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キュキュット食洗機用のパッケージ変更に対する違和感

結婚して二十年強、ずっと同じ家に住んで
いるが、それ以来の食洗機ユーザーである。
家電製品は数あれど、
この食洗機ほど便利なものも珍しい。
そう断言できる程に、個人的には
「なくてはならないもの」
となっている。

食事の後片付けというのは、
それを作ったり、食べたりすることに
比べると、どうしても「悪役」的な
位置付けになりがちである。
汚れるし、面倒なことこの上ない。
食洗機は、その手間を大幅に削減して
くれる、大変に重宝する存在
なのだ。

もっと普及しても良さそうなものだが、
昨年時点で「まだ」35%程度だと聞く。
下記の記事では「もう」35%まで来たと
あるが、タイトルを付けた人はユーザー
ではないのかもしれない。

食洗機には、専用の洗剤が必要となる。
我が家では、花王キュキュットの
こちらを使い続けている。
最初の数年こそ、フィニッシュだとか
ジョイだとか、とっかえひっかえ試して
みたが、いつしかこれに落ち着いた。

最近では、大容量タイプも出始めて、
そちらに乗り換えたばかり。
その、大容量タイプのパッケージが、
早くも切り替え中であるということに
店頭で気が付いた。

というのも、近所のドラッグストアで
この商品が二ヶ所に展開されており、
それぞれの場所に置かれたパッケージの
キャッチコピーが異なっている
ことを
発見したからである。
(二ヶ所共に新パッケージだったら、
恐らく気付かなかっただろう。)

右のパッケージが、我が家のストック。
左のパッケージが、今回購入分。
売場では、一方に右の商品が、
他方に左の商品が並んでいた。

結構色々な部分が細かく変わっているが、
最も大きな変更は何かというと、
何回使えるか、という訴求である。

旧パッケージは、
「約7ヵ月分」
「約150回分」

を併記しているのに対して、
新パッケージでは月数表示を取り、
「約200回分」
との表記を大々的に目立たせている。

両商品は、いずれも「900g」であり、
中身は完全に同一商品である。
にもかかわらず、150回と200回という
異なる使用回数を標榜しているのだ。

勿論、これには裏付けがある。
旧パッケージの「約150回分」には、
「※通常の汚れに対して(6g使用)」
という注釈がある。
更に、一週間平均5回使用する想定で
「約7ヶ月分」という計算になっている。

これに対して、
新パッケージの「約200回分」には、
「※1回4.5g使用した場合」
との注釈が付いているのだ。

回数が多く書かれている方が、当然
購入者へのアピール度合いが強まる
ことになる。
しかし、※で注釈を入れているとは
いえ、同じ商品の使用回数を水増し
した恰好になっているのは事実

これはいただけない。

そこで、改めて厳密に新旧商品を比較
してみたところ、新パッケージから
「使用量の目安」を改定していたことが
分かった。
即ち、軽い汚れに対して「4.5g」
通常の汚れに対して「6.0g」の使用を
目安としていた従来の表記に対して、
新パッケージでは、通常の汚れを前提に
2-3人用の場合に「4.5g」4-5人用の
場合に「6.0g」
となっているのだ。

私のように、屁理屈をこねて
「使用回数を水増ししてるぞ!」
とクレームが来たとしても、
「2-3人用の場合の推奨使用量です」
と回答できるようにしたのだろう。

仮に、「回数水増し」によるアピール
強化が目的ではないとすると、
そもそも今回の表現変更の意図は
一体どこにあるのだろうか。

エントリーユーザー向けに、
何とかこの商品を手に取って欲しい、
他社商品でなくこちらの方がお得
だから是非使ってみて欲しい、
そういうトライアル使用促進の意図
もって表現を変えたのだろうか。

しかし、この商品は詰替の大容量で
あり、ずっと使い続けている私の
ようなロイヤルユーザー向けに販売
しているもののはず
だ。

あくまでも仮説だが、この表現変更の
意図は、「7ヵ月分」などの期間表記を
なくすことにあったのではないかと
推測
している。
我が家では、1日に平均2回は使っており、
実際3ヶ月ともたない。
各家庭で、前提条件が異なるので、
いかにも長期間使えるように表記する
のはおかしい
というような苦情があった
のではないかと邪推した次第だ。

「7ヶ月分」という魅力的(?)な
表記をなくす代わりに、せめて
「150回」を「200回」に水増しする
ことで、訴求のお得感を維持したかった
可能性が高い。
そのために、これまでになかった
食洗機のサイズという軸を持ち込んで、
使用量の目安を刷新
したのだろう。

商品自体のパフォーマンスには満足
しており、すぐに浮気しようという
気はサラサラなかったのだが、
何となく釈然としない気持ちとなり、
ロイヤリティーが下がってしまった。

たかがパッケージ変更ではあるが、
アピール内容を大きく変えるときは、
あくまでも誠実にアプローチするべき、
そう思わされる事例である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。