事として読み込んで
下さる読者さんも多いかもしれない。

ふと気になったのは、この広告は一体何を
目的にした出稿なのだろうか?
ということ。

八天堂が広告を出す目的として想定
されるのは、
・八天堂の認知獲得
・八天堂のブランドイメージ向上
・八天堂のくりーむパン購入意欲刺激
といったところ。

『致知』の主な読者層は、比較的年齢の
高いビジネスパーソンだと考えられる。
もちろん、主婦もいれば若手のビジネス
パーソンもいて、年齢や性別といった
デモグラフィックで簡単に割り切れるもの
ではない。
どちらかというと、サイコグラフィック
即ち心理学的な切り分け方で、
自ら積極的に、貪欲に学ぶ方々
そしていわゆる保守層が多いとは
言えそうだ。

そんな読者層の皆さんにおいては、
ビジネスで成果を出している八天堂は
既に認知されている割合が比較的高い
ことが予想される。
また、パンのような比較的安価でかつ
購入頻度の高い商品の場合、売場から
遠いところで購入意欲を喚起するのは
効率が悪い

となると、ブランドイメージ向上
主要な目的としているとみて、恐らく
間違いないだろう。

『致知』は精読率が高そうだ。
会社、ブランドのリアルなストーリーを
語れば、それをしっかりと読んでくれる
ことが期待できる。
実際、社長自らが熱い想いを込めて
書いたであろう文章は、他の編集記事にも
劣らないヒントが詰まったものとなって
いる。

この記事を読んだ人が、八天堂に対する
イメージをより好ましく頭の中で上書き
してくれるであろうことは、間違いない
ことと思われる。
ただ、それがどの程度の人数なのか、
具体的な数字に落として検証することは
難しい。
ネットではそれが比較的容易にできるから
こそ、ネット広告は依然として伸び続け、
雑誌広告は風前の灯だとも言える。

ただ、こうした雑誌広告は、
いわゆる「抜き刷り」といって、
広告該当部分のみ別途印刷して
リーフレットとして使うことが出来る。
それを社員が営業活動に使ったり、
通販のお客様にお渡ししたりして
効率的に会社のことを知らせつつ、
ブランドイメージを上げるために
活用されているのかもしれない。

こんなことを書いていたら、
あの独特のくりーむパンを無性に
食べたくなってきた。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。