見出し画像

侍ジャパン・栗山監督が語る世界一への軌跡

「神回だった」

との感想を友人から聞き、ずっと手元で
積読状態だった『致知』2023年10月号
早いところ読みたい!読まねば!
そう思いつつ、他にも色々読みたいもの、
観たいものが尽きずで、この三連休にて
ようやく読むことができた。

テーマは、
「世界の頂点をいかに掴んだか」
というもの。
3月のWBCで、侍ジャパンを世界一へと
導いた名将・栗山英樹監督
が、
致知ではおなじみの臨済宗円覚寺派管長
でいらっしゃる横田南嶺氏と対談する
企画である。

WBCにおける侍ジャパンの大活躍、
その中で起きた様々なドラマは、
既に多くのメディア等で語られ、
多くの日本人の感動を誘ってきた。

特に、決勝戦直前の円陣で、
大谷翔平選手が語った言葉は、
あまりにも有名だろう。

憧れるのをやめましょう。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。

円陣で誰が何を言うかは、予め
決められておらず、コーチが
その場で急に指名
するそうだ。
そこで、この歴史的名言をパッと
放ったのだという。
だからこそ、監督にとっても、
他の選手にとっても、それは
凄いインパクトだったそうだ。

それまで、文字通り憧れだった
選手たちを相手に、歴史的一戦を
交えようとする直前。
浮き足立っている部分もあれば、
緊張かつ不安も大いにある場面で、
これだけ見事に時宜を得た言葉
紡ぐことができるのは、普段から
極めて強い信念を持って、真摯に
野球に向き合って来ているから

違いない。

いつでもどこでも、常に臨戦態勢
かといって、ガチガチに硬くなり
かしこまっているのではなく、
むしろフワッと自然体リラックス
しているように見える大谷選手。
日本人として、米大リーグで初の
ホームラン王に輝いた彼の偉大さが、
しみじみと伝わってくるエピソード

ではなかろうか。

源田壮亮選手をスタメンで起用し
続けた背景にある話も感動的だ。

全治三か月の怪我を負ってしまった
状況にもかかわらず、「痛い」と
いう言葉を最後まで一言も発せず

プレイし続けた源田選手。

怪我をしても弱音を吐かない彼に、
本当にやれるのか、怪我の影響は
問題ないのかを確認する。
本音でぶつかった結果、
並々ならぬ本気度を感じると共に、
彼に対する信頼感が増して、
その「魂」にかけることにした
栗山監督の判断は、後に決して
誤っていなかったことが分かる。

もう一つ、召集された選手たちに、
全員がキャプテンだという趣旨の
直筆の手紙
を代表合宿初日に渡した
話にも、心動かされた。

誰か一人をキャプテン指名せず、
全員がキャプテン
全員がオーナーシップ意識を持って
やって欲しい、
そんな手紙を墨筆でもらった
選手たちは、どんな思いだったの
だろうか。

少なくともダルビッシュ選手は、
このことを意気に感じて、
栗山監督に
「あれ、いいですね。しっかりやります。」
と返して来たそうだ。

組織を束ねるトップとして、
選手たちの個性を想像しながら、
どうやって彼らのマインドを刺激し、
良いチームへと導いていくか。

相当考えに考え抜いた上で下した
これらの決断の一つひとつが、
WBC世界一につながったと思うと、
非常に感慨深い。

『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』
というタイトルで、6月まで記録映画を
上映していたようだ。
丁度このタイミングで、
Blu-rayやDVDも発売開始された。
アマゾンプライムでも観られる
ようなので、早速堪能したい。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。