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EDLPを長く貫いてきたオーケー

昨日、オーケーの創業者である
飯田勧氏がご逝去
されたことを受け、
記事を書かせていただきました。

オーケーそのものの話をしようと
思っていたのですが、
あれこれ調べていくうちに、
飯田家の子育ての傑出ぶり
ついての内容となったので、
昨日書こうと思っていたことを
今日書くことにします。

オーケーと言えば、
「高品質・Everyday Low Price」
と看板でもうたっている通り、
いわゆる「EDLP」を日本で早くに
取り入れた企業
とされています。

こちらに、氏の略歴が記載されて
いますが、EDLPについての記載も
その中にあります。
一部引用しましょう。

1986年
スーパーマーケット業界で定石となっていた特売からの脱却を決意
基本方針『高品質・お買徳』『Everyday Low Price』のコンセプトを加え、取扱商品を絞り込み、普段の売価を競合店の特売価格に負けない売価に引き下げることを柱とした抜本的な改革に着手。
ナショナルブランド商品について、地域一番の安値を目指す「競合店対抗値下げ」を開始。同時に「Everyday Low Cost」の体制確立にも取り組む。

スーパーは、「特売」を多用して
集客をするのが定石
です。
この慣行は、いまだに根強く業界に
残っていますよね。

飯田氏は、この定石を捨てることを、
もう40年近くも前に決意していたと
いうのですから、頭が下がります。

特売での集客を行う戦略は、
値段を上げたり(HI)下げたり(LO)
するところから、HILOハイロー戦略」
呼ばれることもあります。

この「HILO」を使うと、
LOにした品目はどんどん売れますが、
HIのままに留まっているものは、
当然ながら大して売れません。

また、LOにしたものを再びノーマルに
戻すにしても、ただではできません。
外注するなら外注先のコスト、
内製でできたとしてもそれだけ人件費が
余計にかかる
わけです。

LOにする、つまり特売にかかる費用を
セーブ
し、その分消費者に低価格での
提供する原資を確保
することで、
「毎日特売」を実現しようというのが
「EDLP」のコンセプトなのですね。

加えて、どの商品であっても、地域で
一番安い価格を保証
するから、他には
行かずに我々のお店で安心して買物を
楽しんでください!
というメッセージも
含んでいると言って良いでしょう。

この考え方は、アメリカでは広く
浸透していて、特にウォルマートが
この戦略で大成功
したことがよく
取り上げられます。

ただ、アメリカの場合は一般的に
車でスーパーまで買い物に行き、
巨大なカートでものすごい量を
買い込んで行くのを、
週に1、2回程度の頻度で行う
のが
典型的と言われますよね。

日本の首都圏のように、
平日もちょくちょくと頻度高く
スーパーへ足を運ぶ

しかもほとんどの場合徒歩圏内
スーパーがあるという環境とは
条件が違い過ぎるでしょう。

結局、特売の目玉商品をチラシ等で
大々的に告知して、目まぐるしく
集客を繰り返すという手法が、
未だに日本では幅を利かせている
わけです。

とはいえ、世の中も大分変ってきて、
専業主婦の割合はどんどん減り
折込チラシの入る新聞の発行部数も
下降の一途
、特売での集客に頼る
販促手法にもかげりが見えると
思われる今日この頃。

オーケーが銀座や日本橋にまで出店を
果たし、大きく賑わっている現在は、
EDLPが日本でも遂に特売を凌駕した
曲がり角
だったと後年振り返ることに
なるのかもしれません。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。