パンティ&ストッキングwithガーターベルト。通称パンスト。日本アニメ界隈にも海外アニメ界隈にも混沌と混乱、そして革新を撒き散らした功罪の子である。

まずはじめに強調しておきたいのはパンストは海外アニメではない。海外で創られたカートゥーンアニメではない。日本のアニメスタッフが、海外のカートゥーンアニメを模して造った『和製カートゥーンアニメ』である。つまりルーツは海外にあれど完全に日本生まれ。スシで言うところのカルフォルニアロールに近い。アレは日本のスシを原点にしているがアメリカ人が作ったアメリカの食べ物だ。故に『パンスト風』のイラスト（特にパンストトレス）を『カートゥーン風』と表すのは大きな誤りであり生粋の海外アニメオタクをブチギレさせる問題とされたりするのだが、それは別の機会に詳しく書こうと思う。話を戻そう。とにかく言いたいのはパンストは最高だと言うことだ。

◆非処女とビッチしか出てこない最凶下劣下品アニメ

このアニメには非処女しか出てこない。

主人公パンティに至っては初登場シーンからもう男とハメている。パコパコである。というか1話につき一回は男とハメている。もちろんストッキングも非処女だし、ガーター含め、ブリーフも勿論非処女である。もう一度言うがこのアニメは登場人物全員が男も含め非処女であると公式が宣言したアニメなのである。処女厨を殺すアニメなのである。

そしてとにかく下劣。その醜悪なまでに下品な作風は見る人を選ぶ。本当にもう第1話から視聴を打ち切ろうかと迷ってしまうほどの汚らしさであり第1話から2人のヒロインが脱糞、嘔吐、セックスの下劣3コンボをブチギメる（こんな快挙もとい暴挙を成し遂げたヒロインが他にいるだろうか？（というかヒロインか本当に？）思わず正気を失ってしまうが、ここにカートゥーン調の絵柄が活きてくるのである。

◆下品な暴挙をカワイイ絵柄でムリヤリ捩じ伏せる圧倒的な暴力

深夜アニメとは言え許されない。こんな暴挙許されるはずがない。ハメてゲロ吐いて脱糞である。北斗の拳にもこんなはしゃぎ方する下郎はいなかった。だがしかしここで、彼女達がカートゥーン調にデザインされた真意を悟るのだ。

絵柄が可愛らしいディフェルメ姿だから汚らしい蛮行もなんだか可愛らしくポップに見える。

そのためか！！そのためのカートゥーンか！！そう、カートゥーンの大きな特徴として過度にディフェルメされたデザイン故に暴力表現や多少下品な表現でもなんとなくマイルドに感じてしまうというのはクラシック・カートゥーンの時代から伝わる秘術である。古事記にもそう書かれている。

つまり深夜アニメ帯でも流せない様な暴力や脱糞嘔吐セックスを彼女達はその海外アニメの様なポップで可愛らしい姿を免罪符に暴れ回っているのである。カワイイは暴力。カートゥーンという翼を得た猥褻物。堕天使にも程があるだろうが。恐るべきカートゥーン無法地帯だ。日本人にカートゥーン作らせるとこうなるのか…脱法カートゥーンの誕生である。

◆アバズレクソビッチ姉妹の謳う暴力的なまでの自由

もう完全に完膚なきまでに完成された純然たるまごうことなきクソアニメであるがパンスト姉妹の自由奔放さには憧憬を抱かずにはいられないほどに眩しい。

パンスト、下ネタまみれだがその実女性の持つ限りない可能性と自由をブチ撒けた輝かしい物語であり、欲望のままに暴れ回るパンスト姉妹は何よりも美しい。むしろ崇高ささえ感じてしまう。人の目や世間体、こうあるべきという忌々しいレッテルという枷から解き放たれあの2人の様に暴力的なまでに自由に生きたいと思うのは私だけだろうか？

カートゥーンアニメからは色々と人生における大切なことを学べたりするがパンストは一切無い。何も学ぶべきところがない。人間の浅ましくて醜い部分を練り上げて生み出された自由への賛歌。それがパンスト。
カワイイ絵柄なら何しても平気みたいな考えの元に作られた最強のユメカワ無法地帯。欲望の煮凝り。人間の浅ましくて醜い部分をポップに描いた傑作。吐きだめ。メンヘラ、ビッチ、サブカルクソペニス、その他ありとあらゆる社会不適合者に向けられた自由への賛歌。

それがパンティ&ストッキングというアニメ、否、神話なのだ。

今だに根強い人気を誇りながらもパンストが最終回を迎え、パンスト2期への沈黙を保ち続けて今年でもう9年になる。9年だ。騒がしい彼女達の沈黙は私達にはあまりにも重過ぎる。自由を暴力的なまでに謳歌する彼女達を、我々の存在を肯定する天使の再臨を私は祈らずにはいられない。

天よ私を憐れんで歌ってください。