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モダン-ジャンドデッキガイド

群馬在住、Hareruya Hopes所属の大木樹彦(@pinkbomwithaman)です。
7/26-28にバルセロナにて開催されたミシックチャンピオンシップⅣに参加し、構築ラウンド(モダン)においてジャンドで7-3とそこそこの結果を残すことができました。この記事ではこの際に使用したジャンドについての解説を行います。

・ジャンドとは?

ジャンドはその名の通り黒赤緑の3色で構成されたグッドスタッフのミッドレンジデッキです。手札破壊とパーマネント除去により相手の行動を妨害しながら《タルモゴイフ》を始めとした優秀なクリーチャー群で殴りきることを目指すいわゆるBG系デッキのバリエーションの一つであり、赤を足すことで強力な軽量除去である稲妻、そして《血編み髪のエルフ》や《コラガンの命令》のような多色カードを使用できるのが特徴です。最近のBG系といえば《廃墟の地》を使えて特殊土地に強い黒緑2色に抑えたBGロックが最もポピュラーでしたが、ジャンドはモダンホライゾンで《レンと六番》、《歴戦の紅蓮術士》といったパワーカードを手に入れたことによりデッキパワーが大幅に上昇、モダンホライゾンリリース以降はBG系といえばジャンド、といった状況になっており数々の結果を残しています。

・ジャンドの性質

ジャンドは手札破壊に軽量クリーチャー除去、万能性のあるパーマネント破壊まで持ち合わせたデッキであり、その妨害性能からモダンに存在する大部分のデッキに対して安定して戦うことができます。特定のカードに依存することがないためデッキの安定性自体も高く、また構築の自由度も高いため環境に応じた調整を行うことで勝率の向上を図れます。
特にクリーチャーに依存したデッキに対しては豊富な除去があるため有利であり、またそのアドバンテージ獲得性能の高さから妨害側のフェアデッキに対しても有利となります。一方でフェッチランド-ショックランドのマナベースの3色デッキ、かつライフゲイン要素も薄いということでバーンには不利であり、トロンなどの土地コンボ系も妨害要素があまり効果的ではないため苦手としています。

・事前の環境予想

僕がミシックチャンピオンシップに向けてのMOでの調整を通して組み立てた環境予想は、以下のようなものです。

墓地利用(ホガーク系+ドレッジ):15%
イゼットフェニックス:10%
人間:10%
青白コントロール:10%
ジャンド:10%
エルドラージトロン:7-8%
緑トロン:5%
ウルザソプター:5%
その他:3割ぐらい

今回のデッキリストはこの予想を基に構築されています。
実際は墓地利用が25%超と想定より遥かに多かったものの、そこを除けばおおむね予想通りでした。

・デッキリストと採用カード解説

こちらが今回使用したジャンドのリストです。
僕がジャンドを調整していて思ったのは、基本的にこのデッキは同じカードを複数引きたくはないのではないかということでした。《レンと六番》は何枚あっても動かせるのは1体だし、《闇の腹心》は2体並べたいカードではありません。この性格は《漁る軟泥》や《歴戦の紅蓮術士》についてもそうで、また各種除去や手札破壊についてもそうであるように感じられました。何枚引いても変わらず強いと感じたのは《タルモゴイフ》、《ヴェールのリリアナ》、《血編み髪のエルフ》の3種だけであり、これらのことを踏まえて今回のリストはそれぞれの枠の中で出来る限りカードを散らすことを意識したものとなりました。

手札破壊

《コジレックの審問》3、《思考囲い》3
このデッキの妨害の要、軽量手札破壊です。3マナ以下のカードしか落とせない《コジレックの審問》、なんでも落とせるが2点のライフを失う《思考囲い》、それぞれにデメリットがあります。当然4マナ以上のカードを落としたいことが少ないのなら《コジレックの審問》を多くすべきなので、環境にどれだけ4マナ以上の強力なカードを使っているデッキがあるかという話になります。
現環境はトロン系、ウルザ系、青白コン、そしてジャンドミラーと4マナ以上のカードを落としたいマッチングが一定存在し、そういったマッチングにおいて《コジレックの審問》を複数引いて肝心なところが落とせないという展開は苦しいため均等に散らすことを選択しました。もしこの枠から2枚引いてくるならそれぞれ1枚ずつがベスト、という考え方です。

軽量除去

《稲妻》3、《致命的な一押し》3
1マナでモダン環境の大部分のクリーチャーと交換できる強力な2種の除去です。手札破壊がそうであったようにこれらもそれぞれの性格があります。《稲妻》はプレイヤーやプレインズウォーカーにダメージを与えることができ、クリーチャー除去でありながらそれ以外の用途がある代わりに《タルモゴイフ》や《最高工匠卿、ウルザ》、《難題の予見者》、《氷の中の存在》といったクリーチャーを倒すことができません。《致命的な一押し》はその点除去としての性能は高いのですが、クリーチャー除去としての役割しか持てないため腐るマッチングというのが多くなります。現在の環境には上記の稲妻で倒せないクリーチャーを使うデッキが多く存在しているため、僕の選択としてはここも手札破壊と同じく均等に散らすこととなりました。

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