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鹿児島再訪の旅-②-

2日目は早起きした。
セットしたアラームよりも早く起きた。
前夜は結構遅くまで起きていたのに。
6時半にはゲストハウスを出るつもりだったけど、支度に時間がかかり出発したのは7時を過ぎてしまった。
節約のために今回の旅では高速道路や有料道路は使わないつもりだったけど、仕方なく有料道路の指宿スカイラインを走った。
有料と言っても片道190円だけど。
本日の目的地は枕崎のちょっと東にある「犬の白浜」である。
Google mapを見ていて発見した小さなビーチで、インスタ映えスポットみたいだ。
市内ではちょっと朝の渋滞があったけど、あとは空いていて1時間ほどで到着。
ビーチには直接行けないので、手前にある水尻公園の駐車場にラパンを停めた。
公園と言っても芝生の広場があるだけで、しかも周囲には民家もほとんどない場所なので、何故ここにこんな公園があるのか不思議だ。
でも、自販機とトイレとベンチもあるし、民家が全然ないだけに人もほとんど来ないので、ここで着替えたりするのにはうってつけの公園だった。
Google mapでは浜に徒歩でアクセスするルートが良く分からないので、クチコミ情報を参考にしてソーラパネルの横の畦道みたいな道を歩くと、やがて案内の標識があった。
それがなければ辿り着くのが難しい隠れビーチだ。
夏も終わった平日の午前中なので、案の定誰もいなかった。
ほぼプライベートビーチ。
しかし、思い描いていたような綺麗なビーチではなくて、インスタ映えはちょっと盛っていると感じる。
とは言え、期待しないで行けばそれなりに感動するくらいのビーチだと思う。

右が駐車場で左がソーラパネル
フェンスの向こうにソーラパネルがちらっと見える
分岐点の案内板
樹の枝のトンネル
最後に現れる急坂にはロープが
上から見たビーチ
真ん中の岩が犬に見えなくもない


気を取り直してセルフポートレイトの撮影の準備に入ろうとしたら、
地元民らしきおじさんが来て海を眺め出した。
おじさんが立ち去るのを待って撮影を始める。
世間ではとっくに海水浴のシーズンは終わってしまったけど、エクストリーム系セルフポートレイトフォトグラファーの愛茉にとってはこれからが本格的なシーズンの始まりである。
今の時期なら海水も冷たくないし気温もまだ真夏と一緒なので、海に入ることはちっともエクストリームではない。
しかし、こう言うビーチはシャワーはもちろんのこと着替え場所もトイレもないので、撮影の条件としてはかなりエクストリームである。
しかも、今は旅行の最中なので、準備できるものにも限りはある。
持参したのはビーサン、タオル多数、着替え、三脚、カメラ1式、ビニールの大きなトートバッグ。
後は現地調達でペットの水を2~3本。
クチコミには湧き水があると書いてあったけど、枯れてしまったのか見つからなかった。
湧き水がない場合に備えてビーチで簡単に海水や砂を流すためにペットの水が必要なのだ。
水尻公園には足などを洗うための水道栓もあるので、最終的にはそこで身体を洗い流してトイレで着替えるつもりだった。
ある意味恵まれた環境だと言える。


広々とした芝生が広がる水尻公園
有能な手洗い場

ビーチはそれほどゴミは落ちていないのが嬉しい。
多少の漂着物のゴミはあるけど、そもそもそれほど人は訪れないのだろう。
いくらインスタ映えスポットとして知られたとしても、鹿児島の辺鄙なビーチまでわざわざ訪れる人は多くないのではないだろうか?
後はアクセスする藪のような小道と最後の急な坂で怖気付いてUターンする人もいるかも知れない。
サンゴや貝殻でいっぱいのビーチはちょっと沖縄を彷彿させる。
着いた時は満潮に近いみたいで、波はそれほど高くなかった。

予報では晴れのはずだけど雲が多めで、そのせいでビーチが映えないけど、暑さが若干和らぐのでプラマイゼロだったかも知れない。
犬の白浜の由来は正面にあるビーグル犬が伏せたような大岩の姿から来ているらしい。

誰もいなくなったビーチでセルフポートレイトを撮る。

これが鹿児島のスヌーピー(笑)


公園に戻った時についでに芝生でも撮ってみた。
犬の白浜では2時間近く滞在してしまったので、急いで次の目的地にラパンを走らせた。
30分ほどで「lunch &cafe 海のキッチン」に到着。
坊津の泊浦の入り江に面した崖の上に位置するカフェでテラス席からの眺めが素晴らしい。
タコライスのランチセットをいただく。
セットになるドリンクに飲みたいものがなかったので、ものすごく久しぶりにコーラを飲んだ。
海のキッチンと言う割にお料理はそれほど充実していないので、ただのカフェだとは思うけど、ロケーションが素晴らしいのでわざわざ足を延ばした甲斐はあったと思う。

