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サンクコストを潔く切れるか

サンクコスト(Sunk Cost)とは、
日本語だと「埋没費用」と呼ばれる
既に投資してしまった費用で、
たとえそこで事業をストップしたと
しても回収できないものを指します。

早めに切り捨てましょうと言われる
ことの多いこのサンクコスト、
とはいえ、切り捨てるには勇気が要る
のですよね。

ついつい、これまでにかけて来た
手間や時間を思い返すと、
「もったいない!」
「折角ここまでやったのに!」
「もう少し頑張ればモノになるかも?!」

などという思考が働きがちとなります。

こんな思考に陥ることを指して、
「サンクコストの罠」
呼ぶわけです。

この罠は、日々至るところで
我々の意思決定にチャレンジして
くる
ことが実に多いですよね。

自分自身が時間と手間をかけた
「サンクコスト」を切り捨てるなら、
まだ意思決定もしやすいのですが、
ここに同僚や部下が絡んでくると、
切り捨てる決定に至るまでの道のりが
複雑となります。

せっかく同僚がここまでやって
くれたものだから・・・
部下が一心不乱にここまで仕上げて
きたものだから・・・

そんな「情」も絡んできて、
スパッと意思決定ができない、
損切りが遅くなりかねない
わけですね。

私の仕事であるマーケティングの
界隈では、特に商品開発まわりに
おいてこの「サンクコスト」案件が
頻繁に発生します。

開発部門がこれだけの時間をかけて
くれたから・・・
プロジェクトマネージャーが関係者を
どうにかまとめてここまでこぎつけて
くれたから・・・

それでも、冷静に事実を検討して、
もうどうにもならない、
「サンクコスト」でしかない、
そうみなせるならば、
心を鬼にして切り捨てるよりほか
ありません

個人として、あるいは組織として、
あらかじめ意思決定基準を決めて
おく
ことが、対処として大変重要に
なってくるのです。

明確な撤退条件を事前に決めておき、
その条件を満たしてしまったら、
誰が何といおうと潔く撤退する
のです。

つい「情」に流されてしまいがち、
あるいはその場その場を臨機応変に
対処する傾向にある、そのような
自覚がある人であれば、特に気を
付ける必要があるでしょう。

思い悩む時間だって、
立派な「コスト」としてのしかかって
くる
のは理解できますよね。

ただでさえ「サンクコスト」の
負担が重い上に、更なる上乗せと
なるわけですから、意思決定には
迅速さが求められるのです。

どんなプロジェクトであっても、
冒頭に「撤退条件」を決めておく

いうことは、極めて重要なタスクと
言って良いでしょう。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。