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AGCにおける「両利きの経営」

スタンフォード大学の
チャールズ・オライリー教授

提唱し始めたと言われる
「両利きの経営」
ここ数年、よく名前が取り沙汰される
ので、ご存知の方も多いだろう。

昨年3月の『日経ビジネス』の記事に
簡潔な定義があるので、引用する。

「主力事業の絶え間ない改善(知の深化)」と「新規事業に向けた実験と行動(知の探索)」を両立させることの重要性を唱える経営論のこと。成功を収めた大企業が新興企業に敗れ低迷する「イノベーションのジレンマ」の処方箋として、近年注目を集めている理論だ。

『日経ビジネス』電子版 2022.3.15
「両利きの経営とは?既存事業と新規事業の両立に取り組む事例を紹介」より

主力事業ばかりに血道をあげすぎると、
このVUCAの時代、突然主力事業が
「突然死」の様相を呈してしまったり、
何かしら思いもよらぬアクシデントが
起こった時に対応できない。

予め、新規事業へとピボットできる
ような準備を周到に行っておくことで、
リスクを回避し、企業の永続性を担保
しようとするわけだ。

この「両利きの経営」を学んだわけ
ではないが、自らやるべきことを考え、
もがきながら必死に取り組んでいたら、
結果的に「両利きの経営」を行っていた
という経営トップのインタビュー記事を
拝読した。

AGC(旧・旭硝子)の取締役会長、
島村琢哉氏へのインタビューである。

AGCは、先の『日経ビジネス』記事
でも、平井良典社長執行役員CEOの
言葉が取り上げられており、
「両利きの経営」のお手本として
名前の挙がる優良企業。

実は、日本企業として初めて
「両利きの経営」の事例研究として
オライリー教授の訪問を受けた
企業がAGCだったそうだ。

しかし、島村会長は理論を学んでは
いなかったことを正直に打ち明けた
ために、教授に叱られた
のだと
インタビューでぶっちゃけており、
思わず笑ってしまう。

かなりの長文にわたる記事の中で、
AGCのような大企業において、
どのように「両利きの経営」を
進めて来たのかが、ある程度の
手触り感を持って理解することが
できる。

正直なところ、かような巨大企業に
勤めたことのない我が身からすると、
全く想像の付かない、付きにくい
経営上の苦労を、幾度もくぐりぬけて
来られたことが分かった。

また、確かに「両利きの経営」こそ
学んでいなかったかもしれないが、
非常に熱心に様々な学びを積み重ね
てきたであろうことが、言葉の端々
から伝わってくる
ものがある。

殊に、最後の方に出て来る
「リーダーとボスの違い」や、
「リーダーが改めるべき20の悪癖」
といったものは、どこかにメモして
頻繁に読み返すと良さそうな内容だ。

ダイヤモンドオンラインに掲載
された下記の記事、是非一読を
お勧めしておきたい。

(紹介いただいたT先輩に感謝!)

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。