海を眺めながらランチ
タコライス

この近くに渡船でしか行けない「あじろ浜」と言うビーチがあり、当初はそこにも行きたかったんだけど、10月から渡船は予約制になってしまうので、時間的な制約が出来るのは好ましくないので諦めた。
シュノーケルやダイビングスポットになっているので、その装備がないと面白くないだろうし。

ランチの後は東に戻り薩摩半島最南端の長崎鼻に行く予定だった。
岬と灯台があり最○端と言う場所は訪れたくなる。
しかし、向かっている途中でなんだか気が変わり、ちょうど犬の白浜の近くを走っていることに気づいて、急遽水尻公園に進路を変えた。

再び訪れた犬の白浜は干潮で随分波打ち際が後退していた。
そのおかげで午前中と違う雰囲気の写真が撮れたので予定を変えて良かった。
撮影の途中で観光客らしきおばさまふたりがやって来て、靴を脱いで波打ち際に足を浸したりしてしばらく浜にいた。
気にしても仕方ないので、ふたりは無視して撮影を続ける。
きっと向こうも気にはなるのだろうけど、君子危うきに近づかずなのか、こちらに来ることもなくて助かった。

干潮の犬の白浜

後はゲストハウスに戻るだけだから思い切った撮影も出来て予定を変えてこちらに来たことを後悔することはなかった。
もう少しお天気が良ければ海ももっと青かったんだろうけど、こればかりは文句言っても仕方ない。
市内に戻る途中、南九州市の郊外は特産の知覧茶の茶畑が広がっていて、これもなかなか素晴らしい眺めだった。
途中でヒマワリが咲いている場所があったので、脇道にラパンを停めて写真を撮った。

茶畑に林立する柱は霜除けのプロペラを回すためのもののはず。
狭山の茶畑にもあった。
鹿児島に縁のある友人が知覧の武家屋敷もいいよと勧めてくれたのだが、今回は時間がなくて寄れなかったのは残念だ。

ゲストハウスに戻りシャワーを浴びてさっぱりしたら、天文館の近くにある「炭火・燻製料理 五福」に向かう。
ここは前回たまたま訪れて良かったので2日続けて行ったくらいお気に入りになったお店である。
突然訪れてオーナー夫妻を驚かせようと思っていたのだが、3年ぶりの店内にいたのは記憶とちょっと違う人だった。
お話ししたらこの春から店長としてお店を任された堤さんだった。
ちょっとがっかりして早めに切り上げようかなと思ったけど、いろいろお話ししていたら盛り上がるし、カウンターの隣に座った川内市からお仕事で時々来ると言うおじさまがお料理をお裾分けしてくれたりするものだから、結局長居することに。
長いと言うか、5時間半近くいた。
閉店時間を過ぎるまでいることになるとはね。
お会計もご馳走してくれたおじさまのおかげでものすごく安くてありがたかった。
オーナー夫妻は霧島に燻製工房をやっているので、今はそちらにかかりきりだそうだ。
でも、店長が気を利かせてくれてスマホのビデオ通話で少しお話しできて嬉しかった。
ちゃんと覚えてくれたことも含めて、お会いできなかったけど今回もここに来て本当に良かったと思う。

炭火・燻製料理 五福
ハートランドビール小瓶と突き出し
たくあんの燻製クリームチーズ添え
オススメの秋刀魚の燻製
お裾分けのサラダ
お裾分けの前菜の盛り合わせ

お店はこの日から入ったバイトの女子と店長のふたりで、バイトの女子はベトナムからの語学留学生だった。
ある程度は日本語は出来るとは言え、異国の地でのバイトの初日だからすごく緊張していた、
おじさまが全員に飲み物をご馳走してくれたのだけど、遠慮して断った。
でも、会話の中でトマトジュースが好きなことを知ったおじさまがこっそりお店を出て買いに行った。
おじさまのジェントルマンぶりと日本人に似た奥ゆかしいメンタリティーのベトナム女子の、ちょっとうるっと来るエピソードだ。
ちなみにあたしはコーラをご馳走してもらった。
五福さんとはインスタで繋がっているんだけど、今は店長もお店のアカウントで見たり投稿しているそうで、あたしのインスタを見せたら知っていた。
来年の展示の告知とかも覚えていてくれて嬉しかった。
一期一会の出会いも良いけど、今はネットのおかげで長いお付き合いが出来る。
旅先で知り合って親しくなり、それから時々会ったりネット上でやり取りする人が何人、何十人もいることは幸せなことだ。
SNSだけのお付き合いも良いけど、リアルに会える喜びに勝るものはない。

③に続く。

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