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就社、就職、就プロ

私が現在勤めている会社は、通算で
6社目。
つまり、いわゆる「転職」を、これ
までに5回程してきたことになる。
最初の1社では、半分は法務っぽい
仕事をしたが、後半はマーケティング。
以降、一貫してマーケティングの
仕事に携わってきた。

あるとき、高校時代の先輩に、

お前は「転職」じゃないよな、「転社」だよな。

と言われて、はたと気が付いた。
確かに、マーケティングという職種を
ずっと渡り歩いているので、転「職」
はしていないと見ることが可能だ。

なぜか会社を移ることを「転職」と
いうが、職種が変わらなければ
それはあくまでも「転社」であり、
「転職」と区別して捉えるべきでは
ないか。

この考え方を敷衍していくと、
世の多くの大学生が毎年行っている
「就職活動」という言葉も、
違った捉え方ができることになる。
確かに、「職に就く」ための活動では
あるが、一般的なイメージではこれまた
「就職」というよりは「就社」活動と
言えるのではなかろうか。

医者になるために医大で勉強したり、
看護士になるために看護学校、
看護学科で勉強したり、
公認会計士や弁護士などを目指して
資格学校に通って勉強したり、
といったことが正に「就職活動」だと
言うこともできる。

この「就社」とか「就職」という形が、
これから大きく変わっていきそうな
世の中の流れがある。

これまた別の先輩から聞いた話だが、
アメリカの学生の中で最優秀層が
どんな働き方を選んでいるか、
ご存知だろうか?
予備知識がないと、今をときめく
GAFA(ご存知の通り、Google、Apple、
Facebook、Amazonの頭文字)とか、
巨額報酬を得るチャンスのある
ヘッジファンドなどの金融機関
あたりを想像するところ。

しかし、それらの企業を選ぶのは、
最優秀層の下の層らしいのだ。
最も優秀な学生たちは、企業に
入るのではなく、「プロジェクト」
に入るというのである。
「就社」でも「就職」でもない、
「就プロジェクト」なのだ。

社会的意義が高く、チャレンジングな
プロジェクト、例えば、宇宙開発事業
に関わるようなものとか、砂漠化を
食い止めるとか、そういった一企業の
スケールに収まらないような事業に
メンバーとして入り込み、一定の
年数関わって成果を出し、また次の
プロジェクトへと移っていく、
そんなプロフェッショナルな働き方が
最もカッコいいとされるのである。

海外だけの話かと思いきや、実は
ここ日本でも、着実に時代は変わって
来ている。
ここ最近では、東大の理系卒業者の
就職先につき、いわゆるメーカーよりも
ベンチャー系の方が数で上回るように
なったらしいのだ。

これまでの「寄らば大樹の陰」という
時代は過ぎ去った。
「終身雇用」時代はとっくに終わりを
告げている。
自らのキャリアに責任を持ち、
「手に職」を付けねば生き残りが
難しい時代が訪れている。

ただ、「手に職」と言っても、
スキル、テクニックを沢山身に付ければ
いいということではない。
あるに越したことはないが、それより
何より求められるのは、人としての
魅力、人を喜ばせることのできる
行動力とか包容力、リーダーシップ、
そういったものだろう。
プロジェクトの中で成果を出すには、
必要不可欠な力だ。

一言で言い換えれば、「人間力」と
言っても良い。
自分は何のプロとして生きたいのかを
見定め、そのプロとしてのスキルと、
同時に「人間力」を磨く。
ピカピカに磨き込んでいく。
そういうことが求められる時代では
ないかと思うのだ。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。