ハゲタカ(略奪的)ジャーナルの扱いに言及している資料 2024.3時点
学術情報(いわゆる研究論文)を探したり、利用したり、執筆したりなどされる方々は一度は耳にされているのではないかと思います。ハゲタカジャーナル・出版社とされる/疑われる論文、だいぶ目に留めるようになってきた所感があります(個人の感想です)
でも、あくまで2024年3月30日時点でのメモですので、やはり都度最新の情報は、ご自身でお調べいただくことをお勧めします。
もちろんこれ以外にもたくさんの役立つ資料が有りますが、システマティックレビューを進める中で参照できる資料としては個人的に以下を挙げています。
ハゲタカジャーナル・出版社とは?については、googleで「ハゲタカ site:ac.jp」で検索すると教育機関が解説したページを参照できます。
ハゲタカか疑わしい論文を利用したり・参照することについて、現時点では「推奨されていないようです。」と回答しています。
ただし、cochrane handbookでは(系統的な指向での検索と言うこともありますが)検索時に意図的にこれらを除外することは推奨しておらず、含まれてきた論文を適切にクリティークの上判断することを示唆しています。
1. Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventions
ハンドブック 7.2.3.2 Other types of selective dissemination of study reportsの項で言及されています。
また、その前の検索のセクション 4.4.5 Language, date and document format restrictions でも言及されています。
(この文章2023年の改訂で入ってきたかとずっと思い込んでいましたが、調べたらVersion 6.0から記載がありました!)
検索で除外すること(結果として研究が進む中での検討から入り口でシャットアウトされてしまうため)によるバイアスを考慮して、検索では特に除外する戦略を取らないよう書かれています。
2. ICMJE
Recommendations for the Conduct, Reporting, Editing, and Publication of Scholarly Work in Medical Journals (Updated January 2024)
2024年時点の最新版には、g. Referencesの項に言及があります。(C. Responsibilities in the Submission and Peer-Review Processの項の最後にも同じ記載があります)
(これをまとめるためにICMJE確認していたら、オーサーシップやAI利用関係など他の項目も改訂されているようです)
3.JBI
JBIのマニュアルが2024年改訂されてpredatory の項が新設されていました。3月30日時点ではcoming soonですが
2.7 Predatory Publishing
個人的にはJBIESに掲載されている以下もあわあせてご紹介しています。
Munn, Zachary1; Barker, Timothy1; Stern, Cindy1; Pollock, Danielle1; Ross-White, Amanda2; Klugar, Miloslav3; Wiechula, Rick4; Aromataris, Edoardo1; Shamseer, Larissa5. Should I include studies from “predatory” journals in a systematic review? Interim guidance for systematic reviewers. JBI Evidence Synthesis 19(8):p 1915-1923, August 2021. | DOI: 10.11124/JBIES-21-00138
Predatory publications in systematic reviews: What is the problem and what should we do?(youtube)
4.Identifying Predatory or Pseudo-Journals:WAME
方針というか見極めるための考え方をまとめているページですが、初期からこれだけまとめてあるページはなかった印象です
SR時は特に広く広く文献を拾うために様々な質の論文(に限りませんが)が入ってきてしまい、組入/除外基準でexcludeできれば問題ないのですが、どう除外するか(除外の理由をどのように報告するか,wrong population/study designなど一般的な除外理由に適当な選択肢が見当たらないので)は、明確な指針はないので悩ましいところです。。。
そのほか怪しさの見極めの参考に出来るツールとしては
王道ですがthink check submit や以下などをご紹介しています。
Cukier, S., Helal, L., Rice, D.B. et al. Checklists to detect potential predatory biomedical journals: a systematic review. BMC Med 18, 104 (2020). https://doi.org/10.1186/s12916-020-01566-1
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