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2019/12/03 君が僕を知ってる

旧友から贈物が届く。本当は先月の誕生日に合わせて受け取ることができるよう手配していてくれたのに、iPhoneが不調で使えなかったり、家をあけていたりして、申し訳ないことになかなか受け取れずにいた。随分と遅くなってしまった。

クール便で届いた贈物はゼリー。ただのゼリーと思うなかれ。オレンジとレモン、それぞれの果皮の器に入ったゼリーに、果汁を絞ってホイップクリームを添えて食べる。京都は北野白梅町近くの老舗フルーツパーラー「CRICKET クリケット」製、目にも楽しい。

早速レモンゼリーから食べる。柔らかなゼリーに爽やかな酸味が加わって、とてもおいしい。食べながら、贈主のことを考える。

彼女は高校の同級生で、3年間同じクラスで過ごした。つきあいも随分と長くなった。その後の進路はまったく別だし、連絡が途絶えがちな時期もあったから、余計に今も親しくできていることを嬉しく思う。元々わたしは人づきあいがうまくないし、無精者でもあるので、今日までつきあいが続いているのはひとえに彼女のおかげだ。

「君が僕を知ってる」と歌ったのは忌野清志郎さん。RCサクセションの曲の中でも好きな曲のひとつだ。高野寛さんと浜崎貴司さんとによるカバーで知ったときから、何度も「わかっていてくれる」と繰返す部分が印象的で、相手が自分を「わかっていてくれる」ことの嬉しさや安心、そしてその幸せが詰まっているように思う。そこが好きだ。

家族でも恋人でもなく、友人。友人だからこそ、「わかっていてくれる」と素直に思える彼女は得難い存在だと思う。わたしも大人になって、人づきあいも増え、よくしてくれる人も増えたし、その人たちのことも好きだけれど、今のわたしがあるのは、根っこの部分で「わかっていてくれる」と思える友人がいてくれるところが大きい。(逆はと言えば、恥ずかしながらまったく心許ないけれど。)日々色々あるけれど、そう思える友人がいる今生はなかなか豊かだと思う。

彼女に送る葉書にはたいてい「またおいしいものを食べましょう」と書く。おいしいものをおいしいと言いながら、またそのうちにあれこれ読んだものの話などをするのが楽しみだ。

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