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改革を前に進める「ハマチ戦略」

イワシはとても繊細な魚で、
獲った後に生きたまま運ぶのが
かなり難しい
そうです。
「鰯」と書くくらいですから、
本当に弱いのでしょうね。

海と同等の塩分濃度や水温などの
環境を整えても、数時間のうちに
次々と死んでいってしまうのだ
そうです。

しかし、イワシを生きたまま
運んで、新鮮な状態でさばいて
お客様に提供したいという
料理店側のニーズ
は、厳然として
存在するわけですね。

そこで、どうすればイワシを
生きたまま数時間の輸送後も
死なずに届ける
ことができる
でしょうか?

この質問を投げかけられたのは、
数週間前に参加した、
「大人の小杉ゼミ」の勉強会。

小杉俊哉先生が、俗にコッターの
「変革の8ステップ」
と呼ばれる
リーダーシップのプロセスについて
解説をしてくださった回の冒頭で
出て来た質問でした。

私は、コッターの話をどこか別の
ところで聞いた時に知ったか、
あるいは全く別の機会で知ったか、
ハッキリとは記憶にないのですが、
イワシの天敵を一緒に入れてやれば、
みんな必死に逃げ回ることになり、
結果として死なずに輸送できる

だろうとピンと来たところ、
やはりそれが正解。

その天敵というのが「ハマチ」
いうことで、小杉先生はこの話を
「ハマチ戦略」と命名している旨
伺ったのでした。

この話が示唆するのは、
完全にストレスフリーな状況は
必ずしも良いとは限らず、
むしろ適切な強度のストレスを
与えて「危機感」を醸成した方が
個々の動きが良くなる
のだという
ことです。

そして、この話は、先に名前の出た
コッターの「変革の8ステップ」に
おける最初のステップ
に他ならない
ということなのですね。

コッターは、リーダーシップ論
著名な学者ですが、殊にこの
「変革の8ステップ」が有名です。

まとめサイトがたくさんありますので、
ここではあえて解説しませんが、
グロービスのサイトだけご紹介して
おきましょう。

ここにある通り、リーダーが変革を
進めるには、以下の8つのステップを
踏むことが有効
で、しかもこの順序を
きっちり守ることが重要
であることを
コッターは強調しています。

1.危機意識を高める
2.変革推進のための連帯チームを築く
3.ビジョンと戦略を生み出す
4.変革のためのビジョンを周知徹底する
5.従業員の自発を促す
6.短期的成果を実現する
7.成果を生かして、更なる変革を推進する
8.新しい方法を企業文化に定着させる

この1つ目にある「危機意識を高める」
手段のイメージとして、
冒頭の「ハマチ戦略」というのが
語られていたのですね。

客観的には、変革しないと生き残れない
ほどに切羽詰まっているにも関わらず、
内部でぬるま湯につかって動かない。
そんな社員らを変革への旅路に導くには、
ときとして「ハマチ」に相当するような
過激な手段が必要
となるのです。

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過去にコッターに関連する記事を書いた
ものに、リンクを貼っておきますので、
ご参考までに。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。