アニメ『大正オトメ御伽話』

こんばんは、にしおです。
今日は、とても悲しいニュースが舞い込んできました。
高校時代、僕が友人のヲタク達と毎日の様に通っていた地元のゲームセンターが潰れるそうです。
高校時代の思い出の半分ぐらいはそこで育んだと言ってもいい。そのくらいの思い出の場所がなくなってしまうと。時の流れというのは残酷です。
思い出の場所がなくなるほどの時間の中で、僕は何か変わったんでしょうか。アニメ見て、ゲームして、寝る。何も変わってないです。嫌になっちゃう。

というわけで、そんな悲しい気持ちを消すために、今日紹介したい僕の大好きな作品が『大正オトメ御伽話』です。
昨日紹介した『逆転世界ノ電池少女』と同じく2021年冬に放送されていた作品で、僕はこの『大正オトメ』、大好きでした。というかこのクールは個人的にかなり豊作だったと思います。

軽いあらすじ
大正10年。事故によって母と右腕の自由、そして父からの期待を失った主人公、志磨珠彦は千葉の別荘を与えられ、厄介払いされていた。
彼はそこを終の住処とし、ペシミストとしてひっそりと死んでいくことを覚悟してた。
そこにある日、立花夕月という少女がやってくる。彼女は珠彦の嫁になるため、珠彦の父に買われてここにやってきたのだった。
そんな境遇でも常に明るく、優しく、甲斐甲斐しく珠彦の世話をする夕月。
そんな彼女との同棲生活の中で少しずつ変わっていく珠彦。
気づけば彼の周りには、夕月だけでなく沢山の人がいるのだった。

この作品の魅力はなんといってもユヅと珠彦様の関係性でしょう。
お恥ずかしい話ですが僕、アニメ見てて好きなキャラが男性キャラとくっつくと心のどこかで「くっそ〜」と思うことが多いんですよ。
でもユヅと珠彦様に関しては二人で一生幸せに過ごしてほしいと心の底から思える。ユヅと珠彦様、二人揃ってこそ真の魅力が引き出せる。そう思える作品は名作なんです。
重い境遇にもかかわらず天真爛漫なユヅ。どんなことにも一生懸命で、優しくて。でも年相応な女の子の一面もあって、彼女も珠彦様のことを本当に大切に思っているというのがどのシーンを切り取ってもわかります。もはや聖母です。
そして、珠彦様。あとは死を待つのみ、くらいに過ごしていて、最初は「こんな自分のためにこんなところにいてはいけない。」と言っていた彼ですが、そんな素敵すぎるユヅと過ごすうちに彼女を守れる男になりたいと思う様になるんです。
こうして大切な人のために、一度は失ったと言ってもいい人生を取り戻すために必死に成長していく珠彦様が本当にカッコいいんです。一人の男として、こんな男になりてえと、そう思います。
そして、1人の人間をここまで前向きに変える力を持ったユヅという女性は、とんでもなく強い人間だなと、彼女にも憧れるんですよね。
そんな二人だからこそ、本気で応援したくなるんです。

そしてこの作品のもう一つ大きな魅力。それはシリアス回の良さです。
聖母の様なユヅをはじめ、この作品は本当に優しさに満ち溢れた温かい雰囲気なんです。でも、要所要所でものすごく悲しくなるような物語とか、リアルな困難が訪れるんですよね。
その一例として僕の大好きなエピソード、珠彦様の誕生日のお話を少ししたいと思います。
ユヅは本好きの珠彦のために、彼に似合う桔梗の花を押し花にした栞をプレゼントします。それまで誕生日など祝われたことのない彼は、ユヅの「お誕生日おめでとうございます。」という言葉に思わず涙してしまうんです。そんな彼の「初めて言われたその言葉に、昔の自分まで救われた気がした。」という独白。更にここで回想の珠彦様と現在のユヅがリンクする演出。本当に全てが素晴らしい。
それまで珠彦様がどんな人生を送ってきたのか、そんな彼にとってユヅがどれだけ救いになったのかがはっきりとわかります。珠彦様、辛かったよな…ユヅに出会えてよかったな…と感情移入というか、親目線というか、そんな気持ちになります。
もうね、ハッキリと思うわけです。「ユヅへの想いでこいつには勝てるものは居ねえわ。」と。
ここまででも最高のエピソードなのですが、『大正オトメ御伽話』がすごいのは、これだけではないということ。
そんな幸せの絶頂とも言える一幕の後、なんと家に物取りの女、綾が現れ珠彦様は財布を盗まれてしまうんです。しかも、盗られた財布の中には貰ったばかりの、命よりも大切な桔梗のしおりも入っていたんです。財布はいい、しおりだけでも取り戻そうとする珠彦様なんですが…。
ここからはネタバレになってしまうので言いませんが、もうすごいです。
ユヅの新しい一面、珠彦様の優しさと男らしさ。何でこんなことに…と思うこと請け合いのとんでもなく見応えのある物語を保証します。見てください。後悔させないので。

きっとこのエピソードを見たあと、これを乗り越えた二人なら何があってもやっていける。と思えるはずです。僕は思いました。
こういうシリアスな物語が、ただ暗い話で引きつけるという目的ではなくて、辛い現実も二人だからこそ乗り越えられるのだと、絆を再確認させてくれるためのエピソードになっている。僕はこの作品のこういう、二人を描くことに本気な姿勢が大好きなんです。

というわけで、本当はシンプルにユヅのメッッチャ可愛いシーンについてとか、キュンキュンしちゃうシーンとか、珠彦様の妹、珠子とユヅとの関係性についてとか、このあと二人に待ち受けるさらなる試練についてとか、書きたいこといっぱいあるんですが長くなってしまったので終わります。

大切な人のために頑張ることがかっこいいと思える、そんな『大正オトメ御伽話』をよろしくお願い致します。
ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?