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マツキヨの「実験」店舗

セールスにしてもマーケティングにしても、
最後にお客様が購入をしてくれることで、
ようやく「成功」
となる。

どんなに上手にセールストークをしても、
どんなに魅力的な広告を展開しても、
最後にお客様の購入という結果がついて
こなければ、投資したヒト、モノ、カネが
無駄と評価されてしまう。

お客様の購入は、昨今ではオンラインで
起こることも多いが、やはり小売店舗の
店頭
で起こることが最も多い。

お客様とのインターフェイスとなる小売
店頭は、それゆえ非常に大切な場であり、
セールス&マーケティングを担う者に
取っては戦場、最前線だと言えるだろう。

お客様を沢山集めることのできる小売
店舗、小売チェーンは、だからこそ
非常に強い力を持つことになる。

同じ小売店でも、業種業態や地域特性、
得手不得手などの要素によって客層が
変わってくる
が、いずれにしても、
最終顧客との接点を担っていることが
とてつもない強み
となるのだ。

その強みを、更に強固にしようという
ことで、ドラッグストア業界の雄である
マツモトキヨシは、「実験店舗」を10年
近くも前から展開していたのはご存知
だろうか。

「matsukiyo LAB」(マツキヨラボ)

こんな名前の付いた店舗が、
全国に30店舗強ほどある。

ドラッグストアとしての専門性を強化
しつつ、地域住民の健康に貢献するのを
目指しているというラボ店。
見た目もいつもの黄色と黒ではなく、
冒頭の写真のようなグレイ(シルバー)に
白文字というスタイリッシュさ

「薬剤師」
「管理栄養士」
「ビューティースペシャリスト」
といった各カテゴリーの専門スタッフを
常駐
させているのがポイント。
美しさ(ビューティー)と健康(ウェルネス)
とを両立
させるような提案を欠かさない。

これにより、通常の店舗に比べて、
意識の高いお客様を囲い込むことに
ある程度成功しているようだ。

このラボ店でもう一つ面白いのは、
メーカーがテストマーケティングを行う
恰好の場として使われている
点である。

実際、通常の店舗には並んでいない
一風変わった商品が、ところどころ
顔を出している。
このラボ店でうまくいったら、
もっと全国に広げていきたい!

そんな野心的な狙いを持ったメーカーが、
バイヤーと二人三脚でテスト的に販売
してみるのだ。

意識の高いお客様が多く来店するので、
フィードバックも得やすい
ここで鍛えてもらって、製品に改良を
加えた上で全国に打って出られたら、
成功確率はかなり高まるに違いない。

イチかバチかのユニークな商品を、
いきなり全国で売るのははばかられる
場合でも、限られた店舗数なので
リスクを抑えることが可能

正に「ラボ」という名にふさわしい
お客様との接点における実験的な要素を
増やして、イノベーションを生む場にも
なっているのだ。

恐らくは、コロナ禍で積極的な出店を
控えていたと思われるところ、
今後はきっと店舗数も増やしていくの
ではないだろうか。

ドラッグストア業態はずっと伸び続けて
きたが、成長の限界はやがて来る。
将来のステップを見据え、随分と前から
動いていたマツキヨが、ラボ店を更に
どのように活用していくのか、注視したい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。