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「拒否させた後に譲歩」テクニック

3連休のど真ん中ではあるが、
今日も朝から読書勉強会に参加
させてもらう。

今読み進めているのは、
チャルディーニ『影響力の武器』
社会心理学の名著中の名著だ。

読書勉強会で取り上げられて以来、
久々にじっくり味わいながら読んで
いるが、これまでにこのnoteでも
何度か復習がてら取り上げて来た
ことがある。

丁度先週に読み進めていた箇所が、
タイトルに掲げた
「拒否させた後に譲歩」
という高等テクニック。

これは、「返報性の原理」の派生的な
テクニック
として、非常に有効に機能
する内容だ。

要は、相手に何か要求を飲ませたい
ことがある場合には、
まず本命の要求よりもあえて大きめの
要求を先に依頼する
のである。
それを断らせることで、相手に
「何かお返しをしなければ」
という心理的状況を作り出し、
次にお願いする本命の要求を通し易く
することができる
のだ。

著者のチャルディーニが、自分が見事に
引っ掛かったとして、ボーイスカウトの
少年の事例
を挙げている。

見ず知らずの少年が前から歩み寄って
来て、週末に開催されるサーカスの
チケットを買って欲しいと言ってきた。
1枚5ドルである。
週末を興味のないサーカスに費やすのは
御免だとばかりに断ったら、
それでは代わりにチョコバーならいかが
ですか?と差し出された。
チョコバーが嫌いにもかかわらず、
チャルディーニは1本1ドルする
チョコバーを2個買ってやった
そうだ。

社会心理学の大家である彼自身が、
まるで魔法のように引っ掛かったと
いうこの事例が、返報性の原理の
強烈なパワー
を端的に示している。

本の中で、私がかつて在籍した企業の
例も出て来た。
新卒で入社した30年近く前のことを
思い出しつつ、それだけの長い年月が
経った今でもこのテクニックが極めて
有効に作用している
ところに、
人間の本質というのはそう簡単には
変わらない
のだと感じざるを得ない。

この本を読む度に思うこと。
いや、肝に銘じること。
それは、このテクニックを悪用する
輩に絶対に引っ掛からないように
細心の注意を払う
こと。

そして、悪用する輩に引っ掛かって
しまう被害者を、1人でも減らせる
ように、自分が出来ることを試みる

こと。

こうやってnoteに書き記して、
たとえ1人でも2人でも多くの人に
メッセージを届けようとすることも、
私の悪あがきのひとつである。

商売/ビジネスをする上で、
できるだけ多くの人に、
自らが手掛ける商品を買ってもらう
ように努めることは、
当然の責務だ。

とはいえ、買ってもらうためには、
違法にさえならなければ、
違法スレスレの手段を含めて
何をやっても構わない、
ということにはならない
だろう。

自らが責任を持って売るからには、
その価格に相応しいだけの価値を
提供する
こと。
そんな基本中の基本を、
誰もが当たり前のように守る
社会へと少しでも近付ける。
それが、私の秘かなる野望だ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。